すごく良かったです。確かに終盤は難解だと思う。だから見た直後は『ヒロインの一行さんがカワイイ!』としか言えなくなるんだよね。でもそれは『物語がダメ』ってわけじゃない。全部乗せの豪華海鮮丼みたいな作品なので一言で表現するのが難しいってだけ。
予告編より画像引用(当ブログの画像引用について) c2019「HELLO WORLD」製作委員会 |
考察しがいのあるSF作品、あるいはボーイ・ミーツ・ガールの物語・・・どちらも正しいと思う。でも自分はもう一つの側面、『秒速5センチメートル』のような『喪失と再生の物語』に惹かれました。もはや青春じゃない大人が失った恋に人生を捧げる物語。ここに自分は泣けてしまった。
だから難解なSF作品が見たい人、青春ラブストーリーが見たい人、壮大なセカイ系作品を見たい人・・・そして『秒速』みたいな切ない話が好きな人!みんなにオススメしたい。もちろん全部が好きな自分にはとても満足感の高い作品でした!
※後半よりネタバレありのレビューとなります。
反則技の傑作予告編!イメージ通りの本編。
この予告編は本当に素晴らしくって、公開前の劇場でも予告編だけでウルウルくるレベルでした。とにかく楽曲の合わせ方が最高ですね。
映画『HELLO WORLD(ハロー・ワールド)』予告
予告編はシネスコ併用ですが本編は普通にビスタサイズです。
予告のイメージを崩さない本編でした
予告のイメージを崩さない本編でした
さらにシネスコとビスタというスクリーンサイズまで使った演出も素晴らしい効果ですね。これは本編では使われてない演出なんですよ!ハッキリ言って反則技ですが(笑)でも良いものは良い!
しかも素晴らしいことに本編でも予告編のイメージに近い劇中の楽曲の使い方してくれてるんですよね。こういうのほんと大好物なので最高でした。
欲を言えば本編でもリズムに合わせたカット割りやタイミングにもっとこだわって欲しかったかな・・・新海作品みたいにあざといほどのエモさがあってもよかったかなって。
でも、このテーマ曲、Official髭男dismの『イエスタデイ』最高ですよね。イントロのカチカチというリズムと透明感のあるピアノ旋律の盛り上がり。そして開放感のあるサビもほんと気持ちいいです。
ラスト1秒以上の衝撃!
そして、誰もが驚くのキャラの素晴らしさ。キャラクターデザインの堀口悠紀子さん素晴らしすぎる・・・セルルック3DCGのキャラクターに本当の意味で萌えたのは初めてですね。確実に一線を超えてきました。やっぱり魂を入れるのは人なんだなぁって感動しましたね。
予告でもその片鱗はみえる でも本編で見たときのなんとも言い難い可愛さ これはセルルック3Dの歴史に残る作品 c2019「HELLO WORLD」製作委員会 |
自分は堀口さんって言えば『たまこまーけっと』なんですが、今回はセルルック3Dみたいだしデザインだけかな?って実はそれほど期待してたわけじゃなかったんですよね。でもエンドロールみてたら作画監督にも名前が・・・もうここで感動しちゃって。
なるほどそういうことか!って。ある意味ラスト1秒以上の衝撃ですよ(笑)
予告編を見たときは正直そこまで良さを感じなかったんですよね。CGっぽい違和感も少しあったし。でも本編をみると3Dキャラをを忘れる瞬間も多くて、わずかな動きの演出なのかな。不思議なくらい自然。
もちろん実際の制作現場はわからないし、堀口さんだけの仕事じゃないんだろうけど・・・でもとにかく魅力的なのは確か。アニメファンなら今この瞬間に体験する価値があると思います。
【追記】
『HELLO WORLD 公式ビジュアルガイド』に堀口さんが作監としてCG部分へ指示をしていたことが記載されているそうです!
ああ、やっぱり堀口悠紀子さんCG部分への関与あったんだ・・・うれしい!すごい読みたい・・・けどお金が(泣) https://t.co/r1o1EAc6sn— kato19@アニメとスピーカーと‥‥。 (@id_kato_19) September 28, 2019
血の通ったかわいらしさ!
セルルック3Dの作品って言えば、ポリゴンピクチュアズの作品や、ラブライブ!など3DCGの進化には驚かされてきました。これまでも大好きなキャラがたくさんいます。でもとうとう閾値を超えてきた気がしました。
従来の作品でもセルルックで『萌え』を表現するレベルに達していましたが、ついにキャラクターの体温を感じるレベルに到達した気がします。大げさに言えば魂が入ったというか、とにかく『命が吹き込まれた』と感じるキャラクターに驚きました。
違和感なく2Dにするだけでなく3Dベースだからできる2D演出 立体感も感じる脚の動きが素晴らしい c2019「HELLO WORLD」製作委員会 |
だから、萌えを通り越して『良い匂い』がしそう・・・と思ったくらい(笑)ほんとに。体温を感じるんですよね。セルルックCGの技術力だけじゃなくて、やっぱり技量のある作監が入ることのすごさなのかな?まあ、それに応えるだけの技術レベルがあるってことでしょうけどね。
とにかくセルルック作品がここまで来たんだ・・・という驚き。ツイッターを見ても作品の賛否は別にして、一行さんの可愛さには誰もが絶賛をしていましたね。
でも単に『カワイイ』にとどまらない、この血の通った可愛さこそが一人の男の『人生を捧げるまでの恋』に説得力を持たせる効果があったと思います。
※以下ネタバレありのレビューとなります。
『秒速5センチメートル』を連想する男の悲哀
この作品と評する時、京アニ作品との共通性や、セカイ系的な意味で『まどか☆マギカ』をあげたり、典型的な青春ラブストーリーとする人は多いし、難解さでは『海獣の子供』をあげる人もいますね。自分もそう思います。
見た目も松坂桃李さんっぽいけど 男の悲哀を感じさせる演技はさすが。 今回は素晴らしい配役でした。 c2019「HELLO WORLD」製作委員会 |
でも自分が一番連想したのは『秒速5センチメートル』でした。自分から見てこの作品の主人公は高校生の堅書直実であると同時に大人の『カタガキ ナオミ』なんですよね。青春をずっと引きずって生きてきた男の物語。
大人の彼に裏があるのは早い段階で予感したけど、あるところまでは自分は彼を悪役と感じてました。でもそこからは、自分の中で彼が主人公に見えてきました。
別れと再生の物語
そのシーンは、大人のナオミが一行さんと別れるシーン。彼女の『あなたは私を愛してくださっていたんですね』(うろ覚えです)のセリフで涙が止まらなかった。
命をかけて彼女を目覚めさせた。でも救った本人から拒絶されて、これまでの人生のすべてが崩れ去った。夢に見た現実はハッピーエンドではなかった。それでも、いや、だからこそ自分のやってきたことの責任をとる決意をしたのかな。
一行さんに拒絶されてたからこそ 彼は本当の再生を果たせるのかもしれない c2019「HELLO WORLD」製作委員会 |
自分はここに彼の本当の愛を感じるんですよね。狂信的に見えるかもしれないけど・・・でも自分勝手な欲望じゃない。自分の幸せは彼女が幸せであることだから。
だから、私のことを愛してくれていたんですね・・・って、これはナオミにとって『赦し』だと思う。もう少年じゃないだたの大人の男が、だた彼女を目覚めさせるために人生を捧げた。それと引き換えに得たこの言葉・・・そんな彼にとって、これ以上の報われる言葉あるだろうか。
ハッピーエンドではないかもしれない。でもこれで十分だ・・・自分にはそう思うんですよね。これ以上嬉しい言葉はないよ。彼は喪失からの再生を果たせたと感じました。
このシーンまでは『この作品は面白いけど泣く作品じゃないな・・・』って思ってたけど、ここで不思議なくらい涙がボロボロ出てきたんですよね。ウブなはずの彼女にしては出来過ぎなセリフかな・・・とも感じたけど、読書好きで聡明な彼女なら・・・きっとあるよね。
自分にとっての一つのクライマックスがこのシーンでした。
大人の彼のテーマソング
大人のナオミにとってこれはハッピーエンドではないかもしれないけどバッドエンドでもない。彼が失った人生を再び取り戻すための物語。
そう思って、Official髭男dismの『イエスタデイ』の歌詞の後半を読んでいると、大人の彼のテーマソングでもあるように見えてくるんですよね。だから彼もこの物語の主人公だと思う。
『いつか憧れと違う僕でも ただ一人だけ 君だけ守るための強さを なによりも望んでいた』(『イエスタデイ』より/ 作詞:藤原聡)
Official髭男dism - イエスタデイ[Official Video]
この曲ホント気持ちいい・・・
大人の彼は単なる悪役じゃない・・・彼の生きた人生があのラストシーンにもきっと関係していると思いたいですね。
この役に松坂桃李さんをあてたのは素晴らしいと思う。明らかに松坂さんの声って感じなんだけどやっぱり役者の力かな。邪魔に感じるどころか、むしろそれがプラスになってる感じでした。
ラストシーンの考察・・・って難しすぎ(笑)
『ラスト1秒でひっくり返る』というのがウリ文句なわけですが(笑)ビックリ仰天というより、キレイに着地させるというかピリオドを打つという感じがしましたね。
ただ、実際の考察は正直難しいですよね。考察を難しくしているのはタイムリープじゃないってことなんですよね。あくまでコンピューターシミュレーションの世界。直実とナオミの世界、そしてラストシーンの世界に時間軸としてのつながりはないってことですよね。
タイムリープならこの瞬間を変えれば解決なのだが・・・ c2019「HELLO WORLD」製作委員会 |
カラスが大人の一行さんのアバターで、大人のナオミを目覚めさせる・・・ということなんですよね。ただ、ナオミの時と違ってスタッフ全員が知ってるみたいでしたよね。
ということは・・・現実世界では一行さんと入れ替えにナオミが意識を失ったって考えるのが自然かな。でもだとしたら大人の一行さんはどうして復活しているのか。あれからさらに10年だと30代後半?
それともラストの世界は直実が作った新しい世界における未来で、高校時代に一行さんの代わりに直実が雷に打たれて意識不明になったのかも・・・って、そもそもなぜ月なのか?って(笑)色々思いつくけどこれといった正解が出てきません。
というか、初見だとラストのあたりが情報量多すぎて掴みきれてない気がしますね・・・この辺はもう一度見に行かないと!
エンディング・・・そして最後に。
そしてエンディング・・・これはすごく良かった。
やっぱり絵の入ったエンディングは良いなぁ。『なんで月なの?』って混乱しながらでしたが・・・なんだろ不思議なんだけどここでも涙でてきちゃったんだよなぁ。
楽曲が良いいってのもあるけど、ラストの終わり方に疑問があってもとりあえず嬉しいんだよね。
そんな中で堀口悠紀子さんの作画監督のクレジットをみてまた感動。この作品のエンディングはクールダウンというよりじわじわ感動が溢れてくるようなエンディングでしたね。
この作品は中高生が見ても面白いと思う。でも大人が見るとまた違う感動があると思うんですよね。確かに人を選ぶのかもしれないけどもっと話題になって欲しい作品ですね。
【追記1】:下記コメント欄のもあいさんから、小説版を読んだ上での解説をいただきました!細かなつながりがわかってスゴイです!小説版も合わせて読みたくなりますね。
【追記2】:『HELLO WORLD if ――勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする』という公式スピンオフも素晴らしいみたいですね。本編では意味ありげだった勘解由小路さんが実は凄い関与してたらしい・・・読みたい。
監督:伊藤智彦
脚本:野崎まど
キャラクターデザイン:堀口悠紀子
音楽:2027Sound
制作:グラフィニカ
堅書直実:北村匠海
カタガキナオミ:松坂桃李
一行瑠璃:浜辺美波
劇場版アニメ『HELLO WORLD』公式サイト
https://hello-world-movie.com
こんばんは!
返信削除『HELLO WORLD』、公開2日目の土曜日に見に行って参りました!
率直に言ってとても素晴らしい映画だったと思います。ストーリーの完成度もさることながら、前衛的な映像表現、ここまできたかと思うようなセルルック3DCGのキャラクター、まさに新時代のアニメ映画が誕生したと感じました。
スタッフ面ではSAOの伊藤智彦監督、SF小説家の野崎まどさん脚本とここまででもワクワクしますが、なんといっても自分が嬉しかったのはキャラクターデザインの堀口悠紀子さんです。あの名作『たまこラブストーリー』後京アニを退社し、以降名前を見かけることはなかっただけに、もしかしたらアニメーター自体を引退してしまったのではないかと危惧していました。「もう堀口さんの絵をアニメで見ることはできないのか……」と半ばあきらめかけていた時『HELLO WORLD』の予告編で堀口悠紀子さんの名前を発見し、驚きと嬉しさでいっぱいになりました。『けいおん!』と『たまこラブストーリー』は自分にとっては本当に思い出深い大切な作品なので、また堀口さんキャラデザのアニメが見れることはけいおんたまこファン冥利に尽きます。
>大人のナオミが一行さんと別れるシーン。彼女の『あなたは私を愛してくださっていたんですね』(うろ覚えです)のセリフで涙が止まらなかった。
このシーンは思わず自分もうるうるきてしまいました。その後のナオミの「僕は、君が好きだったんだ……」という台詞もほんと切なくて……。
物語の終わり、直実の世界を守るためにナオミが消えた時は、これでいいんだ……と思いつつ、でもやっぱり切ないなあと思いながらスクリーンを見ていました。直実達が新しい世界に降り立ち、これで終わっても充分良作だよなあ……と思っていたんですが、そこであのラストシーンですよ!! あのラストシーンで自分の中のこの作品に対する好きという気持ちがさらに一気に跳ね上がりました。
>ラストシーンの考察・・・って難しすぎ(笑)
映画を見終わった後この映画の原作とスピンオフの小説を読んだのですが、あのラストの月の世界は、正真正銘現実の世界だということです。さらに言えば、あの月の世界はナオミがいた世界からさらに10年後、2047年の世界です。
構造的に書くと、
2027年(直実がいた世界、仮想現実の中の仮想現実)→2037年(ナオミがいた世界、仮想現実)→2047年(現実世界)ということになります。
で、ラストで何が起きたのか?
まず直実の世界は、アルタラがもたらした「ビッグバン」によって、仮想現実ではなく文字通り現実の世界となりました。ある意味パラレルワールドといってもいいかもしれません。直実と瑠璃が最後に立っていた世界はその世界なんですね。あのシーンの後物語のタイトルでもある「HELLO WORLD」の文字が流れるわけですが、HELLO WORLDというのはプログラミング言語で「なんでも作れるようになった瞬間」を指すそうです。つまり直実と瑠璃はあの瞬間、本当の意味で新世界に降り立ったというのが正しい表現かと思います。
一方ナオミです。原作小説を読むと解りますが、直実を守るために自ら犠牲となったナオミと、ラスト月の世界で目覚めたナオミは同一のナオミです。
映画本編では明らかにされませんでしたが、『HELLO WORLD』で舞台となった世界は、「脳死状態にあるカタガキナオミを治療するための蘇生プログラムの世界」だったそうです。そしてナオミが蘇生するためには、「『器』と『中身』の同調が必要だった」。
ここでいう同調とはなんなのかは非常にあいまいなものですが、おそらく人を助けようとする本来のナオミが持つ優しい姿、つまりは直実を守るために自らが消えるという選択をした時に「同調」をすることができたんだと思います。原作小説では月の世界のラストシーン、ナオミと瑠璃の邂逅は映画以上に感動的ですよ。読みながら思わず涙してしまいました。全てはナオミを目覚めさせるために現実世界の瑠璃たちが仕組んだことだったと考えると、瑠璃が雷に撃たれたのも現実に起こったことではなく、ナオミの精神を同調させるために現実世界の瑠璃たちが何らかの形で干渉したと考えるのが妥当でしょう。
「この物語(セカイ)は、ラスト1秒でひっくり返る――」、まさにこのキャッチコピーの通りで、ナオミが瑠璃を守るために戦っていたのではなく、実はナオミを守るために瑠璃が戦っていたということですよね。これには本当に震えました。
直実もナオミもそれぞれ異なる世界、しかしまぎれもない現実の世界で瑠璃と生きることができる世界へたどり着けた。これはもうほんとにこれ以上ないほど素晴らしい幕切れだと思いました。こんな良いハッピーエンドはそうそうないです。
『空の青さを知る人よ』が公開する前に、是非とももう一度見に行きたいと思っております。
もあいさん、コメントありがとうございます!
削除読ませていただいて「ウォ〜!」です(笑)しかもこんなにしっかり書いていただいて本当嬉しいです。ありがとうございます(後日本文でも紹介させていただきます)むちゃくちゃ小説読んでみたくなりました。スピンオフもあの赤髪の同級生の話みたいですごい興味あったところなんですが。
映画見た者からすると「ネタバレ」というより疑問がつながってくる感じで納得感がありますね。やっぱ映画先見た方が正解かもしれないですね。小説見た人のツイートで、小説でも結局よくわからない・・・っていってる方がいたので心配していたのですが、これだけわかるなら不明な部分はもいい余白に感じそうです。
小説版とか原作とか、映画版が好きな作品だとどうしても上書きされそうで躊躇する部分があったのですが、この作品は安心して楽しめそうです。
堀口悠紀子さんはもあいさんもかなりファンだったんですね。自分もまさかこういう作品で堀口悠紀子さんの名前をみると思ってなかったので最初は意外でした。自分の中ではかなりの有名人だったので、ネームバリューで呼ばれたのかな?っておもったりしたのですが(笑)作品を見ると想像以上で・・・感謝したくなるくらいでした。
瑠璃の声も賛否ありますが、自分としては平板な感じが逆にピッタリに感じて、あのキャラクターデザインととともに『また見たい〜!』という中毒症状が日々強くなります。自分もまた見にいきたいですね。『空の青さを知る人よ』とほどよく離れているのが幸いですが、面白い映画が続くのもなかなか大変です。
ブログも読んでいただきありがとうございました。またお気軽にどうぞ!
katoさん、こんにちは!
返信削除昨日、午前に『天気の子』を、レイトショーで『HELLO WORLD』を観て参りました。どちらもキャラクターデザインは、私の好みです。陽菜のおさげ髪とアクセサリー(チョーカー)の組み合わせは、素敵だなと思います。
また、瑠璃の佇まいを見て、『けいおん!』の梓(真面目、デレる)と『たまこまーけっと』の史織(可憐、おとなしい)のことを思いだしていました。デレる瑠璃の「不思議の国のアリス」のコスプレ、とても素晴らしいです。
余談ですが、三鈴は、キラキラして、愛くるしいですよね。現在プレ番組が放送中のアニメ『22/7』(2020年1月放送開始予定)のキャラクターたちみたいです。そのアニメも堀口さんが、キャラクターデザインをされています。
私が、この映画を観たいなと思う理由は、3つありました。
1.『ソードアート・オンライン』(1期~2期、劇場版)の伊藤監督が、次は「どんな近未来」を見せてくれるのか?
2.キャラクターデザインは、堀口悠紀子さんが担当であること。今回も可愛らしいキャラを見せてくださるでしょうか?
3.声のキャストに、北村匠海さん(高校生の直実)と浜辺美波さん(高校生の瑠璃)が出演すること。
おふたりは、以前、映画『君の膵臓を食べたい』(実写)の「僕」役と桜良役で、共演されています(2020年公開予定の映画『思い思われ、振り振られ』で再共演)。どんな青春ドラマを繰り広げているのか、興味が尽きません(笑)
1.について、私、SFの設定のこと、詳しくなくてよくわからないですが、小さなマトリョーシカが、次々と、大きなマトリョーシカに収まっていくような、お話の展開で、小気味良い気持ちになれました。心がわくわくするようなエンターテイメントでした。
2.について。キャラクターデザインの前文で、お話した通りです。ちなみに、堀口さんの会話の中身は「アイドルの事90パーセント、仕事の事10パーセント」(笑)なんだそうですよ。いつも可愛らしさを追求する、堀口さんらしさですね。
3.について。この映画の一番の関心事でした。どのような青春模様が描かれるか?どんなお芝居が見られるのか?
『君の膵臓を食べたい』は、桜良(浜辺さん)→「僕」(北村さん)の働きかけで、「僕が」心を開いていき、物語が進んでいきました。正反対に、この映画では、直実→瑠璃の働きかけでスタートしてます。
『キミスイ』での北村さんの世間擦れしてない、朴訥な演技が直実の懸命なところにも現れていたと思います。浜辺さん演じる瑠璃の態度がぎこちないところが、桜良とも違っていて、面白いと思いました。ふたりとも、いかにも清々しなと感じました。青春だな!と思います。
浜辺さんについて、もう少しいいですか?最近の浜辺さんはドラマ『あの花』、『君の膵臓を食べたい』の主人公とは対照的な「はじけた」役(『賭けグルイ』『センセイ君主』)で演技の幅を広げてます。『HELLO WORLD』の瑠璃役はその流れの一環として、なんだろうなと思います。
おとなしくて、平坦な口調。でも、大好きな本の事を話すとき、「私は冒険小説が好き!」とはっきりと自己開示する場面は、浜辺さんの緩やかだけど、芯が強そうな人柄が、垣間見られたような気分になりました。
それが、(またこのキャステイングが)この映画の結末を、自然と呼び込むきっかけになったよう様にも、私には思えました。
浜辺さんまだ、ブレイクまでいかないですが、これから2~3年先に、「朝ドラ」か「大河ドラマ」の重要な役回りを担う役者さんの一人になると、私は思います。
最後に、午前に観た『天気の子』、夜見た『HELLO WORLD』。両方見て、思ったことは、青春の真っただ中にいるときは、人は相手の事が好きなのか否かではなく、相手のために突っ走ってしまうのかもしれません。はっきりとした理由ないのかもしれないけれど。
そして、長い時間が経ち、大人になってから、松坂桃李さんが演じた:大人のナオミや小栗旬さんが演じた:須賀のように、昔を懐かしむような、喪失感を味わうような、でも、【現在の自分】にたどり着くために、それらはどうしても必要な事柄、構成要素だったんだと気づくのでは、と私は思いました。
このような映画に出会うと、私の自身の中高校生時代と重ねて想像してしまう傾向が、あるみたいです。
それでは、長文で失礼しました。ありがとうございました。
Hidebow-Rainbo-Frawbowさん、コメントありがとうございます!
削除『天気の子』と『HELLO WORLD』を合わせてみると独特の感覚があるかもしれませんね。図らずも色々共通する部分がある気がしますね。
それにしても、連続鑑賞は疲れるので苦手なのですが、午前とレイトだと気持ちが切り替えられていいかもしれませんね。時間的に都合つけるのが大変ですが、機会があればチャレンジしてみたいです。
「不思議の国のアリス」のコスプレ良かったですよね。ベタかもしれませんがあのシーンは心撃ち抜かれます(笑)直実とともに観客も完全に落ちるシーンですね。『たまこまーけっと』といえば、自分は瑠璃のキャラでに『妹のあんこちゃん』が大きくなったみたいな印象もありましたが、史織さんっていわれてなるほどと思いました。と自分も史織さんはすごく気になるるキャラでした。出番はそれほど多くないけど、声の演技も印象的でしたねね。
ところで、あの二人が『君の膵臓を食べたい』(実写)で共演してたの(恥ずかしながら)初めて気が付きました。そうだったんですね〜浜辺さんって映像ではすごく溌剌とした印象だったので、全く連想できなかったのかもしれません。だとしたら、今回の演技もすごく考えられてたんだなぁ。単に声優なれてないだけかも・・・なんて思ってましたが考えを改めなければなりません(笑)確かに平板なのにすごく印象深いし、なによりすごく心地いい声でしたよね。この辺、実写関係の俳優さんの話は(元々名前を覚えないせいもあって)無知なので教えていただいて助かります。
『天気の子』と『HELLO WORLD』は大人視点と若者視点の両方で見ることのできる作品ですよね。自分もいいトシなので、若者視点というより『昔を思い返す』という意味でのカッコつき若者視点ですが。でも、須賀やナオミのような大人視点にもすごく共感できる。ある意味一番楽しめる年代な気もします(笑)直実が走り出した若者だとすれば、ナオミは走りきった後って感じですね。別に人生終わったわけじゃないですが、勢いで突っ走れる時期が終わって生き方を見直す時期。そういう意味でも共感でしました。
『22/7』の情報もありがとうございます。全然チェックしてなかったので初めて知りました。また読んでいただきありがとうございます!