劇場版「フルーツバスケット -prelude-」感想:フルバ未完走でも感動した前奏曲&最終章

2022/02/20

アニメ

t f B! P L

 劇場版OVA『フルーツバスケット -prelude-』を映画館で見てきました。

 TV版は未完走な自分でしたが総集編との合わせ技で見やすい構成。純度100%の濃厚な少女漫画の感覚にいい意味で痺れました。軽く見にきたつもりが思わず感涙してしまいましたよ。

 前日譚として外伝的な作品かと思ったのですが、フルーツバスケットの最終章といった感じで幸せな気分で見終えることができる作品ですね。

「フルーツバスケット -prelude-」本予告

※中盤以降に一応ネタバレのあるレビューですのでご容赦ください。

TV版本編は未完走なんですが・・・

 フルーツバスケットについては有名なのは知ってるのですが、原作コミックは未読、TV版も旧作は未見、2019年のリメイク版も数話程度しか見てないんですよね。自分にとってのフルバのイメージは旧作の岡崎律子さん作曲のOPですね。あの曲はすごく好きでした。


本編未完走なので楽しめるか心配でしたが・・・
本予告より画像引用
Ⓒ高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会

 TV版本編は自分にはちょっと馴染めなくて脱落しちゃたんですよね。少女漫画的な演出や動物になるファンタジー要素もちょっと抵抗あったのかも。

 うちの奥さんはリメイク版については結構好きで全編みてました。でも意外にも今回の劇場版についてはなぜかあまり興味ないみたいで、両親の話だし、不良だし・・・って感じで(笑)結局一人で見に行きました。

 自分としては予告編で『ちょっとイイかも』って思ったんですよね。前日譚みたいだし、本編みてなくても大丈夫かな?って。奥さんは『え、見てないのに。なんで?』って驚いてましたが。

初日鑑賞で久しぶりのお祭り感!

 スケジュールの都合でなんと公開初日に鑑賞。

 MOVIXさいたまの最大スクリーンがほぼ満席!女性に人気とは聞いていましたが、9割方女性という感じで想像以上でしたね。遠慮して端っこの席を取っておいてよかった(汗)

MOVIXさいたまの掲示では大勢の人が写真を撮ってました。

 これだけのお祭り感は久しぶりで、やっぱり人気作品の初日の空気感っていいですよね。高揚感があります。

『透と夾』から『今日子と勝也』の物語へ

 CMとかで通常の予告編を見てた時は、完全新作の外伝的な作品だと勘違いしてたんですよね。直前にネットで本予告を見たときに総集編+新規エピソード形式だと知ってちょっとびっくり。

 かなり長い作品じゃないですか・・・88分にどう組み込むんだろうとちょっと心配になりましたが、そこは上手かったですね。

 総集編といっても透と夾の二人のエピソードに絞った再構成になっていて、両親のエピソードがサンドイッチされる構成。前半の総集編を長いアバンとしてタイトルを迎えるのはちょっとカッコいい構成でしたね。

自分にとって全編新作なので総集編パートも結構感動
Ⓒ高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会

 総集編パートも自分にとっては全て新規絵みたいなものなので普通に楽しめたし、なんならちょっと感動しちゃいましたね。足早ではあるけど無理のない繋ぎ方で初見でも理解しやすかったです。

 それに総集編パートは全編にわたって劇伴が多用されてて、まるで長い予告編みたいで流れるようにみていけるのも良かったですね。この音楽の演出で短時間でも感動できたのかなぁ。

 ただ、自分にとっては全編初見みたいなものだったから良いけど、周りの人たちは『いつになったら新規エピソードになるんだ!』って怒ってないかな・・・って心配になっちゃいましたが。

ムチャクチャ濃厚なラブストーリー

 いよいよ両親のエピソードですが、これがもうムチャクチャ濃厚でしたね〜(笑)

 フルバ本編は逆ハーレム的な作品ですが、こちらは1対1の純粋なラブストーリー。しかも不良女子中学生の今日子とイケメン教育実習生の勝也とか・・・設定からして濃い〜!

ちょっとあり得ないだろ!というシチュでも力技で魅せてくれる
Ⓒ高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会
 しかも勝也は教育実習生なのにハチャメチャで・・・それを『親の七光り』で済ませる設定もご都合主義すぎるんだけど、この落ち着きっぷりとダンディーさが突き抜けてて、もはやリアリティーとかどうでもよくなります。不良の今日子が常識人に見えるレベル(笑)

 あまりの破天荒ぶりに今日子が強引に勝也に惹かれていくように、自分も力技でこの濃厚な世界に引き込まれていくような気分でした。

細谷佳正さんのボイスは同性ながら痺れました。
Ⓒ高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会

 でも勝也のお父さんを紹介するシーンは笑いましたね。むっちゃ好々爺じゃん!って思ってたら今日子がツッコミ入れてくれて、その返しが『だから張り合いが無くなったといったでしょ』っていうところで思わず爆笑してしまいました。

 それにしても今日子役の沢城みゆきさん。演技といい、モノローグといい、ほんと際立ってましたね。まさに『沢城劇場』という感じでした。

 でもそれと同時に勝也役の細谷佳正さんのダンディーなボイスがよかったなぁ。うちの奥さんは予告で聞いて『ちょっとやりすぎ』と言っていましたが、個人的にはここまで突き抜けてくれると逆に嫌味なくて気持ち良いくらいでした。

『前奏曲』であると同時に『最終章』

 そして最後は透と夾の後日談に繋がってエンドロール。必ず悲劇で終わることをみんなが知っている物語で、こんな幸せな気持ちで劇場を後にできるとはちょっと予想外でした。

悲劇が決まったエピソードだけにこのラストはよかった!
Ⓒ高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会

 この作品は『外伝』ではなくて、あくまでフルバ本編の一部ってことがよくわかりました。そういう意味では『prelude(前奏曲)』であると同時に『最終章』だったんだなぁ。

 本編未見のくせに美味しいところだけ味わっているようで恐縮なんですが、フルバ本編に馴染めなかった自分にもすごく楽しめる作品だったし、フルバファンから『感動のお裾分け』を頂いたような気分になる作品でした!

原作/総監修:高屋奈月
監督:井端義秀
脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン:進藤 優
制作:トムス・エンタテインメント

公式サイト:https://fruba-movie.jp

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手の届く範囲で楽しんでいます。アニメ・自作スピーカー(長岡系)・オーディオ工作・Mac関係・・・などなど雑多ですがささやかな発表の場です。まどか☆マギカで目覚めて今は京アニ系ファン。40代既婚 自営 埼玉県在住 Hatena id:kato_19 ブクマ大歓迎 Twitter @id_kato_19です。詳細はブログの自己紹介エントリへ

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