すごいなぁこれは・・・とんでもない作品だと思いました。『ほんわかハートフル作品』には違いないのですが、実のところものすごい挑戦的な作品。賛否両論あるでしょうけどね。
でも、この作品がハートフルなだけの薄っぺらい映画であるはずがない!自分はこの作品がすごく複雑で重厚だと思うし、今だからこそ細田監督が描くべき作品だと感じました。
実を言うと自分は細田監督の家族礼賛的な描写が結構苦手なんですよね。『時をかける少女』以外はファンとは言えないのですが・・・この作品はそんな自分も絶賛するしかない。複雑さと軽やかさを両立させた傑作だと思います。
山下達郎「ミライのテーマ(Short Version)
初見の状態でも感動したけど鑑賞後に聴くと涙出てきますね(笑)
予告編よりも素晴らしいMVです。
予告編よりも素晴らしいMVです。
※ネタバレを含むレビューとなりますのでご注意ください。個人的な評価です。
こんな夢を見た・・・細田守版の『夢十夜』ではないか?
この作品の批判でよく見るのは『意味不明なストーリー』と『作品としての浅さ』じゃないでしょうか?確かに表面的にはそう感じるのもわかります。
自分も中盤までは『あ〜はいはい家族礼賛ね』とちょっと斜に構えていたのも事実です(笑)でも後半に未来のくんちゃんと出会いファンタジーの東京駅を見た時に気がつきました。
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見事すぎるファンタジー東京駅 直前の田舎駅からの構成は素晴らしいと思う。 (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) (当ブログの画像引用について) |
あ、これは細田守版の『夢十夜』だったんだ。夏目漱石の『こんな夢を見た』・・・で始まる不思議な物語。そうだとすれば『つじつま』とか『盛り上がり』とか、この作品の異様な部分は納得できると思うんですよね。
犬のゆっこ、未来ちゃん、おかあさん、ひいじいちゃん、そして、未来のくんちゃんとファンタジーの東京駅へ・・・小さな物語をつないでいく不思議な構成が、夏目漱石の『夢十夜』を強く連想させました。
『長い夢』から始まるテーマ曲の意味
そう思ってみると冒頭のテーマ曲。コレ意味深じゃないですか?
いきなり山下達郎の楽曲から始まる素晴らしいオープニングで、まるでエンディングみたいな構成が素晴らしくて感動しちゃったんですが・・・最初の歌詞の一節。
いきなり山下達郎の楽曲から始まる素晴らしいオープニングで、まるでエンディングみたいな構成が素晴らしくて感動しちゃったんですが・・・最初の歌詞の一節。
『長い夢から 醒めたばかりの 瞳が僕を見つめてる』
(作詞:山下達郎/ミライのテーマより)
この歌詞はもちろん『未来ちゃんが生まれたお父さんの視点』なんですけどね。でも『こんな夢を見た』という夏目漱石の書き出しと重なってしまうんですよ。
で、問題は誰の夢なのか・・・ってことなんですが。
で、問題は誰の夢なのか・・・ってことなんですが。
未来ちゃんがこんな夢を見たんじゃないか・・・という細田監督の夢
この作品を夢想している一番大きな視点は『細田監督』なんですが、物語の中で夢を見ているのは『未来のミライちゃん』のような気がするんですよね。
ちょっと言葉で表現しにくいんですが・・・自分には
細田監督が『未来のミライちゃんがこんな夢をみたんじゃないかな?』と夢見た世界を描いた気がしてならないです。
ちょっと言葉で表現しにくいんですが・・・自分には
細田監督が『未来のミライちゃんがこんな夢をみたんじゃないかな?』と夢見た世界を描いた気がしてならないです。
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お父さんが疲れて居眠りするシーンがあるけど この作品自体が『夢』であることのメタファーに見えた。 (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) |
その夢の世界をあえて未来ちゃん視点ではなく『くんちゃん視点』で構成している・・・強引な解釈かもしれないけど、そうだったら面白いなぁって。
キレイに閉じられる物語の入れ子
だって、『お母さん』や『ひいじいちゃん』のエピソードはあるのに、『お父さん』のエピソードは間接的にしか出てこないのはなぜか?
これがあくまで父によって作られた夢であるからじゃないかな。
そして『ミライの未来ちゃん』と『赤ちゃんの未来ちゃん』は同時に存在できないのに、『子供のくんちゃん』と『未来のくんちゃん』は会話できる不思議。
これって未来ちゃんの夢の主体だからでは?
これって未来ちゃんの夢の主体だからでは?
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赤ちゃん時代の未来ちゃん なぜ彼女は同時存在を認められていないのか? (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) |
そして最後に、クライマックスの後に兄弟が朝食を食べて学校に行くシーン。これは『未来ちゃんの夢』が終わった『目覚めの朝』を意味している気がします。
そして語り手である子供の『くんちゃん』は家族に戻り、夢の作り手である『お父さん』がお母さんと語るシーンで映画は終わる・・・。
そして語り手である子供の『くんちゃん』は家族に戻り、夢の作り手である『お父さん』がお母さんと語るシーンで映画は終わる・・・。
ひっくり返されたおもちゃ箱のような世界がキレイに閉じられていくような、こんなに美しい構成・・・と感じたら感動してしまいました。
最初は薄っぺらい話だと思っんですが
実のところ自分は中盤まで、薄っぺらい話だなぁ・・・とちょっと呆れ気味でした(笑)でも途中で気づいたんですよね。
それは、未来ちゃんがタイムリープする理由。女子高生(中学?)のくせに『婚期に遅れたくない』というしょーもない理由なこと。は・・・SFじゃないの?
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しょーもない理由でタイムリープするのは 『時かけ』の真琴を強くイメージさせる。 (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) |
でも『そうは言っても後半で実はスゴイ理由があるんでしょ?誰か死ぬの?おかあさん?おとうさん?』なんて・・・期待してたら(ゲス笑)、なんの悲劇も起こらずに静かに終わる物語。
おいおい、大スペクタクルのSF作品のように思わせておいて、実のところSFでもなんでもなくて、整合性の全くない破綻したストーリー?
いやいや・・・な、わけないよね?あまりにも露骨な破綻ぶりで逆に気がつけました(笑)
破綻した脚本なはずがない!
これは、生まれたばかりの我が子の成長を見た細田監督が、この子はどんな夢を見るんだろう・・・と夢想して作った作品なんだと。
言葉もわからない未来ちゃんが『雛人形の話』を聞いて将来気にしちゃうんじゃないかな・・・とか、君たちはこんな奇跡みたいな繋がりの末にいるんだよ・・・とか、父の視点から子供達に伝えたいことが詰まった作品。
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過去の色彩が独特なのは アルバムの写真の記憶が投影されているのだと思う。 (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) |
この『夢の中の夢』のような構造を感じた時、薄っぺらくて内容のない物語から、すごく複雑で挑戦的な物語に変わりました。
自分のこの解釈が正解かどうかなんてわかりません。初見での感想ですしね。でも、これまでヒット作を作ってきた細田監督がわざわざ破綻したストーリーを発表するわけもないわけで。
これまでの作品を踏まえた上で『さらに抽象度の高い作品』として挑戦したんじゃないかなと。
自分のこの解釈が正解かどうかなんてわかりません。初見での感想ですしね。でも、これまでヒット作を作ってきた細田監督がわざわざ破綻したストーリーを発表するわけもないわけで。
これまでの作品を踏まえた上で『さらに抽象度の高い作品』として挑戦したんじゃないかなと。
現代だからこそふさわしい作品
『サマーウォーズ』で大家族を描き、『おおかみこどもの雨と雪』などで社会の片隅に光をあてる作品も作ってきた細田監督が、どうしてこの作品を作ったか。
正直この家族は恵まれていますよね。両親が共に立派な職業を持ち祖父母の応援もある。もっと描くべき社会問題があるじゃないか・・・と。
でも、ここで両親に問題があったり、死んだり、失業したり・・・では、この作品のテーマはボヤけると思うんですよね。
でも、ここで両親に問題があったり、死んだり、失業したり・・・では、この作品のテーマはボヤけると思うんですよね。
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おそらく自宅も親の援助があったのかな? でも子育てに親が協力するのは本来当たり前の姿。 核家族化でそのことが忘れられてきた。 (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) |
社会で苦しんでいる人たち、日の当たらない人たち・・・そういう部分に焦点を当てるのも映画の力ですが、いま彼が表現するべきことはそれじゃなかった。
今の日本・・・というより少子化の進む国の人間だからこそ、子を持つ喜び、育てる喜びを伝える必要があって、恋愛をポジティブに描く作品が必要なのと同様に、子を持つことをポジティブに描く作品が必要とされていると思います。
そこには余計な事件は必要ない。子供が生まれたという以上の事件なんてない。伝えたいのは『子育ての大変さ』じゃない。『子が生まれたという喜び』を伝えたかったんだと思います。
この当たり前すぎる自明なテーマが当たり前でなくなりつつある社会・・・これこそが日本が抱える大きな社会問題であり、いまこそ彼が作るべき作品だったのだと思います。
この当たり前すぎる自明なテーマが当たり前でなくなりつつある社会・・・これこそが日本が抱える大きな社会問題であり、いまこそ彼が作るべき作品だったのだと思います。
自分にもあったかもしれない未来
正直言うとね、子供がいない自分にはすこし『痛い』です。繋げなかった苦しさってやっぱりあるんだよね。各方面に申し訳ないというか。
劇中で『ちょっとした理由で違う未来があったかも』というシーンがあったけど、自分はもしかしたら、その『違う未来』を生きているのかもしれないって・・・思うんですよね。
『あったかもしれない未来』を想像したとき、生まれてこなかった我が子に『ごめんね』って気持ちになる。(別に死産とかそういうことじゃなくてね)
でも何が良いかなんてわからないし、結局選ばれた未来を生きるしかないよね。
自分は『未来が過去を変える』という考え方が好きなんだけど、ひいじいちゃんが特攻で足を負傷したのも、その時点では不幸かもしれないけど、その後に不自由がキッカケで幸せになって『過去の意味』が変化したわけですよね。
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祖父は先祖とのつながりを表現すると共に 未来が過去を変えることへのメタファーに感じた。 (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) |
未来ちゃんの手のアザだって・・・祖父母は心配するけど、あのおかげでくんちゃんにすぐ気付いてもらえたし、未来ちゃんの幸せのキッカケになるかもしれない。
なにが幸せかなんてわからない。この作品にはそんなメタファーも込められていると思うんですよね。
最後に
まあ、ずいぶん絶賛しましたが全然違ってたらごめんなさい(笑)こういう解釈もあるよねってことで。
それに細田作品で一番好きなのは?と言われればやっぱり『時かけ』かな。これは自分の好きなアニメ映画のトップ5に入る作品ですね。今でも。エンターテイメントとして非常に優れていますよね。
でも複雑さとか構成の面白さという点では『未来のミライ』は負けてないどころか最高だと思います。
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くんちゃんの声は女の子の声に聞こえる違和感。 でもこれも未来の見た夢だからと解釈できるかも。 (未来のミライ より/©2018 スタジオ地図) |
冒頭に『エンディングみたいなオープニングだった』と書いたけど、見終わった後はやっぱり、あのオープニングはエンディングと繋がっている気がしますね。曲こそ違えどもほどんと同じ構成だし、2度目を見たら冒頭でいきなり涙が出る気がします(笑)
実は全く期待してない作品だったのですが・・・いい意味で裏切られました。やっぱりさすがですね細田監督は。
実は全く期待してない作品だったのですが・・・いい意味で裏切られました。やっぱりさすがですね細田監督は。
こんにちは!
返信削除『未来のミライ』、私も公開2日目に見てきましたが、細田守という名が一般人にもだいぶ知れ渡ってきた2018年のこのタイミングで、まさか細田守監督がここまで挑戦的な作品を出してくるとは思いませんでした。
大体の映画は普通、物語として起承転結の構造を成しているものですが、『未来のミライ』には明確な起承転結がない。これは凄く挑戦的だと思います。katoさんの「細田守版の『夢十夜』ではないか?」という考察には、自分には考えもしなかった視点で「なるほどなー」と唸りました。
実は自分も初見では、この『未来のミライ』に対して肯定的にはなれませんでした。細田守監督の作品は『デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム!』『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』、どれも好きだったのですが、初めてくんちゃん的にいえば「好きくない」感情を覚えたというか(笑)
やはり世間が細田守監督に求めているのは、『サマーウォーズ』のような娯楽性全振りの作品や、『おおかみこどもの雨と雪』のような感動巨編だと思うので、『未来のミライ』に対して否定的な意見が多いのは仕方ないと思います。
私も初見では否定派だったんですが、katoさんを始めネットで様々な方の感想を読んでから2回目を見たら、本当に違う景色が見えたというか。katoさんはよく初見では微妙に感じても2回目を見たら全然違う印象を受けたといった趣旨の発言をされているかと思いますが、私もまさにそれで、ここまで違うものなのかと衝撃を受けました。
この映画で一番好きなシーンを挙げるとすれば、やっぱりファンタジー東京駅のところですかね。サマーウォーズのOZの世界を手掛けたデジタル・フロンティアが関わっているそうで、あまりの美しさに終始目を奪われておりました。
もあいさん、コメントありがとうございます!
削除この作品の評価はなんだかスゴイ事になってますね。自分の解釈はかなり少数派みたいで・・・正直自信をなくしていたところでした(笑)もあいさんのコメントを読んで勇気付けられました。ホント感謝です!
もあいさんは細田作品を広くご覧になってるんですね。それにしても『未来のミライ』は宣伝の仕方も相まって初見の抵抗感は、これまでの作品でダントツだと思いますね。とくに大人の鑑賞者にとっては整合性と合わせて受け入れがたい気持ちは自分もよくわかります。
でも、逆に低学年くらいの幼い子供には意外と素直に楽しめるんじゃないかな?と思ったりしました(子供がいないのでわかりませんが)
そういう意味では、アニメ『打ち上げ花火〜』が誰にでもわかる難解さ、なのに対して『未来のミライ』は難解である事がわかりにくい難解さ、なのかなぁと思ったんですよね。だから単に脚本崩壊と解釈してしまうのかな・・・否定派の感想を読んでいるとそう感じるんですよね。
実はまだ2回目をみにいけてないんですが、ぜひ自分も2回目の景色を感じてみたいです。この作品のオープニングってエンディングみたいだとブログにも書きましたが、OPとEDが繋がっているような気がするんですよね。だから2回目ってのはキーワードな気がします。
東京駅のデザインはサマーウォーズと同じところが関わっているんですか。なるほどですね。あれは鮮やかでしたよね。
今回もブログ読んでいただきありがとうございました!コメントすごく嬉しいです。
細田守だからきっと単純なわけ無い!っていう思考の入りがちょっと面白いなぁと思いました。細田作品はデジモンの「僕らのウォーゲーム」を教えてもらってみたときから今まで一通り見ています。友人に「細田守」っていう面白い監督いるよって言ったらすでに知ってて「ワンピースの劇場でルフィーを葛藤するキャラに改編してたから嫌い」と言われて驚きました。そのあとサマーウォーズを見てあまりにも「僕らのウォーゲーム」そっくりだったので自分も見終わった後「細田守監督は作品なんて関係なくやりたいことをやり言いたいことを言っている人」なんだなあと思いました。演出力の高さが鼻につき、人はこうすれば笑う、こうすれば泣く、こうすれば好きになるという方程式に従って機械的に感情をコントロールしてくる不快感も強く感じていました。時代の波にのまれ、ポストジブリ候補席に座ってしまい、本人も苦しんで大衆エンタメにやってたんだろうなあとおおかみこどもからは感じました。化け物の子は前半まではいい子にポストジブリを演じたけど後半で我慢できずにやりたいことをやってしまった感じ。今回はさらに細田守らしいわがままな作品を作ってきたなぁと鑑賞しながら感じました。悪口みたいですが、あれだけの期待を背負いながらだれも期待していない言いたいことを言うのはかなり大変なことだと思います。かっこつけた上っ面が剥がれ落ち、ただただ泥臭い細田守の正体が劇場に現れる日が自分は待ち遠しいなぁと思います。
返信削除改行なしすぎてめっちゃ読みにくい文章になってしまいました・・すいませぬ・・。
削除くろさん、コメントありがとうございます!改行なくても読みやすい文章なので大丈夫です。細田作品をたくさん鑑賞なさってるんですね。そういう方からの細田評はすごく参考になります。
削除確かに演出力の高さはありますね。大衆的にはそれを期待されているのかもしれませんが。『ポストジブリ候補席』みたいな重圧は当然本人も感じていますよね。半分押し付け的な感じですが
どこかのインタビューで細田監督は最近のアニメ映画はチェックしていないという感じの話を伝え聞きましたが、そういう重圧の裏返しだったんじゃ無いかな?と思うんですよね。TV局や大会社も出資して責任重大ですし。
一般には尊大なイメージで受け取られていたようですが、大ヒット作を期待されいていて、ライバルのヒット作を見て影響されたく無いという気持ちもあったんじゃないかなと。
この重圧で賛否両論になる事が明らかな作品を発表するのは相当な精神力が必要だと思うんですよね。自分の感動の一端はそこにあるかもしれません。まあ、もう少しわかり易い解釈のヒントを入れてくれてもいいかな、とは思いましたが。
ブログ読んでいただきありがとうございました!
katoさん、こんばんは!『若女将は小学生!』以来、ご無沙汰しております。
返信削除私事ですが、この間に、私の周りでは、様々な出来事が起きました。
1カ月前に、私の父親が老衰で亡くなりました。91歳、病気ひとつもなく、大往生でした。穏やかないい顔をしてました。数々の映画の中に出てくる「人の最期」は苦しみが伴い、見ていて辛いものであります。でも私の父の場合は、静かに安らかに息を引き取りました。「臨終」に対して、私は考え方は180度ひっくりかえった、そうさえ、思いました。なにしろ、人生を精一杯生きた上での「大往生」ですから、本当にめでたいものなのですよ。
それに、この父がいてくれたから、私はこの世に生を受け、今現在、楽しく朗らかに暮らしているのですからね!
この映画を見た後、何カ月もたって、↑そんな事を思い出しました。
それにしても、ひいおじいちゃん(cv.福山雅治さん)、かっこよすぎます。それから、くんちゃんの散らかし癖は、お母さん(cv.麻生久美子さん)似なのですね(笑)
さて、この映画を見たのは、今年のお盆の時でした。いつもは、小中学校の夏休み春休みの時期、映画館へは行かない自分ルールを作ってましてた。(ファミリー層の邪魔をしないための意味あいがあります。)でも、なぜか『未来のミライ』だけは、見に行きたくなり、前の職場の同僚が遊びに来てくれたのを口実にして、見てしまいました(笑)
(鼻濁音の効いた滑舌のいい、江戸弁口調の......これが私大好き!!なんですよ)達郎さんのOP曲ではじまり、引き込まれるように、見てました(笑)。まじまじと画面を食い入るように見詰めてました。子供の頃、映画館でアニメ映画を初めて見た時、みたいにです(笑)
観客の中のおちびさんたちは、CM・予告編の最中、騒がしくしてたけど、本編が始まると、ピタッと静かになりました。私と同じくらい、夢中になっていたのでしょうね。
赤ちゃんの「ミライちゃん」、犬のゆっこ、そして、甘えん坊のくんちゃん、タイムスリップの先で出会った少女(子供時代のお母さん)、未来のミライちゃん(中学生)。愛らしい造形と描写、画面狭しと繰り広げられる時空を超越した冒険の数々。そんなに肩ひじはって、むつかしく考えなくても良い、今この時間を大いに楽しみましょう!って、語りかけられているみたいです。
そう言いところが、本来アニメ映画にある原点のような感じの印象を受けます。老若男女を問わず、幅広い層を喜ばす。夢中にさせる。そこがいいですよね!
それから、正反対に、大人の立場として、言いますと、映画の中に登場する「大人あるある」「結婚あるある」「夫婦あるある」「子ども・子育てあるある」(私は子どもを持ったり、子育ての経験はありませんが...)などのエピソードは、私も思い当たる節があります(笑)そうそう、そうだよねェ~。共感ポイントが多かったです。
katoさんが、こんな夢を見た・・・細田守版の『夢十夜』ではないか?とおっしゃるところは、なるほど、そういわれると...そうですよね。いい目のつけどころですね。
どちらかというと、『未来のミライ』を見て、私は、映画『夢』(1990年・黒澤明監督)を思い出しました。この映画『夢』は、漱石の『夢十夜』同様に「こんな夢を見た」の出だしで始まります。
黒澤明監督は、自分自身の興味と社会的な題材を結び付ける事が得意だった。それを映画として撮ったと聞きました。それらは、今現在、鑑賞してみても、古臭さを感じさせない、普遍的な物語の数々です。(普遍的におもえるのは、黒沢明監督作品=シェークスピアの戯曲を下敷きにしている事が多いためかもしれません)
細田監督は、今現在の興味を「子育て」と答えています。自分の興味を映画のテーマにしてしまうところが、私は黒澤明監督と感じが似ているように思えます。それゆえに『未来のミライ』は、普遍的なテーマが込められていると思います。何よりもオーソドックスな物語です。
>>そこには余計な事件は必要ない。子供が生まれたという以上の事件なんてない。伝えたいのは『子育ての大変さ』じゃない。『子が生まれたという喜び』を伝えたかったんだと思います。
katoさんが、おっしゃる通りなんですよね。これが言いたかったんだと思います。いつかは、「親離れ」「子離れ」の時期が来るのです。だから、子育ての最中には、いっぱいの愛情をこめて接したら良いのではと思います。(家族礼賛と言われても...笑)
最後に、もう一言いわせてください。
>>実のところ自分は中盤まで、薄っぺらい話だなぁ・・・とちょっと呆れ気味でし(笑)でも途中で気づいたんですよね。
>>それは、未来ちゃんがタイムリープする理由。女子高生(中学?)のくせに『婚期に遅れたくない』というしょーもない理由なこと。は・・・SFじゃないの?
↑確かに、「未来のミライちゃん(中学生)」は、おませさんなのかもしれません。でも、(恋に恋するお年頃の)彼女には、切実な願いなのでしょうね。乙女の恋心は現在過去未来を問わない、変わらない、普遍的と言ったところでしょうか。
私がそう思った理由は以下の通りです。
「未来のミライちゃん(中学生)」が最初に登場する前後(どちらかだったか定かではないですが、...ごめんなさい)に、お父さんが、くんちゃんを抱きかかえながら、幼稚園に連れていく場面がありました。
その途中、二人は中学校横の歩道を通りました。そこで女子中学生たちが、男子生徒とすれ違うカットが入りました。ひとりの女子中学生は頬を赤らめました。そして、うつむいた表情が映し出されたのです!
この年頃は、気になる異性にぞっこん夢中なのかなと思いました。将来はその彼と結ばれたいのが、おとしごろの乙女の(切実な)願いなのかなと。
だから、未来から来たミライちゃん(中学生)も同じく、リアルタイム(未来)で気になる異性が存在しているのでしょうね!、とちょっとだけ想像してみました。
いかがでしょうか。
なんか、まとまりのない長文で、ごめんなさい。また遊びにきます。それではまた。
P.S.
2018年秋アニメ、私の注目作は、『とある魔術の禁書目録3』『SAO アリシゼーション』『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』『やがて君になる』です。みんな、原作本が角川書店(電撃文庫&コミック電撃大王)から出版されているのが、共通点です。
どれも、登場人物たち同士のセリフのやりとり、間合いが、私は気に入ってます。とても素敵です!
Hidebow-Rainbo-Frawbow さん、コメントありがとうございます!
削除お父様が亡くなられたとのこと。大変だったかと思います。安らかな最期って誰もが迎えられるわけではないですから、素晴らしい人生の締めくくりをなさったのですね。
私の父も高齢になって、私自身も人生の後半を意識する年齢になり、いろんなモノの見方が変わってきた実感があります。そういう意味でも、その人の生きる立ち位置によって感想が変わりやすい映画かもしれませんね。
山下達郎のオープニングは本当によかったですよね。実は初見でいきなり目頭が熱くなってしまったんですよね。まだ本編見てないのに(笑)ある意味であの歌詞が全てを物語っている気がします。
黒沢監督の映画『夢』、私もリアルタイムで鑑賞しました!まだ十代だった気がしますが、思いっきり背伸びして見に行った気がしますね。正直いうと難解で理解が難しい作品でしたが、その不思議な感じや社会性を匂わせる雰囲気が印象的でした。確かに細田監督のインタビューなどの印象からも黒沢監督との共通点を感じますね。
あと、お父さんが幼稚園に行く時の中学生のシーン。そこはホント同感です!あのシーンって、特に不自然ってほどではないけど割と唐突に、でもしっかりと見せてくるじゃないですか。2回見たのですが、な〜んか意味あるよなぁ(笑)って思ってました。
やっぱりそうなんですよね。直接的ではないにしろ、なにかを暗示させるシーンだと感じたのですが、ご指摘の通り未来ちゃんの背景を暗示していると考えるのが自然ですよね。ぼんやりと感じていた事ですが、書いていただいてはっきり理解する事ができた気がします。
今期、『青ブタ』『やがて君になる』は自分も大注目です。『青ブタ』は劇場版も楽しみですね。『やがて君になる』は言葉にならない素晴らしさがあります。1話ごとに見るのが楽しみなようでコワいくらいです。
またお気軽にコメントしてください!いつもありがとうございます。のんのんびよりの感想も書くとか書いてて、まだアップできなくてごめんなさい(笑)たまに覗いで見ていただけると幸いです。