自作スピーカーの試聴会はいくつかありますが『アニソン縛り』なのはここだけじゃないでしょうか。なんとここで自分のスピーカーを聞いていただく機会をいただきました!
自分もスピーカーは10作程度作ってきましたが、知人以外に聞いてもらうのは初めて。良いトシしてむちゃくちゃ緊張してしまいましたが、すっごく刺激的な時間を楽しめました。
今回出品したスピーカー フルレンジ・フロントロードホーン+同軸ツイーター 試行錯誤の末この形になりました。 |
アニソン試聴会 2019夏:開催レポート(AudiFill公式)
アニソン試聴会 2019夏:試聴機材(当日配布したPDF資料があります)
【目次】
1.準備編:緊張しながら会場へ!
音出しテストで冷や汗・・・
もっと落ち着いて準備すれば良かった
2.Concept-SOLA:美しく力強い、驚くべき6cmサウンド!
小ささを活かした妥協のない音
3.PR-83Sol:澄んだ高音と躍動感のあるサウンド!
電源ケーブル比較試聴
4.いよいよ私のスピーカー発表!
『セカイがカフェになっちゃった!』
『キセキヒカル』
『映画 聲の形 a shape of light
まさかのリクエスト!
アンケート評価
発表を終えて
5.健々さんの球体スピーカー:内側も滑らかな力作!
爽やかな解像感の高い音、ボーカルの分離感が素晴らしい。
6.しゅーまさん「VVT-5」:本格ネットワークの小型3ウェイ
3wayは大変そうだけど面白そう!
バッフルステップ補正の説明も良かった
7.最後に:最高のデビューの場でした!
準備編:緊張しながら会場へ!
会場となる西国分寺は初めて降りる駅。学生の頃は武蔵野線を使ってたので名前だけはよく知ってますが閑静なベッドタウンという感じですね。微妙に迷いながらたどり着いたレンタルスペース「ろおまんか」2階が会場です。
会場のレンタルスペース『ろうまんか』 2Fなので目立ちませんが案内のおかげですぐわかりました。 |
入ると主催者のカノン5Dさんと、自分と同じく自作スピーカーを出品するしゅうまさんが準備中。自分は試聴会はもちろん、オーディオイベントやオフ会もほとんど参加しないのでTwitterのフォロワーさんとも面識ゼロ。いやぁ、緊張しますね!
音出しテストで冷や汗・・・
まずはしゅうまさんの音出しを聴いて「キレイに鳴ってるなぁ』と感心してましたが、続いて自分の音出しテストをさせてもらいました。
まずは自分の持ってきたUSBメモリの音源チェック。無事認識してホッとしたのもつかの間・・・うぁ・・・って頭抱えてしまいました。ボーカルの付帯音が予想以上に強い!ホーンの歪みのような付帯音が結構目立って聞こえます。
準備中の会場。12席〜15席位かな。 音響パネルなどでカノン5Dさんが調整済み。 |
ホーンの歪み音が目立たないように苦労して調整したつもりが・・・この会場では想像以上に目立つんですよね。正直恥ずかしい・・・って頭真っ白状態ですよ(泣)
今日の来場者はどの方も耳の肥えたオーディオファンばかり。技術的にもかなりハイレベルな方々。この音だと呆れられるのではと冷や汗ものです。
ただ、今思えば来場前の空の部屋ということで、かなりライブ(反響が強い)な状態。お客さんが入ったら想像以上にデッド(吸音が強い)になって驚きました。だから付帯音もかなり強調されて聞こえたのかなぁ。
もっと落ち着いて準備すれば良かった
ショックで頭抱えてしまいましたが、今思えば、いろんな席に座って座席位置の響きの違いを認したり、後席での音量調整を確認したりとか、いろいろやるべきことはあったのになぁ・・・頭真っ白になって言い訳ばかり考えてました。ホント反省ですね。
そう言ってる間に、開始時間が近づくとお客さんが続々とやってきました。やっぱり皆さん顔見知りの方もいるみたいですが、自分は全くのアウェイでボッチ状態(笑)
発表前の緊張もあって近くに座ってる方に挨拶したくらいでした。まあ終わった後に話しかければいいや・・・と思ったのですが先に話しておけばよかったな。
そして始まってみればほぼ満席の来場者!事前の話しだと半分くらいかな?って事だったので大盛況にビックリ。しかもなんか凄そうな人もいるし・・・緊張が高まりすぎて胃が痛い(泣)久々に常備していた胃薬を飲みました。
Concept-SOLA:美しく力強い、驚くべき6cmサウンド!
最初はカノン5Dさんの個人ブランド『Audifill』の新作スピーカー『Concept-SOLA』のデモ。これ聴いてみたかったんですよね!
これまではフルレンジを活かしたスピーカーでしたが、今回はAudifill初の2wayスピーカー!しかも横浜の『A&Cオーディオ』のオリジナル6cmユニットを使用。6cmウーハ+ツイーターという構成も、デスクトップ型の小型スピーカーならともかくブックシェルフ型としては大胆ですよね。
Concept-SOLA 大胆に斜め加工されたフォルム。木地仕上げが美しい。 突き板でなく無垢材の響きを活かした設計。 実際に見ると良い感じのサイズ感です。 |
実際に見たConcept-SOLAはその存在感が面白いです。単体写真の印象ではもっと大きく見えるんですよね。この比率のスピーカーならウーハーは10cmくらいのものをイメージするので。でも実際にみると思ったよりコンパクト・・・でもすごい存在感を感じるデザインです。
無垢ひのき材の木地の美しさを最大限生かした仕上げ、そして斜めカットしたデザインでスッと立ち上がったようなスリムさが優雅なんですよね。これまでのシリーズの『建材的な力強さ』のイメージとは違う軽やかな印象です。
小ささを活かした妥協のない音
そして鳴らしてみてビックリ!まず目の前にある6cmユニットから出てるとは思えないんですよ。そのくらいしっかりした中低音。8cmバックロードホーンや共鳴管などで小口径でも低音が出るのは理解してますが、さらに小さい6cmですからね。
もう一つ驚いたのはその開放感。FoxtexのFEシリーズのような開放感とは違うのですが、尖りがない聴きやすい音なのにすごく開放的な音がします。小口径ウーハーで無理して低域を稼いでいるって音じゃないですね。
FEとは違う丸みのある音なのですが全然眠い音じゃないんですよね。すごく見通しが良いですね。
実際に見るとコンパクト。 この小さなユニットから出る音とは思えない 芯があって解放的な音。 |
1曲目の試聴曲『劇場版ラブライブ!サンシャイン!!』から『僕らの走ってきた道は・・・』では、導入のピアノも高音から低音まで繊細かつ痩せずに鳴り、ソロボーカルもクリアに表現。
歪みないのはもちろんですが、音が増えてもごちゃごちゃせずに見通しがいいのに驚きます。自分もこの曲は映画館ではもちろんスピーカー調整でも何度も聴いたのでとてもわかりやすかったです。
仕様上は50Hzまでの低音ということですが6cmとしては驚異的ですよね。もちろん大型ウーハーとは質が違うのですが、これはこれで全然妥協してる感じがしませんね。
ボーカル曲を楽しむスピーカーとしてむしろ厳選したスペックに感じるほど。小さいけど頑張ってみましたって音じゃなく小ささのメリットを活かした設計。小型スピーカーならフルレンジでいいのでは?と思ってましたが視野の広がる経験でした。
PR-83Sol:澄んだ高音と躍動感のあるサウンド!
2つめのデモは『PR-83Sol』です。今回はスワンチャンさんの持参の電源ケーブルの比較試聴も合わせた企画。ケーブルの比較なんてオーディオマニアっぽくてワクワクしますね。
『PR-83Sol』はAudifillの代名詞のようなスピーカー。無垢ひのき材の塊のような外観。下部が黒く着色されており神社のような厳かなデザインです。下部の角型バスレフポートは8cmの口径に比してとても大きいのが特徴。
PR-83Sol こちらは非常に力強いデザイン。 写真で見るよりずっとコンパクトに感じる。 |
フロントポートでこの大きさだと、中高音の漏れが大丈夫?って心配になるんですよね。特にフルレンジで箱が小さいと敏感になります。フロントポートは音の正確性には優れているんでしょうけど、音漏れの対策がなぁ・・・って自分は背面ポートに逃げてしまうんですよね。
でも試聴してみると漏れから来るような付帯音は全然感じません。すごいですね。大音量時に定在波の影響を少し感じましたが部屋の問題だと思います。
非常に澄んだ美しい高音、そして力強い低音で支える躍動感のあるサウンド。これは吸音材などの調整の妙ですかね。外観だけ真似してもきっとこの音にはならないだろうなぁ。
ユニットのFOSTEX『FE83-Sol』の良さは当然なのですが、無垢材や吸音材を研究して徹底的に雑味を取り除き、ユニットの良さを抽出したようなスピーカーでした。
電源ケーブル比較試聴
スピーカーの試聴をしたところで、スワンチャン(@amptube6L6 )さん自作の電源ケーブルの比較になりました。普段は貧弱な機材を使っているプア・オーディオな自分。電源ケーブルの比較なんてなかなか経験できませんので楽しみです。
オヤイデ電気のTUNAMIとアクロリンクのケーブルで作られた2種類の電源ケーブル。すごい太さですね。
ケーブルには詳しくない自分には『ゴツいなぁ』という第一印象 見るからに良さそうだけど、どう変化するのか? |
カノン5Dさん持参ケーブルからTUNAMIに変えると、すぐに低音の量感が増えたように感じました。力強い押し出し感が付加されますが、中高域の澄んだ感じはそのまま変わりません。おおぉ!こんなに明瞭に変わるものかぁ・・・とびっくりしました。
続いてアクロリンクに変えるとまたもや明確な変化を感じます。TUNAMIのような低音はありませんが全体に硬めの音に変わった印象。アニソンにはTUNAMIやカノン5Dさんのケーブルの方が向いてる気がしましたが、器楽系のジャンルで聴いたみたい印象でした。
短時間でしたが実質3種類の電源ケーブルの比較。こういう場だと分かりにくいかなぁとおもったのですが、ここまで明瞭に違いを感じるとは思いませんでした。
スワンチャンさんには私のスピーカーについても、内部ケーブルの重要性をアドバイスして頂いたのですが、こうやって経験すると説得力がありますね。高価なケーブルは難しいですが色々と試してみたくなりました。
いよいよ私のスピーカー発表!
休憩の後はいよいよ一般参加者の発表。トップバッターはなんと私、Kato19からです。ゆっくり準備できるようにとのカノン5Dさんの配慮なんですけど、緊張感高まりすぎてヤバイですね。
耳の肥えた満席のお客さん相手に、しかもカノン5Dさんのハイレベルな音の後ですからね!人生初の自作スピーカーの発表の場と考えるとすごい舞台です。
素晴らしい機材で鳴らせる喜び! 画像提供 (C) AudiFill |
最初に書いた通りテスト時におもいっきり動揺していたので、冒頭は言い訳から入る始末(笑)でも今考えればもう少し自信を持って説明すれば良かったですね。
1曲目は『セカイがカフェになっちゃった!』:アニメファンへのメッセージソング!
試聴1曲目は劇場版OVA 『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』 の主題歌『セカイがカフェになっちゃった!』です。
この曲は畑亜貴さんの歌詞がホントに素晴らしいですね。中年になってから改めてアニメにハマった自分にとっては強烈なメッセージ性を感じる曲です。常識から解放されて『好き』や『夢』を語ろう、最初は抵抗があるけど思い切って飛び込んだ先に未来が待ってるよ!というメッセージ。
映画の素晴らしさも相まってなんども感涙した曲です。自分の発表デビューとしてはこれ以上なくふさわしい曲ですが、その反面、付帯音や歪みが誤魔化しにくい曲だったりします。
予想通り歪みが結構出て冷や汗だったのですが、準備の時に聞いた時ほどではないかな・・・満席のお客さんで音響環境が相当変化している様子。まあこのスピーカーの長所も短所もしっかり出してくれる曲だと思えば良い選曲だったと思います。
関連記事 映画『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』 感想:種田梨沙さんおかえりなさい!と思ったら泣いちゃったよ。 - アニメとスピーカーと‥
2曲目は『キセキヒカル』:自分を重ねてしまうキセキの歌詞!
2曲めは劇場版『ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』より『キセキヒカル』です。
この曲は試聴会への参加が決まった頃から使おうと決めていた曲です。今年の前半はこの映画にどっぷりハマって12回も鑑賞しましたが、毎回この曲のシーンで涙が止まらなくなります。
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この曲は比較的ホーンの歪みが気にならない曲だったんですよね。少し響きがある曲なので紛れてしまうんだと思います。本番でも割と良く鳴ってたんじゃないかな・・・って思います。
今思うとこの歌詞も自分と重ねてしまいますね。Stereo誌コンテスト向けに作ったスピーカーボックスが落選。音もイマイチで投げ出したくなっていた時、アニソン試聴会というチャンスをいただき、諦めずに足掻いて直前まで試行錯誤。なんとか自分なりに納得のいく作品にできました。
この『キセキヒカル』というタイトルも『奇跡』と『軌跡』のダブルミーニングなんだと今気づきました(感動)言うまでもありませんが、もちろんこの作詞も畑 亜貴さんです。スゴイですよね。
3曲目は『映画 聲の形 a shape of light』より『lit(var)』:これが鳴らしてくて作り始めた曲!
そして最後に選んだ試聴曲は『映画 聲の形』のサウンドトラック『a shape of light』より『lit(var)』です。
『映画 聲の形』は生涯のアニメ映画ベスト10に必ず入るであろう特別な作品。この牛尾憲輔さんのサントラもすごくて、ピアノの内部にマイクを入れてノイズまで含めて録音したそうです。映画のテーマと重なる、繊細さと鬱屈と優しさが渾然一体となったような音楽です。
今回のホーンスピーカーも元々はこのサントラをベストに鳴らしたくて作り始めたんですよね。とってもホーンが似合いそうな曲なんです!
今回選んだ『lit(var)』は映画のラストシーンに流れる曲。名場面だらけのこの作品でも屈指の印象的な場面。優しいけど閉塞的な音色のピアノの旋律から一転、一気に視野が開けるような祝祭の音楽へと展開。そして最後は暖かいノイズ混じりのピアノで幕を閉じます。
狙ったわけではないのですが、曲に合ったデザインに。 5cmツイーターがラッパのように鳴り響く。 |
このスピーカーで聴くと、銀色のツイーターがまるでラッパのように鳴り、キーンと鼓膜を刺激するホーンの歪みですら演出に感じます。音の正確性という点では褒められたものではないけれど、スピーカー自体が楽器となり目の前で自動演奏しているような感覚。
全然狙ったわけではないけど『こんな感覚もあるんだ』という驚きを感じました。この感覚がお客さんに伝われば良いなぁと思いながら流しました。
後ろの方はちょっと聞こえにくかったかも知れないですね。もっとボリュームチェックをしっかりやっておけばよかったと反省しています。
関連記事 映画 聲の形 の感想 前編:全てにピントが合った時の衝撃に言葉が出なかった - アニメとスピーカーと‥
まさかのリクエスト!奥華子さんの『ガーネット』がすごかった!
そして、ここで自分も想定していなかった4曲目!カノン5Dさんからのリクエストで劇場アニメ『時をかける少女』より奥華子さんの『ガーネット』を試聴することに。
これが素晴らしくハマったんですよね!カノン5Dさんには事前にスピーカーを送付していたとはいえ短期間の試聴でこの曲をセレクトされるとはさすがとしか言いようがありません。
アニメ『時をかける少女』は自分もすっごい好きな作品。多分はじめて多数回の鑑賞をしたアニメ映画だと思います。この『ガーネット』はエンディングに使われた曲。
ただ、奥華子さんのボーカルは付帯音が目立ちそう・・・と思いきや、え?ほとんど気にならない!ピアノとボーカルが伸びやかで低音も必要十分な量感。まさにこのスピーカーの試聴曲としてはベストな作品でした。
発表の締めにこの曲をかけていただいて本当に助かりました。スピーカーの長所と短所を的確に見抜き対応できる経験値。改めて驚愕した出来事でした。
アンケート評価:嬉しい声やアドバイスがたくさん!
心配しながらの試聴でしたが、いただいたアンケートからは暖かいお言葉をたくさん頂き感謝感激です!外観への評価もすごく嬉しいのですが、音質についても厳しいご感想と共に、嬉しいご感想やアドバイスをいただけました。
ツイータースタンド部分 3Dプリンタ出力?と質問がありましたがMDF等での製作です。 荒い表面仕上げが3Dプリンタの積層面に似てたみたい(笑) 可動ネジ部はボルトに交換しています。 |
指摘としては、やはりボーカルの歪み感は気になるところですね。さらなる改善に向けて試行錯誤したいところです。ツイーターについても『他に色々試すべき』とのアドバイスを複数いただいました。他に吸音材についてのアドバイスもいただきました。
ピアノについては多くの方から良い評価いただきました。またホーンらしさをポジティブに感じてくださった方も複数いらしました。聲の形の歪み感をポジティブに捉えてくださった方も複数いて嬉しかったです。
発表を終えて:フルレンジホーンの可能性
フロントロードホーンというのは音に与える影響がすごく大きいですよね。現代的なフルレンジユニットは適当な箱に入れるだけでもソコソコ良い音で鳴りますが、適当なホーンをつけると簡単に変な音になりますね。
だから出来るだけ悪影響が少ないように浅いホーンにするのがセオリーな気がします。でもやっぱりもっと深いホーンで聴いてみたい。ホーンには得も言われぬ不思議な魅力があります。
当初はMarkAudioの付録ユニットを装着 付帯音に悩んでイコライザをつけてみたり試行錯誤していた |
フルレンジのフロントロードホーンというのは、作りにくいし課題も多いので自作ではメジャーな形式とは言い難いですね。でもう少し深掘りしてみたい気がします。
現代的なスピーカーとは方向性が違う気がしますが、実は結構気に入っています。今回の試聴会のおかげで色々な知見を得ることができました。試してみたいことがたくさんあります。この作品を土台にして試行錯誤してみたいですね。
健々さんの球体スピーカー:内側も滑らかな力作!
ようやく肩の荷が降りて、次は健々(@thekenken3)さんの球体スピーカー。今度はお客さんとして気楽に聴くことができます。
健々さんは私と同じ埼玉県在住のスピーカービルダー。お会いした事は無いのですがStereo誌のコンテストにも複数回の本選出場をしている強者です。薄板を積層していく曲げ加工を得意として前回のアニソン試聴会にも出品していました。
今回は積層版で作った球体スピーカー。美しい表面仕上げが目を引きますが、中空の内側も手仕上げで滑らかに加工するという驚異の作品。自作経験のある方なら過酷な作業なのは想像できると思います。容量1.2 Lの密閉型だそうです。
健々さんの球体スピーカー 歪みの少ない美しい球面。上のポッチは制振材。 台も自作で自由に動かせます。 |
ユニットはPARCオーディオの5cmウッドコーンユニット。通称ちびっ子ウッド。このユニットも聴いてみたかったんですよね。ちょうど良い機会でした。
爽やかな解像感の高い音、ボーカルの分離感が素晴らしい。
5cmウッドコーンは実際に見ると本当にコンパクト。 頼りなく見えますが、透明感のある音が広がります。 |
そして何と言っても解像感の高さですよね。球体ボックスのおかげで空間表現は素晴らしいです。ユニゾンのボーカルの分離感も良くて聴いていて気持ちが良かったです。小型密閉だともっと詰まった音のイメージもありましたが、ユニットも小さいので背圧の影響は少ないのかもしれません。
大音量でわずかに付帯音を感じる部分もありましたが、卓上で聴くような音量では感じないと思います。あの3点支持のスタンドは自由に向きを変えれるので卓上スピーカーとしては使い勝手が良さそうですね。
しゅーまさん「VVT-5」:本格ネットワークの小型3ウェイ
休憩挟んでトリを務めるのはしゅーま(@mondsaudio)さんの「VVT-5」です。Twitterでの評判も高く注目の作品でした。
ボーニック・オーディオ社のW5をモデルにシミュレーションを重ねて設計された3wayバスレフ型の作品。極小のバッフルにサイドウーハーの外観が特徴ですが、最も力が入っているのが外付けの3wayネットワーク。かなり時間をかけて調整されているようです。
しゅーまさんの「VVT-5」 普段は自作スタンドでの使用。今回はウーハーの反動で スピーカーが動いてしまうというハプニングも。 |
一聴して『高級なスピーカーの音』だなぁって印象ですね。上から下まで不足感や変な音がなく、大音量でも安心して聴いていられます。当たり前のようですがこれがなかなか難しいんですよね。
今回唯一、本格的ウーハーを使った作品でしたので、低音の量感や伸びが良いのは当然なんですが、ボーカルを邪魔しないのはさすがですね。太い芯がある音ですが繊細感もしっかり聞こえる感じでした。上質の密閉型ヘッドホンみたいですね。
ただ、低音の量感があるだけにセッティングの影響は大きいみたいです。部屋の状態や着座位置による変化に苦労されているようでした。
3wayは大変そうだけど面白そう!
狭い家ではこのサイズ感の3wayって良いですよね。ただサイドウーハー+リアバスレフなので置き方によ変化も大きいのかもしれません。その辺も含めてネットワーク調整で部屋とのマッチングを追い込めるのもメリットなのかもしれません。
外付けネットワークボックス。 本体並みに大きいが振動の影響を廃して調整もしやすい。 |
実際のところマネして3wayを作ることができても、やっぱりキモはネットワークになると思うんですよね。だから簡単に手を出しにくいところもありますが、やっぱり面白そうですよね。
市販のスピーカーは使いこなしが前提で、内部に手を入れることは前提とされていませんからね。仕方ないですけど。気兼ねなくいじれるのも自作のメリットだと思います。
バッフルステップ補正の説明も良かった
今回しゅーまさんが『バッフルステップ補正』について説明してくれたのも良かったです。言葉としては聞いたことがあったのですが、この作例を元に説明してくれて『なるほど』と思いました。
背面の様子。側板を利用したスリットダクトが特徴。 リアツイーターの計画があるが現在未使用との事。 高域反射の補正を考えているとのことで興味深いです。 |
もちろん完全に理解できたわけじゃないけど、マルチウェイに限らず低音と高音のバランスを考える上では参考になる考えですよね。前提として頭の中に入れておきたい理屈だと思いました。
最後に:最高のデビューの場でした!
最後に片付けを手伝って解散。結局疲れちゃって(笑)みなさんと交流する元気が残ってませんでした。(でも夜にユーフォ の映画を見に行ったけど・・・)
もっと積極的にお話できれば良かったなぁ・・・と思いつつも、『どうでしたか?私のスピーカー?』って聞かれても困りますよね(笑)結局Twitterでフォローしている人はほとんど分かりませんでした。
でも終わってみれば、こんなに素晴らしいデビューの場所はなかったですね。自分なりにここまで頑張れる機会ってなかなかないですね。自分だけなら妥協しちゃうんですよね。
この場を提供していただいたカノン5Dさんには本当に感謝です。また試聴していただいた皆さんにも感謝したいです。ありがとうございました!
そのうち、今回のスピーカーの製作記事も載せたいですね。お待ちください!
アニソン試聴会 2019夏:開催レポート(AudiFill公式)
http://www.audifill.com/event/004_010/event_010_5guide.html
アニソン試聴会 2019夏:試聴機材(当日配布したPDF資料があります)
http://www.audifill.com/event/004_010/event_010_2device.html
katoさん、こんにちは!先日は、ご丁寧なコメント返しをいただきました。恐縮です。katoさんは、お仕事で、高齢者の方々と接する事が多かったのですね。これは釈迦に説法でした。大変失礼いたしました。
返信削除さて、試聴会のレポートを読ませてもらいました。katoさんの緊張なさっている様子が、こちらにも伝わって来ましたよ(笑)!私はスピーカーには詳しくないのでが、20代の頃、電気配線の仕事に従事しておりました。設計の同僚から良く聞いてた話ですが、電子部品同士は、相性の良し悪しがあるそうですね。実際に組込んで、通電してみないとわからないと...。それを考えると、スピーカーを組み立てるときにも、いろいろと何かが、ある訳ですかね?また、どんな音楽を聴くか、によっても左右されるのですね。
まあ、何より、無事にお開きになって、良かったです。
それから、『響け♪ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』をもう5回もご覧になっていらっしゃるのすね。ほんとうにお好きなんですね!
私は5月の連休明けに、1回だけ見ました。できるだけ映画に集中したかったので、奮発してプレミアムシートで鑑賞をしました。この時は原作を読み終えていなかったので、話の展開は映画で知った形でした。2年生の久美子ちゃんは、ちゃんと先輩も、恋も、青春もしているなぁ!よかった!って簡単な感想でした。それから、3年生編へジャンプするために、2年生編では、ストーリーに一旦溜め(全国大会金賞ならず)をつくり、今回は低く身構えているのかなと第一印象でした。
原作のエピソードをすべて掬い上げることは、無理でしたが、煮詰めていったエッセンスの様なものは、映画の端端から感じられるます。原作者→京アニ、京アニ→原作者、双方からのフィードバックから、育ってきた『ユーフォニアム』シリーズなので、感慨深いです。吹部メンバー一人ひとりに、ちゃんとした、エピソードがありますね。
この後、私は、原作(『波乱の第二楽章・前編 後編』まで)読み終えました。あと3冊の『短編集』を順番に読み進めております。並行して、TVシリーズ版(OVAを含む)と劇場版のすべてを振り返りをしています。
原作を読むと、映像の製作側はどのように取捨選択して、脚色したのか、全貌がはっきりとするのです。また、原作には、映像化で省略された、心理描写、情景描写が豊かに描かれています。これを知らずにいるのは、「もったいない」ことだと私は思います。再度、映像を鑑賞していて、気づきを与えられることが多くあります。
映画の細かい感想は、後々、コメントいたしたいと思います。
それでは、また遊びにきます。ありがとうございました。
Hidebow-Rainbo-Frawbowさん、コメントありがとうございます!
削除『釈迦に説法』なんてとんでもありません(笑)日々勉強させてもらってる感じです。前回のコメントも中途半端になってしまって、こちらこそすみません!
最近はアニメの感想も書けなくて、やや自己嫌悪気味なのですが試聴会のレポートも読んでいただいてありがとうございます。趣味も一つを突き詰めるのがカッコいいのですがアレもコレもと手を出してしまう方で。電気配線の仕事をされていたのですね。自分は基礎がないので作りながら学んで感心したりしています。
誓いのフィナーレ5回見ました(笑)好きと言うより、なんだか納得できるまで見たいって感じですね。おっしゃる通り原作からの取捨選択ですよね。自分は原作未読なのですが、それでも初見では正直戸惑いが大きかったです。
でも嫌いかと言われると全然そんなことはなくて、なんとも感想が言い難い作品でした。原作読んで補完したい気持ちも当然あるのですが・・・石原立也監督の表現したいユーフォを自分なりに納得したいという気持ちが大きいですね。答えを見る前にアニメ版はアニメ版として受け止めたいというか。
これは山田監督のカラーが強く出た『アニメ版 聲の形』のときの影響ですかね。素晴らしすぎる原作は影響力が強いので怖いって言う(笑)とはいえ、ユーフォの原作は将来的に是非読みたいですね。
最近は感想がうまく書けなくてちょっと悩んでたのですが、そんな時に限って感想書きにくい作品だったりして(笑)つい何回も見てしまいます。でも流石に5回見るとだんだん見えてくるものがありますね。うまくかけるかわかりませんが、もし書き上げられたらお読みいただけると嬉しいです。いつもありがとうございます!