『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を初日に観てきました!前作TV版、再生産総集編から続く新作劇場版!
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初見ではどうせ理解できないだろうと予想して(笑)あらかじめ2回分の予約して連続鑑賞。疲れたけど連続で見て良かった〜!
正直言うと初見では想像以上にワイルドな演出と、難解な展開に振り回されるばかりでついていくのがやっと。でも2回目はそれが快感に変わって来るんですよね。
でも単に派手さ快感だけの作品じゃない・・・って事は強調したい!過激な演出と難解な構成に目を奪われるけど、本当はとても普遍的なテーマを伝えている。
舞台には必ず終わりがある・・・それに演者と観客はどう向き合うのか。前作で観客である私達を舞台に引きずり出したこの作品。その回答をここまで鮮やかに表現したことに感動しました。
それにしても香子と双葉のシーン。「うっと‥‥」からの香子のセリフがムチャクチャ癖になる〜(笑)早くも3回目が見たくなってるぞ!
【追記】3・4回目見ました!もう号泣・・・手放しで大絶賛に評価を変更させていただきます!終盤に追記しました。
関連記事 『再生産総集編『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』感想:キラメキの舞台に巻き込まれる、まさかの大絶賛総集編!』- アニメとスピーカーと‥‥
※次章よりネタバレが含まれます。個人的な考察ですので公式なものと違うかもしれませんのでご注意ください。
最初は理解できなかった疑問の数々・・・
・・・と、まぁ、分かったような事を書きましたが・・・2回見ても正直言って理解できなかった疑問の数々(笑)恥ずかしながらすぐには分かりませんでした。
初見では自分も「わかんないよ・・・」って気分 ©Project Revue Starlight |
舞台少女の死とは?人形のようになった舞台少女たちは何?
トマトの意味は?
キリンが野菜になった意味とは?
運命とは?
wi(l)d screen baroqueとは?
ラストに華恋が死んだのは何だったの?
ラストシーンはどう言う意味だったの?
そして『ワタシ再生産』ってつまり何だったの?
などなど・・・
でも・・・一晩考えてようやく繋がりました!
迷った時は原点に戻るということで・・・・そもそも『舞台少女たちはなぜ戦っているのか?』その原点を思い出してみたら、いきなり全部繋がってきて感動してしまいました。
※まだパンフも未読の状態の解釈ですので事実誤認あればゴメンなさい!ご指摘あればコメント欄よりお願いします。修正は追記で書いていく予定です。
舞台少女はどうして戦うのか?
それは言うまでもなく舞台少女たちの切磋琢磨の象徴ですよね。
それがあのオーディションでありレヴューの数々・・・。
トップスタァを目指して戦う舞台少女たちのキラめき。それを観客は望んでいる。キリンはその観客の象徴(首を長〜くして待ってるという意味もあるのかもしれない)
ひかりちゃんが「ワイルドスクリーンバロックって何なのよ?」 ってストレートに聞いたシーンは笑ってしまった ©Project Revue Starlight |
でもだとしたら・・・舞台少女たちって観客から搾取されるだけの存在なの?それが前作までの疑問でした。
いやそうじゃない・・・舞台少女は観客に搾取される存在じゃない!それをこの劇場版で示したのだと思うんです。
舞台少女は舞台とともに死ぬ
大場ななが必死に守っていた第99回 聖翔祭の再演。そのループが破られ第100回 聖翔祭で新たな舞台は完成した。舞台少女たちはそれぞれの次のステップに人生を進めていくというのが劇場版の序章。
脚本のシーンが出てくるのは予想外でしたね。 制作陣の想いを感じるシーンでした。 ©Project Revue Starlight |
でも愛城華恋は神楽ひかりとの運命の舞台を終えて空っぽになってしまった。それがつまりひかりが恐れていたこと・・・華恋の『舞台少女としての死』なんだと思う。
そして他の舞台少女達にとっても次の舞台へ進むためには、今の舞台を終わらせなけれなならない。それが運命。一度死を受け入れ、そして再生産される。
しかし再生産に必要なのは観客の熱い想い・・・新たなキラめきを求める観客の熱意こそが『舞台少女の血肉』になるんだ!
それに気づいた華恋は舞台少女としての死を受け入れ再生産のレールを進み出す・・・。
舞台で燃焼し舞台少女の血肉になる・・・それが私たち観客
自分の中でこう繋がった時、難解だと思ってきた物語が見事に氷解しました・・・全然難しくない。まさに自分たちの物語なんだって。
トマトはまさに血肉の象徴。それは舞台少女のキラめきのエネルギーそのもの・・・キリンが食材の塊だったのはわかりやすい比喩。
最後に燃え上がり消えるのは、その舞台のキラめきで燃焼し尽くす自分たちの姿そのものじゃないですか!
『ワタシ再生産』とは舞台と運命を共にしてしまう役(キャラクター)の死と、そこから次の舞台へ生まれ変わる演者の復活劇を示す言葉なんですね。
冒頭の溶鉱炉から再生産が暗示されていたんですね。 ©Project Revue Starlight |
常に再生産を繰り返して生きていく。溶鉱炉で溶かされて新たな役に生まれ変わるように・・・そのためにはキラめきを求める観客の熱量が不可欠ということなんですね。
約束ではなく『運命』を強調するのは、死と再生産という舞台少女の避けがたい運命を示しているんじゃないだろうか。もちろん子供のひかりちゃんにはその意識はないんだろうけど。
だから、華恋とひかり以外の舞台少女たちにとっても、これまでの舞台と決別し死を受け入れる(=清算し次の舞台へ進む決意)ための舞台が劇場版におけるレヴューの役割なんだと思う。
爽快なラストシーンの青空・・・そしてエピローグ
だからこそ、あのラストシーンの青空がね・・・本当に印象的なんだよね。
舞台少女達が自ら肩がけを捨て去って、つまりこれまでの舞台少女としての役を終えて生まれ変わるという意味なんだと感じた。
予告では不穏に見えたこのシーン これが全く逆のイメージに見えるとは! ©Project Revue Starlight |
終わった・・・って、なんかもう難しいこと全部忘れちゃって。とにかく気持ちいいんだよね。あのシーン。東京タワーがぶっ刺さっててさ。爽快!の一言。
そしてエンディング後のエピローグ・・・実は初見の時はこれは蛇足なんじゃないかなぁ・・・って思ったんですよね。いきなりリアリティーのある映像にギョッとしたし。
でも今は違うと感じる。あのシーンに映っている華恋はもう舞台少女の彼女じゃない・・・スタァライトという舞台を終えて、一人の女優として次の舞台に踏み出している演者としての華恋。だからこそのあのリアリティーなんだと思う。
やっぱり今回も物語の要・・・大場なな
そして今作でもやってくれました・・・永遠の再演を守ってきた大場なな。
今回は彼女が舞台少女たちに死を促していく役割になっている・・・ああ、なんて素晴らしいんだろう。
ロンド・ロンド・ロンドの時は、永遠に続く輪の守り手として、そして今回はその輪を断ち切り生まれ変わる案内人として。
このシーンから物語のギアが一気に上がった。 ©Project Revue Starlight |
回り続ける『ロンド(輪舞曲)』から、それを打ち破る『バロック』へ・・・wi(l)d screen baroqueとは?つまりこのロンドを打ち破るという意味と『ワイドスクリーン・バロック』をもじった2重の意味が込められているんだと思う。
まさにこの作品は『時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄』そのものじゃないですか。(ブライアン・W・オールディス、『十億年の宴』より 浅倉久志訳)
この作品の主人公ではないけれど、要のような役割の大場なな。きっと今作でも活躍してくれるはず・・・と思ってましたが期待を裏切らない活躍が嬉しかったです。
終わりに・・・あぁ、すごい!見事でした。
正直言ってこんなにキレイに着地させるとは想像してませんでした。
ロロロの時は大風呂敷広げすぎて大丈夫?って思ってましたもん(笑)まとめきれずにぶん投げても仕方ないと覚悟してましたし。ホント見事でした。
とはいえ、すべて手放しで絶賛ってわけじゃなくて・・・たとえば。
レヴューシーンは『演技的に(動きの演出が)舞台版に寄せすぎているのではないか?』という印象だったり、幼少シーンが長く感じてロロロに比べてテンポがゆっくりに感じたり・・・テンポの良さやレヴューの快感という意味ではロロロの方が好きかもしれない。
【追記】3・4回目を見ました・・・もう号泣しました。ロロロの方が好きなんて書いてホント申し訳ない。謝罪します!
レヴュー演出が舞台に寄せている意図は理解できました。幼少シーンの重要性も理解できた。そして・・・最後は涙止まりませんでした!
3度目でようやく全てが繋がった時の感動・・・2度目の比じゃ無い。ホントゴメン!間違いなく手放しで絶賛です!
でも、ぶっ飛んだ演出は最高。デコトラのシーンとか唖然としたし(あれシリーズ初見の人はついてこれないと思う)最後に東京タワーの上半分がぶっ刺さってポジションゼロになるとか最高だったなぁ・・・。
前作同様ヤンデレ全開・・・かと思いきや演技だったとは! まひるちゃんのシーンも素晴らしかったです。 ©Project Revue Starlight |
これまで多くの作品に熱中してきて、やっぱり終わった後のなんとも言えない気持ちに複雑な思いがあったんですよね。でもそれは逃れられない運命なんだって。その作品に悔いのないように目一杯燃焼し尽くすのが観客の役割。
こんなテーマに正面から挑んで、見事に観客である私たちも舞台に巻き込み、最後はキレイに着地させる・・・ホント離れ業ですよね。本当に見事な作品でした!
監督:古川知宏
脚本:樋口達人
キャラクターデザイン:齊田博之/衣装武器デザイン:小出卓史
音楽:藤澤慶昌 加藤達也
制作:キネマシトラス
『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』公式ページ https://revuestarlight.com
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