今回もカノン5Dさん主催の自作オーディオイベント『アニソンオーディオフェス2024』に参加してきました!とは言っても昨年12月22日の開催なのでご報告が大幅に遅れましたが(汗)
今回は自作スピーカー9作品と自作アクセサリー1種+比較実験の発表がありました。今回の特徴としては、同年に行われたYAMAHAイベントのユニットを使用したスピーカー作品が3種ありました。他の作品でも自作技術をさらに発展させた作品が多かったですね。
私はYAMAHA自作スピーカーコンテストの出品作品を改造した『響きのアンサンブル2way version』で参加させていただきました!
過去のイベントの様子は下記の記事をご覧ください♪
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目次(リンク付き)
- 新たな会場セッティング
- 幻魚白蝦蛍烏賊さん「柔らかスピーカー」
多数の実験で追い込んだ柔らかスピーカーの決定版 - kato19「響きのアンサンブル 2way version」
YAMAHA自作コンテスト受賞作+WG付きツイーター - Grapeさん「Transfomer」
響きをコントロールするアイデア満載の可動式ダブルバスレフ - タニヒロ さん「げんこつキャンバストップ」
回り込むような音場感が驚きのスピーカー - DJ SSWANさん 「Yamaha向けバックロード共鳴管型SP」
スタイリッシュな爆音バックロード - みやさん「赤風琴鳥」
音も仕上げも精密なパッシブラジエーター型2way - 狐遣いさん「ひそやかな一般スピーカー」
内部の徹底見直しで音質改善した同軸2way密閉型 - かさじぃ~さん「Light Open baffle speakers」
励磁型 名品フルレンジと30cmウーハーのオープンバッフル - アクセサリー比較試聴:カノン5Dさん
電源3種の比較試聴 - アクセサリー比較試聴:zukinkunさん
アップサンプリングソフトUpsampling FIR 5.5 - カノン5D 「ひのき小道」+「SW-1」
YAMAHA招待作品の逆ホーン型+サブウーファー2発 - 最後に:今年の特徴、そして次回の開催の発表!
当日の試聴楽曲については公式ページのほうでカノン5Dさんがまとめてくれています。AmazonMusicで試聴リストも作ってくれているのでぜひご覧ください!また各資料でも楽曲への想いが書いてあったりします。読んでいただけると嬉しいです!
AudiFill: アニソンオーディオフェス2024 公式ページ
前日にトラブルで焦る(汗
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今年は中央席で試聴しました。 両脇に見えるのは反射板として利用したパーテーション。 |
会場は今年も東京郊外の東小金井マロンホールです。いつもは前日の準備日に搬入して音出しテストをするのですが、今年は直前に機材トラブルがあり急遽当日搬入に変更・・・焦りましたが無事音出し完了してホッとしました。
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今回も作品展示と試聴席を分けた配置になっています AudiFill Webページより |
毎度のことながら準備段階では客席に人がいないのでかなり響きの強い音になりますが、さすがに慣れました。あとは試聴の参加者さんがたくさん来てくださる事を願うだけです。
それでは次章から個別作品のレポートとなります。あくまで私個人の印象ですのでご了承ください。特に音質については座席の位置などによっても変化しますので参考程度ということでお願いします。
幻魚白蝦蛍烏賊さん「柔らかスピーカー」
多数の実験で追い込んだ柔らかスピーカーの決定版
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非常に滑らかで土器のような外観 手で強く押すとへこみます。 |
最初の発表者は幻魚白蝦蛍烏賊(幻魚)さん。3Dプリンターで発泡ゴムのような柔らかさのTPUフィラメントを使用した『柔らかスピーカー』をテーマに改良を続けています。
昨年は5cmユニットと小型の筐体で解像度の高い音を聴かせてくれましたが、今回はMarkAudio の10cmフルレンジ CHP70を使用しキャビネットも大型化。
外観の美しい卵形は一般的には音波の回析を目的にデザインされることが多いですが、本作は柔らかい素材による共振のコントロールという目的が主となっているようです。また、内部に大きなウエイトを抱え込んでいるのでずしりとした安定感があります。
今作は柔らかエンクロージャー独特のバスレフ動作を実測で収集し最適点を見出したとのこと。3Dプリント技術を活かした多数のサンプルで実験を行う様子は圧巻でした。
ある意味で柔らかスピーカーの完成形とも言える作品。どうだったでしょうか。
【試聴してみて♪】
1曲目から低音の量感が印象的。客席からはとても小さく見えますが、見た目と裏腹の豊かな低音です。また音場の広がりも素晴らしいですね。
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下部に見える穴がバスレフポート 多数のダクト形状を実測して選んだとのこと。 (Photo提供:狐遣いさん) |
昨年の5cmから10cmユニットへのサイズアップということもあり、小型でもフロア全体を響かせます。高域はメタルコーンらしい明るい音ですが、見た目ほど派手ではなく落ち着いた印象ですね。バランスの良さを感じます。この辺はエンクロージャーの相性の良さでしょうか。
途中エアコン?の雑音が入ってしまうというアクシデントがありましたが、全体としても解像感があって見通しが良い音でした。そこに十分な量感の低音があって、確かに柔らかスピーカーの決定版と言ってもいいですね。
資料を拝見しても実験して追求していく姿勢はすごいなぁと感心しきりです。見習いたいですね。
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_genge.pdf
kato19「響きのアンサンブル 2way version」
YAMAHA自作コンテスト受賞作+WG付きツイーター
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写真にあるとおり『響け!ユーフォニアム』をイメージした作品名。 今回も2曲を選出しました! (Photo提供:狐遣いさん) |
2番手はわたくしkato19の作品です。今回はYAMAHAの自作スピーカーイベントに出品した作品『響きのアンサンブル』にツイーターを加えて2way化したバーションです。
オリジナル作品はこちらのイベント報告記事をご覧ください。
関連記事 MJオーディオラボ『ヤマハと創るスピーカー自作&試聴イベント』参加レポート。全作品の感想レビュー!:アニメとスピーカーと‥
YAMAHAイベントではMJ誌にも掲載していただき望外の好評価をいただいたのですが、フィルター無しの3Lフルレンジ箱ということで、これはこれで確かに悪くないのですが・・・低音が少なめなのは如何ともしがたいところ。
ユニットの特性で高域のディップも気になっていたので、ツイーターを追加してフィルター設定で上も下も伸ばしてみようということにしました。割と軽い気持ちでやり始めたのですが、これがなかなかの難航(汗)
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NFJ販売のApple HomePod用ツイーターに自作WGを装着 上部の端子を下にして本体端子と接続しています。 クロスオーバー周波数は4kHz付近です。 |
詳しくは資料の方をご覧いただくとして、オリジナルの特徴は壊さずに、なんとか思ったような音に調整できたかなぁ〜と思います。
【試聴してみて♪】
当日のアンケートでは外観だけでなく音質的にも評価いただく声が多くて嬉しかったです。正直一発目の幻魚さんの音が予想以上だったので焦りましたが、違う方向性という事で評価いただけた感じかな?
以下に頂いた感想の一部をご紹介します。
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「思ったより小さい」と言う方が多かったです。 フクロウというニックネームは確かにピッタリかも。 (Photo提供:狐遣いさん) |
良い点については『思った以上にスケール感がある/2way化することで金物の音が効果的に響いているので、狙い通りの音になっている/クセがなく迫力と速度をを感じる音で驚きました/聞いていてとにかく心地よい/女性ボーカルのクリアさが印象的/楽器的な鳴り方』
など、音質面でも2way化やフィルター調整で狙い通りの評価を得られて嬉しかったです。
また、課題点については『もっと拡がりが欲しい/が8~12Kあたりで干渉している感じ/一音一音の解像感は低い/広がりのある音場感はもっと欲しい』
など、さすがよく聴き取っているなぁ・・・と感心してしまいます。今作はフルレンジ版の頃から『解像感はあまりないけど聴いていて楽しい』という趣旨の感想を多くいただいていたので、そういう点ではオリジナルの性格を踏襲できたアレンジだったと思います。
今作は吹奏楽などの楽器を心地よく聴かせるというコンセプトだったので、個人的には狙っていた方向性が評価されて嬉しかったです。音色の方向性が良くも悪くもオリジナル作品と似た評価だったのでホッとしています。
ありがとうございました!
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_kato19.pdf
Grapeさん「Transfomer」
3人目はベテランスピーカービルダーのGrapeさんです。非常に多くの製作経験があるGrapeさんですが、今回は『発想の転換』ということで、柔らかいファルカタ材を採用。さらに容量をリニアに変えられる小さくて軽いダブルバスレフです。
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ダブルバスレフだが可変構造で容量を変えられる。 ユニットはFoxtexの8cm付録ユニットM800 (Photo提供:狐遣いさん) |
ただし、さすがベテラン製作者。他にも、フェルトを利用した免震構造や、硬質なラバーウッドのバッフル、ユニットのフローティング構造や、真鍮製リング、魂柱の使用など響きを積極的にコントロールするアイディア満載の設計となっています。
【試聴してみて♪】
1曲目は演奏中に容量を変えていくデモンストレーション。理屈でわかっていても、みるみる低音の量感が変化するのは面白いですね。ダブルバスレフの容量比としては1:1.2くらいが良かったの事でした。
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第一空気室の内部。縦に見えるのが魂柱。吸音材は少なめ。 内部に軟材、バッフルに硬材と使い分けている。 |
2曲目以降はジブリの曲が続きましたが解像感のある響きが気持ち良いですね。このユニットは金属コーンのクセがありますがそれを上手に利用している感じでした。小型箱ですが奥行きがあるので詰まった感じもしませんね。
当初はファルカタ材の響きが強く出るのでは?と思っていましたが、嫌な共振は全然感じませんでした。さまざまな対策の効果でしょうか。軟材の可能性を示したという点でも面白い作品でした。
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_grape.pdf
タニヒロ さん「げんこつキャンバストップ」
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今回は三脚によるスタンドで照明のような外観。 |
独自形式の後面開放型を製作しているタニヒロさん。今回はテクニクスの20cmフルレンジ、通称『げんこつユニット』を使用した作品です。今回はバッフルにキャンバス生地を採用。従来通りバッフルを積極的に振動させる構造で、バッフルの穴がユニット口径より小さいのもこのシリーズの特徴です。
一見すると低音も高音も出なさそうに見えますが、過去の記事にもあるようにバランスの良い音が出るのは折り紙つき。今作は三脚をスタンドにしており見た目もスタイリッシュになりました。
【試聴してみて♪】
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ユニットは緩衝材でバッフルから浮かせて共振を調整している (Photo提供:狐遣いさん) |
DJ SSWANさん 「Yamaha向けバックロード共鳴管型SP」
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白くスタイリッシュな外観。 塗膜は美しく木製とは思えません。 |
こちらも常連参加者の『スワンチャン』改め『DJ SSWAN』さん。本格的にDJ活動を始めてビックリしました!今作は私と同じくYAMAHAイベント用9cmユニットの作品です。
外観上はテーパーをつけた共鳴管ですが、いわゆるTQWT型とは違いバックロードホーンとしての広がり率を重視した設計。開口部がユニット上部の前面に配置されているのも特徴です。
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光沢のあるポリカ製バッフルも美しい。 |
バッフルは専門業者に加工依頼した美しいポリカーボネート製、筐体も本格的なウレタン塗装でとても美しい仕上がりです。
【試聴してみて♪】
試聴曲は独自のDJ MIXアレンジ。最初から爆音で飛ばします。
中域の押し出し感が強く鮮烈な音ですね。クラブのPAでも使えそうな爆音を軽々と鳴らします。わずか9cm一発でこの爆音だと音が崩れたり、そもそも壊れないか心配になりますが、YAMAHAのユニットは強靭で心配なく鳴らせるのがすごいですね。
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横の穴からケーブルを通す面白い構造。 上部がホーン開口部です。 |
序盤の曲では中高域に対して低音は圧低めかなぁ〜と思ったのですが、ダンダダンOPのオトノケからはモリモリとした低音。バックロードや共鳴管らしい、量がありながら鈍重じゃない低音ですね。
同じユニットを使った私の作例とは方向性が違いますが、これもまたYAMAHAのユニットの特徴を活かした作品だと思います。
しかし、クラブとか行ったことないのですが、みんなこの音量で踊ってるんでしょうか。正直爆音だと体が硬直してしまう体質みたいで冷や汗が・・・みんな平気な顔しててそちらに少しびっくり(汗)こんな体験できたのもこのイベントのおかげですが。まさにDJ仕様のスピーカー体験でした。
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_SSWAN.pdf
みやさんさん「赤風琴鳥」
音も仕上げも精密なパッシブラジエーター型2way
精密な測定に基づくスピーカー製作をなさっているみやさん。今回は2way+パッシブラジエーターでの作品です。昨年の作品の兄弟機ということで色も含めてぱっと見はよく似ていますが、細部まで精密な仕上げに驚きます。![]() |
MDFに突板張りだがまるで無垢材のような美しい仕上げ。 (Photo提供:狐遣いさん) |
【試聴してみて♪】
やはり、みやさんらしい端正な音ですね。特性重視というと悪い意味でモニター調の退屈な音をイメージするかもしれませんが、金管楽器は伸びやかで気持ちよく、それでいて刺さるようなところは一切なく耳に優しい感じ。音が緻密で空間表現も正確な印象です。こういう音はフルレンジだと難しいんですよね。
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複雑なネットワークだがオリジナルの基盤に実装してコンパクトに内蔵している。 |
パッシブラジエーターはしっかり調整されており鈍重な感じは全然ありません。バスレフとは違って大型密閉のような端正さはあるのですが、意外にも弾むような押し出し感もあり良いバランスでした。自分も自作パッシブラジエーターの作例がありますがこれは目指したい音ですね。
自分も時折「測定と聴感のバランスで・・・」なんて言ってますが、もう何段も上という感じで(汗)自作スピーカーの目指す音というのは一つじゃないと思っていますが、今作がひとつのベンチマークになる作例なのは間違いないですね。
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_miya_s.pdf
狐遣いさん「ひそやかな一般スピーカー」ブラッシュアップ版
内部の徹底見直しで音質改善した同軸2way密閉型
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外観は昨年とほぼ変わらずだが改良点が多数。 中心の黒い部分がホーンツイーター |
狐遣いさんは昨年の16cm同軸2wayの密閉型作品を改良しての出品です。
前回と見た目はほぼ変わりませんが、ネットワーク定数と内部の改良で音質をブラッシュアップしたとのこと。前回の課題点を解決していく姿勢は見習いたいですね。自分はすぐに新しい作品に目が移ってしまうもので(汗)
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昨年の実験的な配線からコンパクトにまとめた外付けネットワーク。 |
さらにユニット自体もキャンセリングマグネットを追加し磁力を重量を増加!ユニット固定方法も鬼目ナットに変更。クロスオーバーも丁寧に調整し歪みの低減を図り、吸音材の再調整も行うなど、音質はかなり追い込んだとのことです。
【試聴してみて♪】
たしかに高域の歪み感はかなり低減されて聴きやすくなりましたね。今回は低音は控えめにしたとの話でしたが不足は感じませんでした。密閉型なので押し出し感はありませんが、なだらかに伸びる厚みは密閉らしい好ましさです。
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シンプルですがスタンドに乗せると存在感がありますね。 特徴あるホーンツイーターの使いこなしがポイント。 |
通常音量では明るい高音とタイトな低音のバランスで不満のない音質。この辺は音質の追い込みの効果を感じます。ラストの爆音試聴では高域の張り出しがやや強く感じましたが、これはホーンツイーターの特徴ですかね。着座位置も正面でしたので。
安価なユニットを活用したとのことですが、しっかり調整すればここまでの音になるということで1年かけて進化した音を楽しませてもらいました。
ちなみに作品タイトルは『となりの吸血鬼さん』OP曲の歌詞が由来とのこと。自分もそうですが鳴らしたい曲があるからスピーカーを作るという姿勢は共感できますね。
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_kitune.pdf
かさじぃ~。 さん「Light Open baffle speakers」
励磁型 名品フルレンジと30cmウーハーのオープンバッフル
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非常にスタイリッシュな外観。 右の箱はアッテネーター付ネットワークBOX。 (Photo提供:狐遣いさん) |
今回初出品のかさじぃ〜。さん。Twitter(X)では存じ上げておりましたが、お目にかかるのは多分初めて・・・かな?名前からかなり高齢のイメージでしたが、実際にはダンディーなおじさまという若々しい印象でちょっとビックリしました!
作品の方はご本人のイメージ通り、とてもスタイリッシュなフルレンジ+大型ウーハーの平面バッフル。当初はスーパーツイーターも付ける予定でしたが、前日の会場調整で不要と判断したそうです。当初は通常のエンクロージャーで試行錯誤されていましたが、最終的にオープンバッフルにたどり着いたとのこと。
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背面。特徴的な丸いユニットがFeastrex。 |
フルレンジユニットはFeastrex Nf5ex。feastrex社は名前くらいしか知りませんでしたが日本のメーカーだったのですね。
励磁型(電磁石で駆動するタイプ)で軽量な和紙のコーンと強力な駆動力が特徴。値段も当時1本20万円以上する高級ユニットです。残念ながら社長さんの死去に伴い現在は販売終了しており、今回は貴重な試聴機会となりました。
【試聴してみて♪】
これは驚きました。自分の持っていた平面バッフルのイメージとは違い非常にバランスの良い音。聴いていると平面バッフルということを完全に忘れてしまいますね。
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ウォルナット材のバッフル 正面で聴くと平面だということを忘れます。 |
立ち上がりの良い爽やかな音色が気持ちいいですね。大きなダブルコーンですが、歪っぽさはほとんど感じませんでした。これが励磁スピーカーの音なんですね。全く古さを感じません。高域も不足感なく確かにツイーターなしで十分でしたね。
低域も30cm近い大型ウーハーとはいえ平面バッフルでここまで量感を得られるんですね。フルレンジとのつながりもとても自然に感じました。
この音も箱に入れてしまったら確かに全然変わりそうですね。に見た目のスタイリッシュさだけでなく、とても完成度の高い作品で、貴重な体験ができました。
アクセサリー比較試聴:カノン5Dさん
電源3種の比較試聴
本イベントはスピーカー以外のオーディオ機器でも出品可能です。今回はカノン5Dさんから「電源3種の比較試聴」と、zukinkunさん自作のアップサンプリングソフトの聴き比べがありました。
電源は『通常電源』と『クリーン電源(Aray Mk2)』『ポータブル電源』の3種。今回はプレーヤーに使用しての比較です。こういう聴き比べは得意じゃないのですが、これは比較的わかりやすかったですね。通常電源に比べて両方とも良い変化を感じました。
ただ、クリーンとポータブルの比較ついては、若干ポータブルの方が丸く感じる程度でほとんど差を感じなかったかなぁ・・・他の方の感想を見ても通常電源との違いは大きいが、他二つは同じくらいという意見が多かったですね。公共施設の電源ということでノイズが多いのか、一般家庭の電源よりわかりやすいのかもしれませんね。
アクセサリー比較試聴:zukinkunさん
アップサンプリングソフトUpsampling FIR 5.5
もう一つの作品。zukinkunさんの自作アップサンプリングソフト「Upsampling FIR 5.5」です。今回、多分初めてのソフトウェア出品ではないでしょうか。
非常に専門的な観点から試行錯誤されていて、資料を読むだけでもアップサンプリングに対する知見が広がりますね。こんなにいろんなパラメーターがあるとは、恥ずかしながら単に変換するだけだと思っていました。
さて、聴き比べたところですが、ちょっと眠気が来る時間帯だったせいもあるのですが、私には明確な違いがわかりませんでした(汗)言い訳がましいですが、もっと頭がスッキリしている時で聴き慣れた曲だと分かったかもしれません。
ただ、他の方の感想では、情報量の増加を感じたり、繊細な音への変化に感じたとの意見がありました。 ただ一概に同じ方向というわけでなく、その変化が合う曲もあれば合わない曲もあるという意見が多かったです。
zukinkunさんソフト:https://zukinkun.hatenablog.com/entry/2024/09/18/233007
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_zukinkun4.pdf
カノン5D 「ひのき小道」+「SW-1」
YAMAHA招待作品の逆ホーン型+サブウーファー2発
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外観は美しい檜材。内部は新しい構造にチャレンジ。 今回はバスレフポートを埋めて密閉型として使用。 (Photo提供:狐遣いさん) |
最後は主催のカノン5Dさんの出品作。私と同じYAMAHAユニットの使用ですが、こちらは事前のMJ誌の招待作品としてYAMAHA本社にて発表された『ひのき小道』です。
外観は従来のひのきスピーカーに似ていますが、内部は逆ホーン型の音響管が折り込まれた、これまでにない構造にチャレンジされています。ネットワークは使わずあえて素のユニット特性を活かした作品。資料の測定結果も非常に参考になります。
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サブウーハーも自作のSW-1 コーンに独自補強材を使用したオリジナルウーハーです。 |
今回はバスレフポートを閉じて密閉型+サブウーハーでの発表。低音の質感にこだわったオリジナルサブウーファーSW-1を贅沢に二発使用します。
個人的にもYAMAHAユニットの素の使いこなしが気になるところです。
【試聴してみて♪】
これはさすがですね〜YAMAHAユニットの穏やかな高域を上手にコントロールして、不足感なくキレイに聴かせてくれます。この音を聴くと「別にツイーターとかなくてもいいかな」って思ってしまいますね。
自分はこの辺うまくできずに安直にツイーターに逃げましたが(笑)内部構造やひのき材の響きはもちろん、吸音材の丁寧な調整などで追い込んだ結果なんですね。
資料には苦労の試行錯誤が書かれていましたが、同じユニットなだけに参考になる所がたくさんありました。
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サブウーハーは後方に設置 |
そしてこれは皆さんおっしゃっていましたが、サブウーファーとの繋がりの良さですね。
私の世代ではサブウーハーというとホームシアター向けのややブーミーな音というイメージが抜けないのですが、本作sw-1はピュアオーディオ向けに徹底的な質感重視で設計。耐圧や大音量時の性能との両立は難しいのですが、そこは必要に応じて複数使用で補うという思想のようです。
今回は二発使用ということで、広いフロアでも低音の量感はもちろん、質感的にもにも全く崩れを感じません。ディテールを感じる低音でモヤモヤ感のない見通しの良さ。そのため、YAMAHAユニットの端正な中低域との相性が抜群でした。
作品資料:https://www.audifill.com/event/021_030/021_2024_kanon5d_2.pdf
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/016_swan.pdf
最後に:今年の特徴、そして次回の開催の発表!
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こちらが会場となった東小金井マロンホールです。 今回は写真の半分くらいを狐遣いさんよりご提供いただいた物を使用しました。 大変助かりました。ありがとうございます! (Photo提供:狐遣いさん) |
今回は個人的にYAMAHAイベントの流れという事で、同じユニットを使用した作品の比較が楽しかったです。イベントでは書類通過を目指して『見た目&コンセプト重視』で作りましたが、アニオフェスでは『アニソン対応&面白チャレンジ』に修正。他の製作者さんも強い独自性を発揮していて、YAMAHAイベントとはまた違った面白さがありました。
他の方においても、従来作品の改良など自作派にはとても興味深くて、継続して進歩を実感できるというのは、なかなか他のイベントでは得られない経験ですね。
また、かさじぃ~。さんの励磁型スピーカーのように、希少なスピーカーを聴けたのも嬉しいですね。しかもただ古い物ではなく、非常に良くできた作品として、かつ聴き慣れた楽曲で楽しめるというのはなかなかありませんよね。
そしてカノン5Dさんからは、次回アニソンオーディオフェス2025の開催が告知されました!前身となる『アニソン試聴会2018夏』から数えると記念すべき10回目の開催!(自分は3回目の2019夏からの参加です)正直ここまで続くとは・・・すごいですよね。本当に感謝です。
補記:遅くなりすみません!
本来ですと年明け早々にはアップする予定の記事だったのですが、途中で手が止まってしまいなんと夏になってしまいました〜ごめんなさい。
元々書くのは遅いのですがトシかな〜一度止まるとなかなか再始動しなくて(汗) やっぱりこういう記事は勢いがないと書き上げられませんね。次回も参加予定ですが、今度は遅くならないようにしたいです!
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