あの事件があって、ただ泣くだけだった日々が過ぎて、だんだんと無気力・無感動になって・・・アニメを『楽しむ』のが少し難しくなってしまったみたいです。きっと時間がたてば慣れるんだろうけど、それすら申し訳ない気持ちになってしまいます。
それと同時に自分にとって京都アニメーションの人たちが、どれだけ大切な存在だったか思い知りました。自分が深夜アニメを見るようになってから、いろんな素晴らしい作品と出会ったけど、京アニの作品群がその大きな柱だったんですよね。
一生の宝物にしたいような作品と出会えたことに感謝していたし、こんなスタジオが日本にあること、そして同じ時代を過ごせることを密かに誇りにすら感じていました。この先もずっとファンとして一緒に歩んでいける。それが当たり前のことだと思っていたのに。
だから、亡くなった方々を弔いたい、治療に苦しんでいる方々に祈りたい。そして京アニに対する感謝と応援をしたい・・・その気持ちをブログで表明したいと思って書いてみたけど・・・でも発表できなかった。
この事件をブログのコンテンツにしてしまうことの罪悪感、そして遅れてきた『いちファン』に過ぎない自分が何か表明することの意味がわからなかったから。(他のブロガーの方の記事を批判するものではないんです。自分で書いているとわからなくなってしまうということで)
このブログの最初の感想記事は
このブログを始めたきっかけは、京都アニメーションの映画『たまこラブストーリー』でした。
でも最初の感想記事は本編じゃなくて『予告編の感想』だったんです。これが本当に素敵な予告編で、何回も何回も見てしまって、この予告編に感動した!って言いたいがために、突き動かされるようにブログを立ち上げた気がします。今見るとホント稚拙な記事なんだけど・・・。
以前『ぎけん』さんのインタビュー記事にも書いたのですが、自分にとってアニメの感想ってスタッフの皆さんへのファンレターの意味合いが強いんですよね。絶賛する作品は特にそうです。
『本当に良かったです、ここが感動しました』って・・・その気持ちを伝えたい。もちろん気持ちが届いたかどうかなんてわからないんだけど、それでも伝えたい。
もしかしたら届くかもしれない・・・って微かな希望をもって。ボトルメールのようにネットの海に流していました。
追悼文に代えて
でも、あの事件からひと月近く経って、何だか無気力になってアニメ感想もツイートすらする気になれなくなって・・・。
そんな時『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』の新しい予告編を見ました。本当は見るのがちょっと怖かった。だから見たのは何日か経ってから。そして泣きました。素晴らしくってなんども何度も繰り返し見ました。すごいと思いました。
そして、追悼文に代えてこの予告編の感想を書きたいと思ったんです。というか書くべきだと思いました。『たまこラブストーリー』の予告編から始まったこのブログだもん。こんな素晴らしい予告編をみたなら、それこそが自分の役割だと思うし、書かなきゃおかしいと思ったんです。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』予告
わずか1分。でも予告編だからこそ味わえる贅沢がいっぱい詰まった作品です。映像、セリフ、楽曲、歌詞、スタッフクレジット、テキストの全てが一体となって一気に感情に流れ込んできます。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』予告
最初の静かな20秒で登場人物とあらすじを紹介。そして後半、爆発的な主題歌のサビにセリフを重ねて一気に感情を動かす構成。『たまこラブストーリー』予告編を思わせる、自分の大好きなタイプの予告編です。
中盤、鮮やかな青空に飛ぶ二羽の鳥。一気に音量を上げて前半の空気を一気に解放するような一瞬。そこに映える監督クレジットが本当に印象的ですよね。サビの部分に監督クレジットを入れるのも実は『たまこラブストーリー』予告編と同じなんですよね。これは本当にグッときます。
それにも増してすごいのがこの前後のつなぎ方なんですよ!直前にヴァイオレットが語る『手紙だと届けられるのです、普段言えない心の内も』というセリフ。それを受ける形で『編み続けた願いが届きますように』と聞こえる歌詞。
さらにその歌詞に重ねる形で『会いたい方はおりますが、会うことができませんので』と続くヴァイオレットのセリフ。二つのセリフを歌詞で橋渡しするような構成。これはすごくないですか?ここは本当感動しました。これはもう一つの作品ですよね。
そこから怒涛の『届かなくて良い手紙なんてねえからな』からの『ねぇーねぇ!』の叫び声のタイミング。あらゆるセリフと映像が歌詞とともに流れ込んできて、感情を一気にを高ぶらせます。そして極め付けは悠木碧さんの『郵便配達人が運ぶのは幸せだから』のセリフ。ここで涙が出てしまう。本当にすごいよね。
わずか1分弱の編集。90秒の『たまこラブストーリー』や『小鳥遊六花・改 中二病でも恋がしたい!』に比べてもものすごい凝縮感。一気に感情を持っていく予告編でした。
こういう楽曲とセリフの重ねる演出って予告編ならではの贅沢ですよね。『たまこラブストーリー』の山田監督なんて本編では特にキッチリ分けてくる感じなんですが、今回『エイミー』はED主題歌ということで藤田監督がどうエンディングを構成してくれるのかも注目しています。
でも、だからこそ素晴らしい予告編は本編とはまた別に評価したいんですよね。予告編の構成をした人のお名前もクレジットされると良いなぁって。
※上記歌詞引用:ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』ED主題歌「エイミー」 作詞:茅原実里
これが自分なりの弔い
先日発表された10名の方以外の消息は不明のままです。正直言って消息がわからない状態は苦しいです。でも、いちファンにすぎない自分には、公式な発表があるまでは待つだけです。
自分の何百倍もつらい思いをしているだろう関係者の方を思うと、なんでそんなことになるのか本当に悲しいし悔しい。
でも次の作品がどうして『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』なんだろうって・・・やっぱり思ってしまったんですよね。
大切な人の消息が分からず生きていく、そして奇しくも手紙を、思いを届ける仕事を通じて、現実を受け入れていく。そんな作品が次の作品になるなんて。この事件に意味なんて与えたくないけど・・・でも思ってしまう。
事件と作品を重ねるなと言われても、やっぱり今の自分には難しくって。だから、作品に感動しているのか、事件のことで泣いてるのか分からなくなる。実はそれが本当に怖かった。
だって、作品で感動して泣くなら、それはエンターテイメントとして消費している事なるんじゃないか?って。京アニの事件を消費するような行為はしたくない。割り切れないならもう京アニの作品は見られないじゃないか・・・・ってこのひと月悩んでました。
でも、この予告編を見て、たくさん泣いて、そして思い至りました。これが自分なりの『弔い』なんじゃないかって。京アニの人たちを思って流した涙も、作品に感動して流した涙も、自分が大切に思っているなら同じだって。自分の心に何かが届いたんだったら恥じる涙なんてない。
そして自分もまた、届かないかもしれないファンレターを書こうと思う。だから、そのきっかけを作ってくれたこの予告編に感謝したいんです。本当に。
いままでも、これからも。ありがとう。
そして京アニが踏み出す長い道のりの一歩一歩を応援していきたいです。
京都アニメーション 支援金口座(2019年12月27日(金)まで開設)
(現金振込より口座からの振込みの方が一般的に手数料が安くなることが多いです)
https://www.kyotoanimation.co.jp/information/?id=3075
京アニショップ!ダウンロード販売専用サイト
(216円から。小口の場合はこちらを購入するのも良いかもしれません)
https://kyoani.shop-pro.jp
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』公式サイト
http://www.violet-evergarden.jp/sidestory/
これまで書いた京アニ作品の感想です。新たに『京アニ』カテゴリを作りました。これまで17記事。自分の解釈の甘さで、今見ると変な感想もありますが、どの作品もすごく大切な思い出です。
katoさん、おはようございます。ご無沙汰しております。
返信削除京アニの事件があってから、1カ月余りが経ちました。
katoさんのツイートが気になり、かなり気を落とされていると思いました。それで、先日あのようなコメントをさしあげました。
katoさんにとって、京アニの存在が、とても大きなものだったんですね。
それから、このブログの始まりは『たまこラブストーリー』だったんですね。
私も『たまこまーけっと』を観て、京アニのことが、好きになってしまった口です。
なんか、仲良しな商店街の人達、学校の友人たちに囲まれている話は、いいなあと思いました。デラちゃんのナレーションの語り口は味がするし、21世紀の人情話、落語の世界
のような、親近感を覚えました(笑)
この1カ月余り、テレビのニュースやワイドショーも、SNSも断ち、静かな生活を送っております。katoさんが、おっしゃるように、私も、新作アニメを積極的に観る意欲がありません。ただ、京アニの過去の作品『Kanon』は今年に入ってから、少しずつ、観ているので、それは、続いております。
私なりの弔いは、文明の利器に頼らず、事件の経過を知ることでした。
私なりのスピード、速度で、『現実』を受け入れには、『新聞の記事の切り抜き』をすることでした。新聞は、瞬時に消えてしまわず、何度でも読み返せる。何よりも、衝撃的な映像と音声で心を痛めること(トラウマ)が、ないのが、私の好みに合ってます。
1カ月余り続けております。時間をかけているためか、気持ちの折り合いが、つき始めたところです。時間をかけて、自分の想像力使い、『現実』と向き合っています。
ですからね、消費してるなんてことに、悩まないで下さい。
今度、コメントするときは、『消費』についてお話したいと思います。
それから、映画『ヴァイオレット。エバヴァーガーデン 外伝』は、旅行先の映画館でも上映さる予定なので、時間待ちの時、観たいなと考えています
、監督の藤田さんは、『ユーフォニアム』シリーズの「大吉山の回(1期、2期)」と2期第一話の後半を演出された方です。
大吉山の時は、細かいカットをテンポよくつないだ映像が、印象的に心に残っております。今度も楽しみです。
それでは、どうか、時間がかかっ良いですから、自分の気持ちがどうなのか、かんがえてみてください。
また、おじゃまします。
↑ 誤字脱字、ばかりで、ごめんなさい!
削除Hidebow-Rainbo-Frawbow さん、コメントありがとうございます!
削除私も1ヶ月が過ぎて、だんだんと折り合いがつけられてきた気がします。でもそれ自体も複雑な気分なんですが・・・。
自分はSNS等をうまく断つことができずに心乱されることもありましたが、みんな色々な形で折り合いをつけようとしているんだな、とあえて傍観していました。SNSでは強い感情が溢れていて、まるで割れたガラスの破片のようでした。むやみに近づくのは危険ですね。Hidebow-Rainbo-Frawbow さんのように時間をかけて、じっくりと向き合うのは大切だと思います。
これまで『弔い』ということをこれほど考えたことはなかったかもしれません。事件後に京アニの八田社長が『弔い(葬い)』という言葉を使っているのを聞いたのですが、すごく印象に残ったのを覚えています。家族ほど近い存在ではないからこそ、逆に弔いという感覚がしっくりきたのかもしれませんね。
Hidebow-Rainbo-Frawbow さんも『たまこまーけっと』に心動かされたんですね。あの作品はほんと不思議な魅力のある作品でしたね。当時は絶賛というより案外懐疑的な見方が多かった気がします。確かに、なんか起きそうで起きない、かといって日常系のようでちょっと違う。そんなつかみ所のなさがある作品でしたが、当時の自分にはすごく魅力のある作品でした。
藤田さんのユーフォの演出。『おまつりトライアングル』ですよね。あの回はほんとすごかったですね。ユーフォ1期で一番好きでした。すごくエモーショナルな演出で、今回の外伝もどのような感じになるのか、すごく楽しみですね。
最近はTVアニメも見ることができるようになりましたが、逆に京アニ作品は近づけませんでした。だからヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝が、久しぶりの京アニ作品です。この記事を書いて気持ちを変えていこううと思ったのですが、なかなか簡単にはかわりませんね。行ったり来たりという感じで。自分も時間をかけて向き合っていきたいです。
読んでいただき、ありがとうございました。またお気軽にお越し下さい。