2018年11月17日土曜日

アニメ『続・終物語』感想(短評):『振り返る』作品じゃなくて『振り返らせる』作品

続・終物語』を映画館で鑑賞してきました。終物語の続編であり、文字通りオマケの物語。まあ147分とたっぷり時間をかけて楽しむエピローグでしたね。怪異ミステリーの体裁をとりながら、実は気持ちの整理をつける物語だった気がします。
『続・終物語』本予告より
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©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

  TV放送を前提に製作されたそうですが、物語シリーズの特徴である『劇中で細かく話数を区切る構成』なので、一本の作品として違和感はなかったです。とはいえ、すごく長いですからさすがに疲れましたけどね。

 映像も充分キレイですが、傷物語に比べるとやっぱりテレビ風の絵作りシネスコサイズの構図を生かした傷物語とは違い、TVを意識した構図や色彩でした。

 すごい面白いか?って言われれば、化物語なんかと比べちゃうとね、モノローグ中心の淡々とした構成だし、ドラマチックな展開ではないので退屈な感じもします。でもなぜか眠くなることはないんだな。
『鏡の世界』のキャラと出会いながら深まる謎。
メタフィクション要素も楽しい。
©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 前作『終物語』のラストがあまりにもキレイに終わっていて(あれはあれで素晴らしいんだけど)もう少しあの世界に浸っていたい・・・という自分には、これでもか!(笑)というくらい浸らせてくれる作品ですね。エピローグだけで一本作ってやったぞ!って感じ。いい意味で『終物語の二番煎じ』なんだけどその薄さがちょうど良い塩梅。

 ラストまでみると『なんちゅう話を見せられたんだ(笑)』って気になりますが、落語の『下げ』みたなもので、そこはスッと終わる感じ。種明かしを見て、改めて物語全体を思い返す。そこにこの作品の楽しさがあると思います。

 全くの未見の人には当然オススメできませんが、化物語終物語(前後)を見た人なら一応ついていける感じですかね。特に終物語が面白かったかどうかで評価は分かれそう。

 もちろん超絶傑作アニメ映画である『傷物語』と同列に評価する事はできませんが『続・終物語』もこれはこれで味わい深い作品

 確かにいつかテレビで見るの良いかもしれないけど、劇場で一気に集中して見る良さがありました。この作品はラストの種明かしまで一気に見たくなる作品ですね。

※後半はネタバレありのレビューです。
※原作小説は未読の感想です。
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本予告がすごい良い出来!


 それにしても、この予告編(本予告)が良いんですよね。カット割りが秀逸楽曲との合わせ方がホント気持良くって、結構中毒になって何度も見てしまいました。

『続・終物語』本予告

 特に後半からの楽曲とセリフのかぶせ方。タイミングが良くって癖になります。今回は主題歌がTrySailの担当という事ですが違和感ないですね。本編ではモノローグ中心なのでこの明るい躍動感がないのが残念なくらい。

 終物語では本編ラストにClariSの楽曲をかぶせてくる演出がすっごく好きだったんだよなぁ。その辺はTV放映時のエンディングに期待ですね。

※次項から重要なネタバレがあるのでご注意ください。

羽川さんの切なさが・・・


 物語シリーズにおいては明らかな『羽川派』である自分は、羽川さんがもう一度見られるかどうかってのがすっごく重要でした(笑)
『終物語』のラストシーン。
すごく大好きで何度も繰り返し見てしまった。
©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 予告では堀江由衣さんのクレジットがあったので羽川さんが出るのは間違いないんだろうと期待していましたが・・・ウォ〜あれだけか!って欲求不満(笑)ラストに羽川さんが助けに来てくれるってのを期待してましたが・・・まあ、さすがにそれはないわけで(笑)

 しかも、新しい子供バージョンの分身を残してしまうほど未練タラタラじゃないですか。羽川さんの残り20%の本心が見えてしまって・・・もう本当に切ないですよ。終物語のラストは、明るく振る舞う羽川さんの姿がホント切なくってね。前向きを装ってる感じでしたが、本音はやっぱり心残りだよね。やっぱりそうだよねって。

 この作品は本当に残酷なまでの切なさを羽川さんに背負わせる作品だよなぁ。(羽川さん視点の偏向解釈かもしれませんが)

切なさがこのシリーズの魅力の一つ


 正直、憎っくき戦場ヶ原さん!って感じなんだけど、でも実のところ、戦場ヶ原さん羽川さんの悲しみを織り込んでいるように感じるんですよね。

 羽川さんへ中途半端な同情をしないってことが彼女への最大の敬意だと思っているように見えるんですよね。勝者の苦しみを抱え込むことで、さらにサドっ気が強調されているように見えます。というか、これも羽川さん視点の偏向解釈かな(笑)
今作で一番幸せで切ないキャラは老倉育。
でも幸せな姿を見る事ができただけでも嬉しい気がしますね。
©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 老倉育についても可愛さというか、デレっぷりが気持ち良いけど、後半にかけて何とも言えない不安や影が混じってくる感じ。すごく切なかったですね。老倉に関しては全くの幻だもんね。夢の世界。

 ハーレムアニメの代表格みたいな本作品ですが、ハーレムアニメの楽しさと同時に、切なさがこのシリーズの魅力の一つなんだよな。

『振り返る』作品じゃなくて『振り返らせる』作品


 扇ちゃんが出てくるラストの種明かしは、ちょっと難解で飲み込むのに時間がかかったけど、つまり阿良々木くんの心残りが生んだ世界って事ですよね。

 本編でも出てきたけど『夢オチかよ!』みたいなズッコケ感は確かにありました(笑)でも冒頭でも書いたけど、見終わって物語を思い返すとなんとも良い味わいがあるんですよね。
冷めているように見える阿良々木くんもやっぱり高校生活楽しかったんだなぁ。
©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 出てきたキャラクターたちを振り返って、残り20%の本心コンプレックスに思いを巡らしていると、ああこれこそがエピローグだよなぁって。

 総集編的に直接振り返る作品じゃなくて振り返らせる作品。キレイに大団円を迎えた『終物語』の、その盛り上がりの心の整理をつけるような作品だったなと。

 よく考えるとすごく贅沢な作品ですよね。最後の余韻までしっかり楽しませてもらいました。

 そして、次シーズンのアニメ化も期待しちゃうと共に、羽川さんの活躍をまた見たいなぁ・・・頼みます!

「続・終物語」公式サイト
https://www.monogatari-series.com/zokuowarimonogatari/

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