カノン5Dさん主催の『アニソンオーディオ フェス 2020』(12月27日開催予定)に今回も自作スピーカーを出品します!
カノン5Dさん主催イベントでは3作目となるスピーカーです。今作はステレオ誌付録のFostex製2wayユニットを使用した、ちょっと変わった2wayスピーカーです。ウーハー+ツイーターの2wayは初めてなので色々試しながら製作しました。
作品タイトルは『天面ウーハー2way』です。 |
※製作の詳細や情報を随時追記予定です。今しばらくお待ちください。(2020/11/29)
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作品概要
ウーハーを天板に配置しフロントバッフルにはツイーターのみを配置した2wayスピーカーです。ウーハーを90度以上の配置にすることで高域を減衰させツイーターと繋ぎます。実験的要素も多いのですが、小型で視覚的にも可愛いスピーカーを狙いました。
ウーハーはインド麻を使ったカバーで保護します。 |
主な特徴
・ウーハーの天面配置による高域減衰
・棒状材と和紙を併用した擬似曲線の技法
・布張りのフロントバッフル
・MDF削り出しのショートホーン
・調整可能な背面スリットダクト
使用ユニット(ステレオ誌2014版 付録 Fostex PW80/PT20)
・アウトレット品として4個セット2,200円。
PW80 (メーカー資料より)
https://ontomo-shop.com/?pid=139126646
・Fostexのかんすぴ向けレギュラー品であるPW80K/PT20Kとスペック上は同一製品。
・PW80はかなりフルレンジ寄りのユニットで単体でも20kHzまで伸びており、むしろ低域が物足りないくらい。試聴すると元気のいい音で不足感はないが高域は少し荒さも感じる。
・PT20はソフトドームらしい穏やかな音。コニカルホーン付きのバッフルを簡単に外すことができるので自作ショートホーンに交換した。
諸元
容積・サイズ | 内容量 約3.2L/H 25.5cm /W 15cm /D 18cm(突起部除く) |
形式 | 2way 2スピーカーユニット |
ウーハー Fostex PW80 | 8cmコーン形 (パルプコーン ウレタンエッジ)8Ω/83dB f0:130Hz/m0:2.3g/Q0:1.08(メーカー資料より) |
ツイーター Fostex PT20 | 2cmソフトドーム型 8Ω/84dB/3kHz~32kHz |
材質 | MDF材 12mm/4mmの組み合わせ。水性ペイント・ニス仕上げ |
参考資料 | ホーンスピーカー設計・製作法(新井悠一 著) |
製作と内部構造
内部概要
天板は90度以上に角度をつけて正面からユニットが直接見えなくなるようにした。さらに天面バッフルは一段落としてカバーで保護します。
バスレフダクトは補強を兼ねた背面スリットダクト。追加の板厚と幅で調整可能にしています。
新しい曲げ技法による擬似曲面
1作目で溝曲げ技法(1mmほど残して溝を掘って曲げる)を試しましたが製作が難しいという難点がありました。
今回はさらに容易に製作できる技法として棒状にカットした板を障子紙に貼り付ける技法を試しました。(左写真)溝を三角形の底辺として角度を計算します。ボンドを流し込んで接着と充填を兼ねます。
自作ショートホーン(ウェーブガイド)の製作
リング状に加工した4mmMDF4枚を貼り合わせて(左画像)ホーン曲線の型に合わせて削り出しました。今回は型の厚みを考慮せず、予定より一回り大きな穴となってしまったのが失敗でした。
しかしこの技法では短いWaveguideから数センチ程度のショートホーンまで比較的容易に製作できる可能性を感じました。
ネットワークと簡易測定
ネットワークは測定・シミュレーション環境が未整備のため、減衰を実測して聴感で確認する方法で調整しました。ウーハーの10kHzのピークを避けて6kHz前後でクロスオーバーさせたいという考えです。いくつかの組み合わせで試しましたが代表的なものが下記の2種
W スルー接続/TW 1.5μF
高域は減衰するもののユニットの特徴である10kHzのピークが残る。ツイーターを繋ぐと一見フラットに見えても雑味が多めで解像感がイマイチ。逆相に繋いだ方が聴きやすい
W 0.47mH/TW 1.5μF
10kHzのピークも-10dBほどに抑えられた。正相に繋いだ方がフラットに見える。スルーに比べて格段に見通しが良い音になる。
2次フィルターも時間が許せば試してみる予定です。
製作した感想と今後の課題
当初はウーハーのスルー接続も考えていましたがピークを十分に抑えることができず断念。しかし天面配置によって予め高域を低減しているので簡易なフィルターでも大きく減衰できるのはメリットかもしれません。ただ、ユニットの位置による位相ズレの調整や、ショートホーンの効果については高度な測定が必要なので今後の課題です。
最近『自作スピーカー マスターブック』を購入し講座にも参加しましたが、今作では時間的に情報を充分に活かせませんでした。しかしネットワーク設計の基本的な考え方は非常に手助けになりました。今回は素朴な方法で調整しましたが、高域を調整できる面白さやフルレンジに比べたメリットを体感できたのはいい経験でした。とはいえ、この方法では限界を感じたのも事実。時間がいくらあっても足りない気がします。
今回は新しい技法も試すことができて、今後の製作アイデアにもすごく役立ちました。当初は思いつきの実験機でしたがこの形式でもっと詰めてみたい気もします。
※追加情報を随時更新予定です。完成まで今しばらく待ちください(2020/11/29)
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