映画『プロメア』感想(短評):TRIGGER作品に憧れる自分

2019/06/02

アニメ

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 映画『プロメア』を映画館で見てきました。かなり評判良かったので期待値を上げすぎちゃったかな。良いところも多くて嫌いじゃないけど・・・少し自分には合わなかったみたい。でも個性的で他にはない魅力があるのも確かな作品。
映画『プロメア』予告編より画像引用
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©TRIGGER・中島かずき/XFLAG

 TRIGGER作品ってテンション高くて自分は合わないくせに、なぜかすごく憧れがあるんですよね。正直こういう作品にノれない自分に悔しさを感じます。

※終盤に少しネタバレあるレビューです(注意書きあり)

俳優の個性を全面に出した演出


 本作は主要キャラに軒並み俳優さんを起用。松山ケンイチさんや堺雅人さんの強い個性を消さずに、むしろ前面に出したような作品でしたね。まるで松山ケンイチさんにインスパイアされて作ったんじゃない?ってくらいでした。
堺雅人さん演じるクレイ
目の感じとか堺雅人さんに見えてきます
©TRIGGER・中島かずき/XFLAG

 堺雅人さんもキャラを見ているとご本人に見えてくるくらいでした。声優の顔が見えくる演技ってあまり好きじゃないんだけど、この作品では意外と違和感ないんですよね。多分あえてキャラと声優さんの個性を一致させているからかな。

 3人とも俳優として実力派だし、この作品は決して宣伝のために俳優さんを使ったのではないってのは明らかですね。とはいえお客の1/4位は女性だったのですが、これはリオ役の早乙女太一さんの効果なのかな・・・?

 ちなみに堺雅人さんの演技が評価高かったけど『半沢直樹』の演技って感じで意外性はなかったかな。熱い方の堺雅人さんって感じでした。むしろ松山ケンイチさんがずっと叫びっぱなしでスゴかったですね。

気になる声優さんにも注目


 それに対して脇を固めたのが声優陣。個人的にすごく印象的だったのはアイナ役の佐倉綾音さんでしたね。特にファンってわけじゃなかったんですが『この声気になる〜!』って思ってしまった。『ラーメン大好き小泉さん』の大澤悠役の方だったんですね。
佐倉綾音さん演じるアイナの声は魅力的
主人公ガロは松山ケンイチさんのイメージ
©TRIGGER・中島かずき/XFLAG

 他にはやっぱり新谷真弓さんが印象的ですね。自分はフリクリファンってわけじゃないけどやっぱりハル子を思い出しますね。少しの役でも存在感がすごいですよね。ところで新谷真弓さんって自分より年下でびっくり(笑)'75年生まれだって。年上かと思ってた。

 あと注目してたのは吉野裕行さん。小悪党役が大好きな声優さんなんですがバーニングレスキュー副隊長と言う割に意外と目立たなくって残念(笑)
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レッドゾーンギリギリがうまい


 本編の方は予想通りというかTRIGGERらしいというか・・・とにかくハイテンション!正直言うとラスト30分までは押しが強すぎて逆に退屈感が・・・どうも自分はテンション高い状態が続くと飽きちゃうみたい。
個性的な明るい色彩が特徴だが
暗いシーンの色彩も印象的だった
©TRIGGER・中島かずき/XFLAG

 『ニンジャバットマン』でもそうだったんですよね。同じく中島かずき氏が脚本の作品。そう言う点では似た作品かも。でも『プロメア』の違うところはハイテンションながらも一本調子になってない所が良いですね。
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 テンション高い状態ながらも、レッドゾーンギリギリで飽和させないように緩急つけてる感じ。『ニンジャバットマン』がクライマックスにかけてテンションが飽和してしまいついていけなくなるのに対して『プロメア』はタメの部分がうまくてクライマックスをしっかり掴んで行ってくれました。

やっぱりこの個性は魅力


 『飽きた』とか『好みに合わない』とか散々いってて言うのもなんですけど、やっぱり『プロメア』は捨て置けない魅力がありますね。TRIGGERの作品、キルラキルの序盤とかすごく好きだったし。やっぱり個性的なところが好きなんだと思う。
お家劇的な文字を使った演出
すごい変形ロボットなど『らしさ』満載
©TRIGGER・中島かずき/XFLAG

 今回も劇中に文字を出してくる演出は良かったし、クライマックスにタイトルが入ってくる部分はちょっと感動しました。エンディングもはアメリカ映画風だけど良かったですね。ああいうEDの作り方はあまり好きじゃないんだけど、この作品については不思議と嫌いじゃなかった。本編からの統一感があるからかな。

細部のSF設定がすごく良い


 大枠の設定もすごく大胆なのに、細かい点で妙にカッチリしたSF設定なのも好きだったな。移民先の太陽フレア爆発の設定なんて意外なくらい細かい設定ですよね。

 これって移住先候補になるような近傍の地球型惑星なら、赤色矮星系になる確率が高いという前提ですよね。小さな恒星系は惑星の位置が近くてフレア爆発の影響が大きい。一見すると非科学的な設定の物語ですが、細かい部分はこだわってるのを見ると、あえてやっているとカッコよさを感じますね。
外部サイト 赤色矮星を巡る系外惑星の脅威はX線:AstroArts 

 物語自体も抑圧する者とされる者の構図とか、分かりやすいのに陳腐になってないのもスゴイ。この辺もさすが劇作家って感じ。隠された真実も意外性がありながらも納得感もある展開で好印象でした。

※次項ネタバレあります。

メガネ女子が実質地球を救ってる!


 あともう一つ言いたいのはアイナのお姉さんのエリス!メガネの似合う女性研究者ですが大活躍でしたね。実質彼女が地球を救ったヒーローでしたね。エリスをみてるとシドニアの騎士田寛ヌミを思い出しちゃいました。
同じくメガネっ娘研究者の田寛ヌミを連想
こちらは非常に悲しい展開で今でも心残り
(シドニアの騎士 Webより)
©TSUTOMU NIHEI・KODANSHA/KOS PRODUCTION COMMITTEE

 田寛ヌミの扱いがすごく心残りだったので、なんだかエリスと被ってしまって・・・シドニアの借りをプロメアで返したような気がしてしまいました。

最後に:TRIGGERの作品に憧れる


 まあ絶賛でも酷評でもない妙な感想になってしまいましたが・・・この作品を見て自分は『TRIGGERの作品を好きな人になりたい』人なんだなぁって自覚しました(笑)
まず、TRIGGERのロゴがムチャカッコいいんですよね(笑)
©TRIGGER・中島かずき/XFLAG

 ちなみに『キルラキル』の1話は感動したし、スタッフは違うけどTV版『リトルウィッチアカデミア』もすごく好きです。でもハイテンションすぎると振り落とされちゃうんですよね。でもまた食らいつきたくなる不思議な魅力

 『プロメア』も全体としては肌に合わなかったけど、やっぱりTRIGGERの魅力的な部分がある作品で、そこが自分の琴線に触れたんだと思います。

プロメア公式サイト:https://promare-movie.com

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