今年もカノン5Dさん主催の自作オーディオイベント『アニソンオーディオフェス2023』に参加してきました!
今年は自作スピーカー10作品中3名の方が初出品。フルレンジ6作品にマルチウェイ4作品。初参加の3作品はどれも2wayスピーカーというのが特徴です。
私は念願の月刊ステレオ誌 自作スピーカーコンテストの準優勝作の『Komainu』のお披露目をさせていただきました!
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作品展示の様子(Photo 狐遣いさん提供) |
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作品展示の様子(Photo 狐遣いさん提供) |
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作品展示の様子(Photo 狐遣いさん提供) |
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試聴スペースの様子(Photo 狐遣いさん提供) |
過去のイベントの様子は下記の記事をご覧ください♪
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目次(リンク付き)
- 新たな会場セッティング
- 幻魚白蝦蛍烏賊さん「柔黒卵」
5cmでバランスの良い軟性素材の柔らかスピーカー - kato19「Komainu」
自作パッシブラジエータのコンテスト受賞作 - タニヒロさん「ザウルスBSP-2023」
開放的な音でバランスのよい独自技法の後面開放型 - zukinkun さん「small desktop+」
美音系の小型2wayにサブウーハー追加で鬼に金棒 - みや さん 「夏風琴鳥」
特性重視の理想的2way - 電気ブランRSさん「こんがりくん」
木の響きを重視したウッドコーン2way - 狐遣いさん「ひそやかな一般スピーカー」
ひそやか・・・じゃない?解像度重視の同軸2way - χ'tさん「BROADWAY」
シンプルな構造でバランスよく聴きやすいTQWT式共鳴管 - スワンチャンさん「オウムガイ ver.2.00」
三年かけて完成度を高めたスパイラルホーン - カノン5D 「たけのこ103」+「SW-1」
サイズの制約を排した10cmバックロードホーンの挑戦 <
li>最後に:今年の特徴、そして次回の開催の発表!
新たな会場セッティング
今年はなんと12/24(日)クリスマスイブの開催!それにも関わらず試聴のみの参加者も含めて満席に近い来場者がありました。
会場は例年同様、東京郊外の東小金井マロンホールですが、今回は会場のセッティングが大幅に変更になりました。作品の展示スペースと試聴スペースを分割。さらに試聴席の側面にパーテーションを反射板となるよう設置しています。試聴席は若干手狭になりますが主催のカノン5Dさんによると室内音響的な効果も大きいようです。
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今年は作品展示と視聴スペースを分けた配置に AudiFill Webページより |
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発表者側からみた試聴席の様子 黄色い☆印が私の試聴位置でした。 |
とはいえ、やはり準備段階では客席に人がいないのでかなり響きの強い音になって焦りますね〜人が入ればかなり軽減されるとはいえ毎度のことながら冷や汗が出ます。
このイベントは試聴曲がアニメ楽曲縛りという以外はレギュレーションがほぼ無い自作オーディオイベント。私は今年で6回目の参加になります。(著作権処理については主催者様より一括してJASRACへ利用申請いただいています。)
AudiFill アニソンオーディオフェス2023 公式ページ
発表動画:カノン5Dさん公式ch アニソンオーディオフェス再生リスト
次章から個別作品のレポートとなります。あくまで私個人の印象ですのでご了承ください!特に音質については座席の位置などによっても変化しますので参考程度ということで。
幻魚白蝦蛍烏賊さん「柔黒卵」
5cmでバランスの良い軟性素材の柔らかスピーカー
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ユニット取り付け部は柔軟性を活かした はめ込みリング構造で一体感のある外観 (Photo 狐遣いさん提供) |
3Dプリンターで軟性フィラメント(TPU)を使用した『柔らかスピーカー』を製作している幻魚白蝦蛍烏賊(幻魚)さん。昨年は8cmユニットで迫力の音を聴かせてくれましたが、今回は5cmユニットで挑戦。使用ユニットのスキャンスピーク5F/8422T03はStereo誌2013年の付録モデル。小型ですが低音の量感には定評があるユニットでした。
外観の美しい卵形が印象的ですが、内部に大きなウエイトを抱え込むような構造になっており適度に共振をコントロールしています。また、バスレフポートまで有機的に造形されているほか、ユニット取り付けカバーも軟性素材を活かしたはめ込み式で見事な完成度。
しかも機動的な3Dプリンタの特徴を活かして期日直前に、新たにフロントバスレフ方式に変更しての出品です。2023年は幻魚さんは複数のイベントに出品しているのですが全て違う作品での出品。トライアンドエラーの速さを活かして、どんどんブラッシュアップを進めた作品の完成度が楽しみです。
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背面も美しい処理。カットモデルも展示されていた。 触感はやや硬めのスポンジゴムという感じ。 (Photo 狐遣いさん提供) |
【試聴してみて♪】
流石に5cmということで最初こそ音量の小ささがハンデに感じましたが、耳が慣れてくるとその解像感の高さ、バランスの良さに気づきます。静かなボーカルは刺々しさがなく気持ちよく聴けました。意外だったのは金管楽器の音の鮮やかさですね。見た目からブラス系はぼんやりするかと思いきや煌びやかでした。
魔女の宅急便サントラのような比較的音数の少ない曲はとても合っていました。反面、音数が増える曲は流石に苦しく聞こえる印象も・・・でも本来はデスクトップ用ですから広いフロアでは限界があります。近接試聴でベストのパフォーマンスになると思います。
低音についてはこのユニットの特徴でもありますがよく出ていますね。もちろん深い低音というわけではないですがバランスがいいです。急遽変更したフロントバスレフも影響しているかと思いますが、柔らかエンクロージャーの共振もあるのかもしれませんね。
また、低音だけでなく『嫌な音を出さない』という点でもこの柔らかエンクロージャーは上手に共振を散らしているんじゃないかなぁと感じました。一つの方式を突き詰めて研究する姿勢もスゴイですね。ほんと見習いたいです!
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_genge.pdf
発表動画:3Dプリンター製作の柔らかスピーカーアニソンオーディオフェス2023
kato19「Komainu」
自作パッシブラジエータのコンテスト受賞作
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木材の種類を変えているので色の組み合わせも面白いかなと思います。 (Photo 狐遣いさん提供) |
2番手はわたくしkato19の作品です。今回は月刊ステレオ 第13回自作スピーカーコンテストの準優勝作品で出品しました。ユニットは6cmフルレンジのOM-MF4-MICA。左右に10cmの自作パッシブラジエーターを装着。補正回路(PST)を内蔵して中高音のバランスを調整しています。
外観から低音重視に見えますが、実際は低音はそれほど強調せず70Hzくらいでダラ下がりに調整。あえて言えば密閉型+αといった感じです。小型卓上スピーカーとしてフラットを目指したスピーカーがコンセプトです。
ただ、今回は受賞時に比べて少しだけ高域(8〜9kHz付近)を持ち上げたいと思いコンデンサの変更(1.5μF→2.0μF)をしています。受賞作ということで期待されますが、小型スピーカーですので広いフロアでは力不足になる恐れも・・・どのくらい鳴るか心配なところですね。
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バッフルステップ補正回路(PTS回路)を内蔵 コイルと抵抗でバランスをとりコンデンサで高音の微調整 |
【試聴してみて♪】
準備の時は響きが気になりましたが、人が入ることで音も落ち着き、まあまあ狙い通りの音になったかなぁ〜という気がします。ただトークが下手すぎて恥ずかしいですね。最後はユーフォのED曲紹介でやっぱり言葉に詰まってしまいましたが(汗)
実際の音はカノン5Dさんがアップしてくださった動画をご覧いただければと思いますが、会場ではもう少し反射音が少なく聴こえる印象でした。
他の試聴者様からのアンケートではバランスの良さを上げる声が多かったです。フィルター付きの弊害で眠い音にならないように調整したのですが、中高音についても概ね評価いただいていたのが嬉しいところでした。
パッシブラジエーターについても効果を感じる声が多く、打楽器に木の振動板のニュアンスを感じるという感想もあり「なるほどなぁ」と気付かされました。
TRUEさんのボーカルの聴こえ方について褒めていただいた感想も複数あったのですが、ここは実はフィルター調整で結構こだわったところで、最後まで粘って調整して良かったです!
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_kato19.pdf
発表動画:月刊stereo 2022自作スピーカーコンテスト準優勝作品でアニソンを鳴らす
タニヒロさん「ザウルスBSP-2023」
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本体は紙・スチロール合板に厚い塗膜で補強 開口部はあえて口径より小さくなっている |
タニヒロさんは独自技法の後面開放型を極めていくスタイル。
通常は押さえ込むバッフルの共振を、積極的に利用して音の広がりを得るという音場型のスピーカーです。一般的なスピーカーとは全く逆の発想となるため、初めて見た人はまともな音が出るのかとかなり懐疑的になるのですが、意外にもバランスの良い音になる事はこれまでの作品で実証済みです。
今作はSONYの16cmユニットを使いながらかなり小型の筐体。新素材である1mm厚のバッフル板や複数の共鳴板が複雑に動作するよう調整しています。動作原理は複雑ですが、むしろそれが特定の共振に偏らず自然な音場を作っているような気がします。
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ユニットは背面振動板や底面とも接続させている |
【試聴してみて♪】
狙い通り広がりのある音場感。スピーカーの左右や後方から音に包まれる感じです。それでいてボーカルは聴きやすい。音に響きはついているのですが不思議なリアリティーを感じます。この辺は実際に会場で聴かないと分かりにくいかもしれませんね。今回は背面の羽型振動板や底面にも共振をさせているのでさらに複雑な打ち消し合いがあるのかもしれません。
ユニットが16cmフルレンジという事で古めの歌謡曲系との相性は抜群。裸ユニットの爽快感を残しながらバランスの良い中低音でした。筐体自体は小型ですが全く物足りなさはありません。とはいえ大音量ですとピアノに歪み感が目立つ事があるので、本来は適正音量で調整して楽しみたいスピーカーだとは思います。
それにしても出品者中最高齢にもかかわらず今回の出品でさらにインスピレーションが得られたとお話されていて、意欲が衰えない姿勢は自分も目標とするところです。
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_tanihiro.pdf
発表動画:あのSONYの16cmフルレンジ! 後面開放×アニソンで聴く
zukinkun さん「small desktop+」
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上部2wayは7cm口径の超小型作品。 下部サブウーハーも9.7cmで3wayとしてはかなりコンパクトです |
zukinkun さんは昨年出品したの超小型2wayに、自作サブウーハーをプラスした3Wayスピーカーで出品。昨年の作品は超小型にも関わらずバランスよく美しいボーカルが印象的でした。背面に装着したパッシブラジエーターの効果が薄いとのことですが結構バランスも良かった気がします。これに専用ウーハーを追加すれは鬼に金棒では?
ウーハーユニットはおなじみNFJから販売されている某有名A社のスマートスピーカー用ユニット。特徴的な太いエッジで小型サブウーハーには合いそうです。さらに裏面には調整可能なコーン型のパッシブラジエーターを装着しています。
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サブウーハーも2wayと同様パッシブラジエーター式。 50Hzくらいから出ているとのこと。 |
【試聴してみて♪】
ウーハーは柔らかめの音色という印象。押し出し感より包み込むような感じですね。曲によってはやや低音が膨らむ感じもしましたが私の着座位置の関係もあるかもしれません。
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_zukinkun.pdf
前作資料:https://www.audifill.com/event/011_020/018_2022_zukinkun_2.pdf
前作感想:zukinkunさん 「Small Desktop」
みや さん 「夏風琴鳥」
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参加者からも評判になった美しい仕上げ。 |
今回初出品のみやさん。自身のブログでシミュレーションを駆使した設計と、丁寧な測定をしたスピーカー作品を公開されています。今回は最新作の15cmウーハーの2wayで参加です。専門業社にカットを依頼し自身で突板貼りと着色仕上げを行なった外観は細部まで非常に美しく驚きました。
外観だけでなく設計も素晴らしいです。ユニットのT/Sパラメーターを実測したうえでシミュレーションを繰り返し特性を追い込んでから製作。さらに製作後も測定で微調整を行なっています。ある意味で理論派スピーカービルダーの理想形ですね。
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背面も高級感のある仕上げ。 バスレフポートアダプタは3Dプリントの外注品。 |
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内部ネットワークは自己設計の特注基盤に実装。 (Photo 狐遣いさん提供) |
【試聴してみて♪】
最初の出音から「これは!」と唸らされる質感の高い音に驚きました。すっきりクリアな中高音。でもエッジを立てたクリアさではなくしっとり滑らかな音です。
fripSideの曲のように少し難しい曲でも大音量で破綻なく表現。かといって眠い音なわけでなくキラキラした効果音も美しく再生します。低音は余計な膨らみを感じない力強くソリッドな音質で迫力も十分。
しっかり調整された2wayの音質を体験できて勉強になりました。フルレンジの音を否定するわけではありませんが、2wayならではの整った音質で一つの目標にしたくなる作品ですね。
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_miya.pdf
ブログ:『工作とかオーディオとか』
電気ブランRSさん「こんがりくん」
木の響きを重視したウッドコーン2way
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合板でなくスプルース材を使った贅沢な仕様 (Photo 狐遣いさん提供) |
エンクロージャー設計にはビクターのウッドコーンの思想を多く取り入れているのも特徴。特にオーブンで焼いたという人工熟成響棒を使用した内部音の処理は注目です。ネットワークは純正品ではなくシンプルですが高品質な素子に交換。製作資料は読み物的にも面白くて、おもわず突っ込みたくなるような失敗談ありと必見です。
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容量も充分確保したサイズ。 外面は自ら焼き入れ加工を施し変化をつけている。 |
【試聴してみて♪】
全体として包まれ感のある音場表現が印象的でした。男性ボーカルがすごくよく合うなぁと感じます。情熱的で勢いのある音なのですが、決してピーキーな音じゃないですね。大型のエンクロージャーで余裕のあるなりっぷりという感じです。
木管楽器の音色がとてもキレイな響きで、この辺は木材にこだわった音の響きがあると感じました。補強や吸音材で押さえ込むのとは逆の解放感のある音ですね。リアバスレフにして音漏れを抑えたのもいいバランスになっている気がします。
低音については不足感はありませんがバスレフのチューニングについてはもう少し上げてタイトな質感を狙っても面白いかもしれないですね。ただ、どうせ作るなら目一杯取りたくなる気持ちもよ〜くわかります(笑)
総じて狙い通り木の響きの美しい作品になっていたと思います。
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_rs.pdf
狐遣いさん「ひそやかな一般スピーカー」
ひそやか・・・じゃない?解像度重視の同軸2way
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シンプルなMDFの密閉エンクロージャー ネットワークは外付け式。 |
狐遣いさんも今回初出品。同軸ホーン型+16cmウーハーの2way密閉型です。低音は量より質、解像度を重視という明確なコンセプトで設計。
ユニットは中国通販サイトから直輸入。2way初製作にしてかなり複雑なネットワーク構成になっています。見た目はシンプルですが本格的な同軸2wayという事で楽しみです。また資料はとてもキレイで読みやすいデザインに驚きました。
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ネットワークはかなり試行錯誤したとのこと。 複雑な構成ですがとても丁寧な配線です。 |
【試聴してみて♪】
密閉型なので低音の量感こそ控えめですが、ボワつきがなくボーカルを邪魔しないという狙い通りの音。ボーカルの響きの良さが印象的でユニゾンの歌声も明瞭に再現できていました。これは同軸の利点でしょうか。
クロス周波数は2kHz付近という事でホーンツイーターの個性が強く出た音色ですね。シルクドームとは違い明るくキレのある音ですが、曲によっては個性の強さも感じます。MDFのエンクロージャーは本来は響きが少なくソフトな傾向になりますが、ツイーターのキャラクターで相殺されているのかもしれませんね。
最後の曲は爆音で締めましたがタイトルの『ひそやか』とはなんだったのか・・・新たな爆音派の誕生を感じました。総じてユニットの特徴を活かした音作りで残響音など解像度の高さが印象的な作品でした。
ちなみに余談ですが、狐遣いさんとは最初試聴曲が『おにまいOP』で被っていたのですが、実は幻魚さんも候補にしようと思ってたそうで・・・本当に今年人気な作品だなぁと実感しました。
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_kitsunetukai2.pdf
χ'tさん「BROADWAY」
シンプルな構造でバランスよく聴きやすいTQWT式共鳴管
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落ち着いた赤い合皮張りが映えるデザイン |
もはや常連組のχ'tさんですが、今年は社会人になって購入した高価なFOSTEXの限定ユニットFE108SS-HP10を使用したTQWT作品で出品。
TQWT(テーパー付き共鳴管)方式は私が若い頃(20年くらい前?)には結構作例をみましたが最近は珍しいですね。自分は似た形式で1.7m級の一回折り直管型共鳴管(背面開口)を好んで作っていたのですが、1.7m級は40Hz付近までたっぷりの量感を得られるので普段使いにはちょうど良いんですよね。
TQWT型は直管共鳴管のクセを減らせるのがメリット。ただ前面開口なので付帯音の処理が悩みどころですが・・・どう仕上げてくるのか楽しみです。
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内部をV字に区切った一回折り共鳴管。前面底部に開口部がある。 |
【試聴してみて♪】
大変バランスの良い音に仕上がっていました。FE108SSHPは力強いですが評価通りイカつい外観の割に聴きやすい音ですね。低音もTQWTらしく共鳴管独特のクセが少ない気がしました。直管型のようなモリモリ盛った量感はないのですがトータルでは聴きやすいです。
付帯音は直前まで吸音材の調整をされていた効果かほとんど気になりませんでした。それでいて共鳴菅らしくサックスのような管楽器を生き生きとした音で鳴らします。アイマス楽曲のSE音に包まれるような音場感も印象的でした。
外観もシンプルですが黒地にワインレッドの合皮張りが良い配色。普段使いしやすいスピーカーではないでしょうか。
スワンチャンさん「オウムガイ ver.2.00」
三年かけて完成度を高めたスパイラルホーン
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美しく仕上げて再登場。開口部は内向きでセット。 |
スワンチャンさんは2020年に発表した作品を三年かけてブラッシュアップ。美しい再仕上げと細部の改良を施して満を持しての再出品です。長岡鉄男氏のスパイラルホーンD-103 『エスカルゴ』をベースに完全な曲線構造を実現しています。
まず目を引くのはカシュー塗装(人工漆)を併用した鏡面仕上げ。2mm厚という塗膜は見た目もすごいですが音質の向上も期待できます。またバッフルリングの改良などで気密性を向上させ本来持っている性能を引き出した本作。音質的にはどう変化しているか楽しみです。
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背面端子板も新たに発注。透明で美しい。 |
【試聴してみて♪】
スワンチャンさんらしく今回も爆音での発表ですが大音量でも安心して聴けました。歪みやすいピアノの音も大音量で問題なく再生できており、うるささは感じずクリアな印象。前作では良くも悪くもエネルギッシュでしたが、そのイメージで聴くと拍子抜けするくらい端正な音です。
開口部からの付帯音も相当コントロールされているようで、近くで聞いても中高音の漏れはほとんど気になりませんでした。全ての点で本来の性能を発揮できている印象です。作品完成後も年単位で向き合い完成度を高めていく姿勢は見習いたいですね。
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_suwan.pdf
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/016_swan.pdf
前作感想:真空管のスワンチャンさん:オウムガイ
カノン5D 「たけのこ103」+「SW-1」
サイズの制約を排した10cmバックロードホーンの挑戦
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10cm一発に全高2m超級の迫力 真ん中にあるのは16cm独自振動板のサブウーハー |
最後は主催者であるカノン5Dさんの作品。今回は非常にチャレンジングな作品で、見たことのないようなタイプの巨大バックロードホーンです。一見すると長岡鉄男氏の共鳴管作品『ネッシー』シリーズを思わせる煙突のような外観。しかし構造は大きく異なりまさにバックロードホーンです。
今回はホーンシミュレーターを活用し40種のホーン形状を検討しこのスタイルに落とし込んだとのこと。見た目のインパクトは強いですが木目を活かした着色仕上げが美しく思いのほか部屋に馴染みそうな仕上がりです。
ユニットはFostexの10cmスタンダード機であるFE103NVを使用。このユニットで長大なホーンをドライブできるのかも注目ですね。低音の補強としてオリジナルユニットによる16cmサブウーハーSW-1も併用とのことで使いこなしも楽しみなところです。
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本体は上部と下部に分割されている。 |
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下部の接続部から下を覗く。 本体も重量感あるがさらに開口部に錘を入れている。 |
【試聴してみて♪】
見た目のインパクトとは裏腹にとても聴きやすい音でした!
直前に2種類の限定ユニットが続いたので最初こそ地味に聴こえましたが、聴き込むととても良いバランスに感じます。一見すると巨大開口部が前面に開いているので盛大に共鳴音が漏れそうですが、意外なくらいホーンくささを感じません。SWなしで聴いても低音の不足感は感じずこれはこれでアリなのでは?と感じました。
ユーフォの楽曲『フロントライン』では金管の音とマラカスの響きが美しく印象的。バックロードらしく適度なホールの響きを感じられて聴いていて楽しくなります。
SWありの場合は低域をほんのり支えるような感じで心地よさがアップします。当日は『のうりん』の『コードレス☆照れ☆PHONE コンサートバーション』をリクエストしたのですがリバーブ成分がとてもキレイに出ていてピッタリでした。
見た目の異形さから実験作というイメージでしたが、聴いてみれば予想以上に実用性の高い作品にまとめてきた力量に感服です。
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/019_2023_suwan.pdf
作品資料:https://www.audifill.com/event/011_020/016_swan.pdf
最後に:今年の特徴、そして次回の開催の発表!
今回も大変楽しいイベントになりました。3名の初出品者を迎えましたが、3名とも方向性は違うものの2wayというのは時代の変化を感じます。さらに別の2作品は以前の出品作の改良版というのも面白いですね。レギュレーションが自由なこのイベントならではの特徴な気がします。
逆にカノン5Dさんにおいてはまさかの超大物へのチャレンジ。これだけのベテランになって守りに入らない姿勢には驚かされました。
私も6回目の参加ということで、何かしらの貢献ができればと思い、アンケートの他にノベルティーグッズの製作も行なってみました(笑)
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端材で作った入場者プレゼント。 一応主催者カノン5Dさん公認グッズです(笑) ペーパースタンド兼、CD・スマホスタンド。 |
そして、イベントの最後にはカノン5Dさんから、次回アニソンオーディオフェス2024の開催が告知されました!前身となる『アニソン試聴会2018夏』から数えると9回目の開催!(自分は3回目の2019夏からの参加です)これだけの回数を毎年開催することは本当にすごい事です。
このイベントに参加したことで自分のスピーカー製作に対する知識と経験が大幅にブーストされていると感じます。アニオフェスの参加がなければコンテストでの受賞はなかったと思います。次回も出たいなぁ・・・とはいえ自分自身が老害化しないように気をつけねば(汗)
改めて主催のカノン5Dさんに感謝です!
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