『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略』感想 :後編が楽しみになる再構築!

2022/05/28

アニメ

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 劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]を映画館で見てきました!

 まだ前編ですが、単なる総集編ではなく『RE:cycle』のタイトル通りなんとも意味深で複合的な意味を感じる展開でしたね。

 公式では『再構築』と訳しているようですが、『RE:』と『cycle』と分けた意味もやっぱあるよなぁ・・・って感じます。

RE:cycle of the PENGUINDRUM 予告編/PVより画像引用
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©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン

 予想以上に新規パートが多くて嬉しかったです。現代風な映像も挟みながらTVシリーズをもっと理解できるようなアレンジにしているような感じがしますね。

 これは後編をむちゃくちゃ期待してしまいますよ!

【予告篇】輪るピングドラム 劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM


※後半より若干のネタバレのあるレビュー・考察となります。未視聴の方はご注意ください。

TV版『輪るピングドラム』はすごい感動

 本作は2011年放送の『輪るピングドラム』10周年記念ということで企画された劇場版。

 監督は'97年放映の『少女革命ウテナ』で有名な幾原邦彦監督です。(ウテナも長いけど良かったです!)

 実は2011年当時にはリアタイ視聴はしてないんですよね。実際に見たのは意外と遅くて2018年。その頃にはウテナと並んで幾原監督の傑作として評価が定着してました。

 見た直後のツイートがこちら。

 鑑賞後はかなりの喪失感で結構精神的に引きずりましたね〜。

 必ずしもバッドエンドというわけじゃないんですが、難解で理解できないのに物語世界にどっぷり引き込む力強さがある作品でした。

このペンギンがすごいいい味出してるんですよね〜。
正直感動の半分はペンギンの存在かも。
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン

 でもこれ2011年7月放送開始なんですよね。

 震災後のまだ落ち着かない空気感のなか、'95年の地下鉄サリン事件をモチーフにしたような描写や、運命をテーマにした内容の巡り合わせがすごいですよね。

 もしリアタイ視聴してたらどんな気分だったろうと思います。

※次章より映画のストーリーに少し触れますのでご注意ください。

一体どう劇場版にまとめるのか・・・

 前後編に分けるとはいえ、あの2クール作品総集編にまとめるのは色々無理がある気がしますよね。そこは一体どういう感じにするのか・・・ちょっと心配ですよね。

 ウテナの劇場版のように、超難解なものになるのか・・・とはさすがにならないと思うけど(笑)単なる総集編にはならないだろうと期待していきました。

 そしたら、序盤からいきなり新展開で『おぉ〜!』って感じでテンション上がりましたよね。

 記憶がない幼少の冠葉晶馬が、TVシリーズのエピソードを辿っていくような展開。

 まるで、TVシリーズを忘れてる自分とダブるような気分になったんですが、単なる案内人役じゃないですよね、これは。

新キャラペンギンは上坂すみれさんでビックリ。
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン

 この二人が全体の構成に深く関わってくるような予感で・・・まあ、まだわからないのですが。

 輪廻や、あるいは運命をもう一度やり直すための存在なのか・・・これって、なんか最終回から話が繋がっているような?

 で、ここで気づいたのですが・・・予想以上に忘れてるぞ!自分(笑)って。

 あれ?最終回って具体的にどんな感じだったけ・・・あんな感動したのに!総集編だから忘れてるくらいでちょうどいいや・・・って思ってたけど、ちょっと忘れすぎだったかも(汗)

初見の人にもわかる作品か・・・

 で、肝心の本編ですが、TVシリーズの切り貼り感はあまり感じなくて上手に繋いでる感じでしたね。

 もちろん、かなりカットされてると思うんだけど、あんまり気にならないっていうか。そういう意味ではぼんやり覚えてるくらいでちょうどいいのかも。

トリプルHのエピソードも入って流れはわかるんだけど、
やっぱりTVシリーズ見た人向けかな?とも思いますね。
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン

 一応、初見の人にもわかるようになってると思うけど・・・どうでしょう?その辺は初見の人の感想を聞いてみたいですね。

 ただ、この作品ってもともと超難解だから、総集編だから意味不明って訳じゃないので、初見の人はその辺は安心してほしいところです。

現代的にアップデートされた演出

 ただ、幾原監督ならではの演出、バンクをつかった繰り返しの表現とかはどうしても控えめなので、ちょっと物足りない反面、普通に見易くなってるとも言えるのかも。

 陽毬の変身シーンは予想通りスクリーンに映えてもっと見たかったけど、でもあれってTVシリーズならではの演出なんだよね。

このシーンはスクリーンでも映えましたね!
ほんとはもっと見たかったけど。
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン

 その代わり、時々入る『さらざんまい』(2019年)を思わせる実写と合わせた映像。あれは良かったな。

 実写というよりハイパーリアルな映像で、よく見ると看板などがオリジナルのものに書きわかってるんですよね。

 当時の作品に最新のイクニ演出が還流したような感覚で、違和感なくアップデートされたような感じがしてすごく好きでした。

復習しないで後編を見た方が楽しめる?

 ただ正直、ところどころ「どうだったけ?」ってわからないところがあって、一緒に行った奥さんに聞いたんだけど、やっぱりぼんやりしててわからない(笑)

そもそも『ピングドラムって結局なんだったけ?』ってレベルで・・・まあそれだけ難解な訳ですけど。

これ誰?って思ったら苹果の姉の桃果なんですね!
予告ではプリンセスのキャラデが変わったのかと勘違いしてた(汗)
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン

   TVシリーズの『輪るピングドラム』は奥さんの方が自分よりずっと多く見てるんだけど、最終回のことを話したら、どうやら自分はかなり誤解していることが判明!あんなに最終回が感動した〜とか言っといて我ながら情けないですが。

 ただ、奥さん曰く「むしろそのくらい忘れてる方が楽しめるに違いない」と進言をうけて、なるほど確かにそうかもしれないと思って、あえて復習するのはやめて後編を迎えたいと思います。

 どんな反応ができるのか我ながらちょっと楽しみですね。

最後に:10年目のピングドラムはどう表現されるのか。

 まぁ、こんな感じなのでほとんど考察らしいことはできないんですが・・・でもエンディングの『ノルニル』すごい良かったですね〜。

 あの曲がかかったとき、不意打ち感もあって、おもわずどっと涙が出てしまいました。もう理屈じゃないんだよね。なんか心に刻まれてるモノがあるのかな。

 2クール目の『少年よ我に帰れ』もすごく大好きな楽曲なんだけど、後編は新曲が主題歌になるので流れないのかなぁ・・・だとしたらちょっと残念。

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 さてはて、いったい7月公開の後編はどうなるのかな〜もちろん展開自体はわかるのですが、あの幼年兄弟がどんな感じで絡んでくるのか。

 そして桃果がどうなるのか・・・シンエヴァ庵野監督も言っていましたが、時代を考えるとあまり難解にしすぎないかもしれませんね。案外わかりやすい作品になってるかも。

 おぼろげな最終回の記憶との絡みで、なんとなく予想もあるのですが、ここは奥さんのアドバイスに従ってあえて復習せずに楽しみたいと思います!

 下記のPVの歌詞がかなりヒントになる感じがしますね〜。

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略 スペシャルPV
(やくしまるえつこメトロオーケストラ「僕の存在証明」)

外部リンク  丸ノ内線の解釈など参考になりました/平成の終焉に――『輪るピングドラム』における虚構と現実の交渉:ますたーの研究室

原作:イクニチャウダー
監督:幾原邦彦
脚本:幾原邦彦/伊神貴世
キャラクター原案:星野リリィ
キャラクターデザイン:西位輝実/川妻智美
アイコンデザイン:越阪部ワタル
色彩設計:辻田邦夫
アニメーション制作:ラパントラック

公式サイト:https://penguindrum-movie.jp


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