劇場版『からかい上手の高木さん』感想:予想外の展開、まさかの号泣、甘く見てごめんなさい!

2022/06/12

アニメ

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  劇場版『からかい上手の高木さん』を映画館で見てきました!

 予想以上にちゃんと『映画』してたし、予想外の展開に驚き、そして思いがけない感動の不意打ちで号泣してしまいました。

 73分という短尺なのでちょっと甘く見てましたが充実感ハンパないですね!

劇場版「からかい上手の高木さん」予告編より画像引用
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©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会

※後半からネタバレありのレビューとなりますのでご注意ください。

劇場版「からかい上手の高木さん」予告編


TVリシーズでは・・・

 実を言うとTV版1期ではちょっとこっぱずかしすぎると言うか、とにかくムズムズするような気持ちになってしまって、嫌いじゃないんだけど見続けるのが難しいという作品でした(笑)

劇場版はさらに距離が縮まった?
このシーンは教室で声大きすぎっ!てヒヤヒヤでした
©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会

 でも週替わりのエンディングは楽しみでしたね。昔の名曲をカバーしたエンディング曲

 別に昔の話ってわけじゃないけど『ノスタルジー』って意味では自分のようなオッさんにもすっごく響くものがあるんですよね。

 そう言う意味では。リアル中学生はもちろんですが、自分みたいな世代にも十分楽しめる作品かなぁと思います。

 とくに、3期になってからは高木さんと西片の距離がグッと縮まって、個人的にすっごく見やすくなってきたんですよね。その流れでの劇場版ということで。

 完結編ってわけではなさそうだけど、基本的に短いエピソードの作品なので映画としてはどうだろう・・・って思いはありました。

予想以上に『映画』をしていた!

 予告を見る限りはエモいシーンもあるけど、上映時間も73分ほどと短いので、映画というよりは特別編的なノリかなぁ・・・って思ってたんですよね。

 でも予想以上に『映画』してましたね。物語自体もだけど、音響を使った演出とか映画って感じのこだわりを感じました。

 特に印象に残ったのはプールの素潜りのシーン。水中の隔絶された包まれ感をうまく音響で表現していて、セリフを使わず表情だけで伝える演出

 書いてしまうと大したことないんだけど、あの瞬間の没入感は『あっ、すごいなぁ』って感じたんですよね。

水中にいるときの音響表現が素晴らしかったです。
©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会

 映像もホント丁寧で73分っていう短さのおかげかもしれませんが、作画的にも不安に感じる部分が全然なくて高木さんの可愛さがホント際立ってました。

※次章よりネタバレがありますので未見の方はご注意ください。


卒業を意識して感じる、かけがえのない時間

 見る前は意識してなかったんだけど、この作品は卒業がテーマの一つになってたんですよね。

 中3の夏は今しかないって当たり前のことを意識することで、急にかけがえのない時間に感じてくる。

予告では『夏休み』というイメージだったけど
実は卒業、そして将来というテーマが内包されていた。
©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会

 逆に、中3っていうと受験や勉強がテーマになりがちだけど、この作品だとあまり触れないのがいいですね。

 将来のために頑張るのは大切なんだけど、今この時間も大切だよって。子供の頃って将来が大切と脅されるけど、今を大切にしないで得られる将来って何だろうって思いはありますよね。

 ミナ・ユカリ・サナエの3人組の葛藤も、もう一本の軸になっていたけど、サナエが都会の高校を選ばなかった時、ちょっと引っかかるところはあったんですよね。将来を捨ててしまうのかな?って。

 でも考えてみると、どっちも大切なんだって。重要なのは自分が納得するかどうかなんですよね。

 サナエは残って欲しいと頼まれたわけじゃなくて自分で考えて決めた。だからこれでいいんだと納得しました。

うますぎるシリアス展開の使い方

 それにしても予想外だったのは子猫の行方でしたね〜。はっきり言って予告を見た時は、もっとヌルい話かと思ったんですよね。

 子猫が行方不明になって探すエピソードっていうのはわかりますが、それって子猫が『見つかる』か『見つからないか』しかないじゃないですか。

問題のネコちゃん。
©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会

 まあ普通に考えたら、子猫が死ぬような展開は作品的にありえないわけで・・・。

 とすると、必然的に探す過程で西片と高木さんの絆が強まって・・・HappyEND♡みたいな安直な展開しか予想できないわけですよ。

 でもまぁ、この作品はこのくらいの温度感で丁度良いかもね〜みたいに甘く見てました。

 そしたら、まさか、まさか!ですよね。

 こういう展開があったか・・・という感じで。あの喪失感すごすぎました。

 しかも直前にお祝いでもらった首輪がね・・・あれがホントに効いてて。見ている方もおもわず硬直するほどの喪失感でしたね。

幸せの絶頂からの落とし方が強烈
でもこの作品の世界観を崩さない見事な着地点でした
©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会

 まだちゃんと付き合ってもいない二人なのに、まるで子供を喪った夫婦のように強烈な喪失感に立ち尽くす。

 しかも子猫は元気に生かしたままって・・・・こんなすごい着地点あったのかって。全く予想してなかったので震えましたね。

 そしてそこからの西片の『幸せにします』宣言!こう繋げてきたか〜と感動しました。

 だって『二人でネコちゃん探して絆深まりました〜』みたいな浅い話じゃやっぱりヌルすぎますよね。

 この喪失感を共有しているからこそ重みのある言葉なんですよ。

 幼いプロポーズだけど高木さんを幸せにできるのは西片だけだって・・・何よりも強く感じさせる素晴らしいシーンでした。

まさかの・・・エンディングで号泣

 そんなこんなで、いやぁ〜良かった・・・ってウルウルしながらのエンディング

 スタッフロールが始まって『あの猫の声優さんは誰かなぁ〜』って見てたところ、長めのイントロが終わってボーカルに入るその瞬間・・・!!!!


 ドッッッバァーーーー!!!!ですよ!

 もう涙・涙・涙!そう『明日への扉』ですよ!

 I WiSH川嶋あい)の歌う2003年の超有名ラブソングであり、同時に『旅立ちの日に...』という曲名で当時の卒業ソングのド定番でもあったこの楽曲!

 もうね・・・シャレじゃなく息が止まる思いでした。頭で考えるより早く体が反応してしまって目が開けてられない・・・震える体でハンカチを取り出して目を押さえました。

 やられた・・・そうだった、油断してた。卒業なんだからこの曲があったんだって。

 イントロがアレンジしてあってしばらく気づかなかったのですが、有名なメロディーラインが聴こえた瞬間に全てが繋がって頭が真っ白ですよ。

 これは知らないで観に行ったのですが、公式ページエンディング曲が週替わりになることが発表されていたんですね。

 1週目が『明日への扉』というのは発表されていたようですが、ある意味知らなくて良かった〜という感じです。

 というか、これ1週で終わるのはもったいないですね〜2週目以降も楽しみですが、この体験は本当に貴重でした。素晴らしい感動をいただきました!

 あと、もちろん『猫の声優さん』が誰だったかは見逃しました(笑)

最後に:中学生らしい距離感と、かけがえのない時間

 ホントすごく良かったです。まあED曲は反則ですけどね(笑)

 ちょうど同じ時期に『五等分の花嫁』も上映されてるわけですが、比べてみると『高木さん』の方は中学生らしい恋の空気感が際立ちますね。

一見Hなシーンだけど、この後おもわず笑い出す高木さんが
すごくこの作品らしくて好き
©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会

 中学生カップルらしい性愛への距離感みたいなのが見事に表現されてるなぁって。

 高校だとキスとか、初々しい中にももっと踏み込んだ意識があるんだけど、中学生の頃ってこういう距離感ですよね。小学生でも高校生でもない本当にピュアな恋愛ができる時期なイメージ。

 作中に出てくる『付き合う』の定義が『理由がなくても会える関係』っていうのがすごくいいなぁって思いました。

 中学生の頃って好きな女子がいても『付き合うって具体的にどういうこと?』って思ったなぁって。まあ、これって両思いが前提の話ですけどね(笑)

 こんな楽しい中学生活が送れたらさぞ素晴らしいだろうけど、でもそうじゃない女子3人組男子2人組にとってもかけがえのない時間なんですよね。

 そしてエンディング後のエピローグ

 3人+1匹の家族となった高木さんと西片。

 きっとあの時間軸から振り返ったかけがえのない思い出こそが『からかい上手の高木さん』という作品なんだろうなぁってしみじみ感じてしまいました。

原作:山本崇一朗
監督:赤城博昭
構成:福田裕子/脚本:福田裕子・伊丹あき・加藤還一
キャラクターデザイン:髙野綾
色彩設計:横井未加/音響監督:えのもとたかひろ
アニメーション制作:シンエイ動画

『からかい上手の高木さん』公式サイト:https://takagi3.me


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