劇場版『からかい上手の高木さん』を映画館で見てきました!
予想以上にちゃんと『映画』してたし、予想外の展開に驚き、そして思いがけない感動の不意打ちで号泣してしまいました。
73分という短尺なのでちょっと甘く見てましたが充実感ハンパないですね!
劇場版「からかい上手の高木さん」予告編より画像引用 (当ブログの画像引用について) ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 |
※後半からネタバレありのレビューとなりますのでご注意ください。
TVリシーズでは・・・
実を言うとTV版1期ではちょっとこっぱずかしすぎると言うか、とにかくムズムズするような気持ちになってしまって、嫌いじゃないんだけど見続けるのが難しいという作品でした(笑)
劇場版はさらに距離が縮まった? このシーンは教室で声大きすぎっ!てヒヤヒヤでした ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 |
でも週替わりのエンディングは楽しみでしたね。昔の名曲をカバーしたエンディング曲。
別に昔の話ってわけじゃないけど『ノスタルジー』って意味では自分のようなオッさんにもすっごく響くものがあるんですよね。
そう言う意味では。リアル中学生はもちろんですが、自分みたいな世代にも十分楽しめる作品かなぁと思います。
とくに、3期になってからは高木さんと西片の距離がグッと縮まって、個人的にすっごく見やすくなってきたんですよね。その流れでの劇場版ということで。
完結編ってわけではなさそうだけど、基本的に短いエピソードの作品なので映画としてはどうだろう・・・って思いはありました。
予想以上に『映画』をしていた!
予告を見る限りはエモいシーンもあるけど、上映時間も73分ほどと短いので、映画というよりは特別編的なノリかなぁ・・・って思ってたんですよね。
でも予想以上に『映画』してましたね。物語自体もだけど、音響を使った演出とか映画って感じのこだわりを感じました。
特に印象に残ったのはプールの素潜りのシーン。水中の隔絶された包まれ感をうまく音響で表現していて、セリフを使わず表情だけで伝える演出。
書いてしまうと大したことないんだけど、あの瞬間の没入感は『あっ、すごいなぁ』って感じたんですよね。
水中にいるときの音響表現が素晴らしかったです。 ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 |
映像もホント丁寧で73分っていう短さのおかげかもしれませんが、作画的にも不安に感じる部分が全然なくて高木さんの可愛さがホント際立ってました。
※次章よりネタバレがありますので未見の方はご注意ください。
卒業を意識して感じる、かけがえのない時間
見る前は意識してなかったんだけど、この作品は卒業がテーマの一つになってたんですよね。
中3の夏は今しかないって当たり前のことを意識することで、急にかけがえのない時間に感じてくる。
予告では『夏休み』というイメージだったけど 実は卒業、そして将来というテーマが内包されていた。 ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 |
逆に、中3っていうと受験や勉強がテーマになりがちだけど、この作品だとあまり触れないのがいいですね。
将来のために頑張るのは大切なんだけど、今この時間も大切だよって。子供の頃って将来が大切と脅されるけど、今を大切にしないで得られる将来って何だろうって思いはありますよね。
ミナ・ユカリ・サナエの3人組の葛藤も、もう一本の軸になっていたけど、サナエが都会の高校を選ばなかった時、ちょっと引っかかるところはあったんですよね。将来を捨ててしまうのかな?って。
でも考えてみると、どっちも大切なんだって。重要なのは自分が納得するかどうかなんですよね。
サナエは残って欲しいと頼まれたわけじゃなくて自分で考えて決めた。だからこれでいいんだと納得しました。
うますぎるシリアス展開の使い方
それにしても予想外だったのは子猫の行方でしたね〜。はっきり言って予告を見た時は、もっとヌルい話かと思ったんですよね。
子猫が行方不明になって探すエピソードっていうのはわかりますが、それって子猫が『見つかる』か『見つからないか』しかないじゃないですか。
問題のネコちゃん。 ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 |
まあ普通に考えたら、子猫が死ぬような展開は作品的にありえないわけで・・・。
とすると、必然的に探す過程で西片と高木さんの絆が強まって・・・HappyEND♡みたいな安直な展開しか予想できないわけですよ。
でもまぁ、この作品はこのくらいの温度感で丁度良いかもね〜みたいに甘く見てました。
そしたら、まさか、まさか!ですよね。
こういう展開があったか・・・という感じで。あの喪失感すごすぎました。
しかも直前にお祝いでもらった首輪がね・・・あれがホントに効いてて。見ている方もおもわず硬直するほどの喪失感でしたね。
幸せの絶頂からの落とし方が強烈 でもこの作品の世界観を崩さない見事な着地点でした ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 |
まだちゃんと付き合ってもいない二人なのに、まるで子供を喪った夫婦のように強烈な喪失感に立ち尽くす。
しかも子猫は元気に生かしたままって・・・・こんなすごい着地点あったのかって。全く予想してなかったので震えましたね。
そしてそこからの西片の『幸せにします』宣言!こう繋げてきたか〜と感動しました。
だって『二人でネコちゃん探して絆深まりました〜』みたいな浅い話じゃやっぱりヌルすぎますよね。
この喪失感を共有しているからこそ重みのある言葉なんですよ。
幼いプロポーズだけど高木さんを幸せにできるのは西片だけだって・・・何よりも強く感じさせる素晴らしいシーンでした。
まさかの・・・エンディングで号泣
そんなこんなで、いやぁ〜良かった・・・ってウルウルしながらのエンディング。
スタッフロールが始まって『あの猫の声優さんは誰かなぁ〜』って見てたところ、長めのイントロが終わってボーカルに入るその瞬間・・・!!!!
ドッッッバァーーーー!!!!ですよ!
もう涙・涙・涙!そう『明日への扉』ですよ!
I WiSH(川嶋あい)の歌う2003年の超有名ラブソングであり、同時に『旅立ちの日に...』という曲名で当時の卒業ソングのド定番でもあったこの楽曲!
もうね・・・シャレじゃなく息が止まる思いでした。頭で考えるより早く体が反応してしまって目が開けてられない・・・震える体でハンカチを取り出して目を押さえました。
やられた・・・!そうだった、油断してた。卒業なんだからこの曲があったんだって。
イントロがアレンジしてあってしばらく気づかなかったのですが、有名なメロディーラインが聴こえた瞬間に全てが繋がって頭が真っ白ですよ。
これは知らないで観に行ったのですが、公式ページでエンディング曲が週替わりになることが発表されていたんですね。
1週目が『明日への扉』というのは発表されていたようですが、ある意味知らなくて良かった〜という感じです。
というか、これ1週で終わるのはもったいないですね〜2週目以降も楽しみですが、この体験は本当に貴重でした。素晴らしい感動をいただきました!
あと、もちろん『猫の声優さん』が誰だったかは見逃しました(笑)
最後に:中学生らしい距離感と、かけがえのない時間
ホントすごく良かったです。まあED曲は反則ですけどね(笑)
ちょうど同じ時期に『五等分の花嫁』も上映されてるわけですが、比べてみると『高木さん』の方は中学生らしい恋の空気感が際立ちますね。
一見Hなシーンだけど、この後おもわず笑い出す高木さんが すごくこの作品らしくて好き ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 |
中学生カップルらしい性愛への距離感みたいなのが見事に表現されてるなぁって。
高校だとキスとか、初々しい中にももっと踏み込んだ意識があるんだけど、中学生の頃ってこういう距離感ですよね。小学生でも高校生でもない本当にピュアな恋愛ができる時期なイメージ。
作中に出てくる『付き合う』の定義が『理由がなくても会える関係』っていうのがすごくいいなぁって思いました。
中学生の頃って好きな女子がいても『付き合うって具体的にどういうこと?』って思ったなぁって。まあ、これって両思いが前提の話ですけどね(笑)
こんな楽しい中学生活が送れたらさぞ素晴らしいだろうけど、でもそうじゃない女子3人組や男子2人組にとってもかけがえのない時間なんですよね。
そしてエンディング後のエピローグ。
3人+1匹の家族となった高木さんと西片。
きっとあの時間軸から振り返ったかけがえのない思い出こそが『からかい上手の高木さん』という作品なんだろうなぁってしみじみ感じてしまいました。
原作:山本崇一朗
監督:赤城博昭
構成:福田裕子/脚本:福田裕子・伊丹あき・加藤還一
キャラクターデザイン:髙野綾
色彩設計:横井未加/音響監督:えのもとたかひろ
アニメーション制作:シンエイ動画
『からかい上手の高木さん』公式サイト:https://takagi3.me
こんばんは!
返信削除『高木さん』見に行かれたのですね。現在、私は3期の途中をみていますが、流れが少し変わってきたような。感じが方に変化がありました。katoさんが「小っ恥ずかしい」と仰っている気持ちがわかかります。ロマンティックは益々上昇中ですが(笑)
何故かと言うと、『高木さん』と同じ原作者・山本崇一朗センセイが描いている漫画をアニメ化した『くノ一ツバキの胸の内』を見てからですかね。
異性に、初恋に対する「恥じらい」を微笑ましく描く所は共通点。そこが共通のツボですかね。笑いどころであり、キュンキュンする場面でもありますよね。
katoさんのご指摘にある「なかよし三人組」は山本氏の漫画『あしたは土曜日』の主人公です。三人の会話のやりとりも面白く、程よく息が抜ける。良いコメディリリーフです。(ミナ役の小原好美さんは現在引っ張りだこの活躍中です。)
もう一つご指摘にある「絵」で見せる点は『映画』の最大の持ち味。TVで描ききれない表現を求め、映画館へ進出が正確な理由かもしれませんね。
反対に「会話で聴かせる」点がTVの魅力であることは昨今を問わず代わりません。最近はTVアニメでも、「見せる」方に偏りがちにありますけれどね(苦笑)
かって良いTV番組の条件に「TVに背を向けて、洗いものをしている人にもわかるように」とありました。時代が代わり、TVのながら視聴の意味合いに変化がありますが(笑)
最後に、高木さんと西方との行先はスピンオフ漫画『からかい上手の(元)高木さん』へ続いて行くのかなと、なんとなく朧気に想像してます。そのおぼろげ感が何とも嬉しくあります。
その緩さが、私の多感だった時代「昭和」を。『高木さん』の舞台なっている「小豆島」の風景が懐かしさを彷彿させるのが堪らなく素敵です。そのアニメの製作が今年45年を迎えた「シンエイ動画」であると言う点も付け加えておきましょう!
それでは。ありがとうございました。
Hidebow-Rainbo-Frawbow さん、コメントありがとうございます!
削除確かにTVは「会話で聴かせる」っていうのはありますよね。洗い物とまでは言わなくても、明るい部屋で気が散りやすい状態で見るわけで。よそ見しててもわかるのはいいのですが、かえって静かなシーンや映像での情報は見逃しがちになりますね。そういう意味でも作りは変わってきますね。
自分は原作も未読なのですが『あしたは土曜日』も知りませんでした。それは面白そうですね〜『高木さん』の作中でも3人組のエピソードがあることで恋愛だけじゃないいい味わいになってますし。そもそも大多数は西片みたいな幸運には恵まれてないですからね(笑)
『(元)高木さん』はCMで知ってるのである意味ネタバレですよね(笑)だから安心してみていられるってのもありますが、この後4期が『高木さん』なのか『元)高木さん』なのかはどうなんだろう。どちらもある感じで。
Hidebow-Rainbo-Frawbow さんがご覧になる頃には発表がああるかもしれませんね。その際はまた後半をお読みいただければと思います。ありがとうございました!
こちらにコメントも ものすごく久しぶりです…(汗)
返信削除ハナのエピソード、なるほど消失感の共有…
なるほど納得がいきました!
自分的に上手く言語化できずモヤモヤして
ましたけどスッキリです!(笑)
その上で ここの感想読んで
ちゃんと首輪が使われていたの思い出して
ウルッとしてしまいました…(涙)
ありがとうございます!
あとハナの担当声優は特典にも掲載されてますので確認してみてください。
もらえてますよね…?(汗)
TTさん、コメントありがとうございます!
削除ああ、本当ですね。ハナの声優さん書いてありましたね!マンガの方を読んでて前半の方はちゃんと見てなかったみたいです(汗)
そうそう、首輪も、やっぱり最後使われてたんですかね!なんか確信持てなかったのですが。劇中で、あ〜あの首輪返品するのかなぁ。それもまた悲しい・・・って思ってたのですが、そういう結末だとホッとしますね。
あと、なんか終盤に二人で階段歩いているところ、よその家でトラ柄の猫を見かけてるシーンがありましたが、あの猫とエピローグの猫はなんか関係あるんですかね?柄が似ているような気がしたので、もしかして子猫をもらったのかな?って想像してました。
記事を読んで頂きありがとうございました!
お久しぶりです。からかい上手の高木さんの連載がおわってしまい寂しいです。どの話も好きですが、個人的には風が強い日に西方が中二病っぽいセリフを叫んでいたのを高木さんに見られてしまい、高木さんの「我はいま風を起こしているぞー」というセリフで赤面したシーンです、初見では腹が痛いくらい笑いました(笑)
返信削除それと、最近ガルパン最終章の4dxを見てきましたが、やはり最高でした。もし最終章を見ていなかったらおススメします、いまめっちゃ面白い展開になってますから。
ウイングスタン さん、お久しぶりです!ガルパン最終章の4DXは結局みられなかったんですよ〜むちゃくちゃ忙しくて行こうと思ってたら終わってました(泣)通常版は見ましたが4DX映えしそうな内容でしたよね。むしろ揺れ過ぎっていう感想も聞きましたが。雪山のシーンは本当によく考えたなぁ〜って感心しました。
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