傷物語 III 冷血篇 感想:羽川さん視点の超偏った感想です♪

2017/01/08

アニメ

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傷物語』の3部作の最終章となる『冷血篇』を映画館で見てきました!

傷物語 III 冷血篇 本予告より画像引用
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 © 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 初見の正直な感想を一言で言えば・・・『もう一回見させて!』です(笑)『お前さぁ、あのシーン見たいだけだろ!』って言われそうですけどね。まあそりゃ確かに何度でも見たいですよ!

 いやいや、でも、それだけじゃなくって・・・確かにあのシーンはあまりにも刺激的だったんでね、自分は羽川さんファンなので、だからちょっと動揺してしまってですね・・・冷静に作品を見れてない感じがするんですよね。

 ただ、少し落ち着いて考えてみると、あのシーンはただ刺激的なだけのシーンじゃない気がするんですよね。原作未見な自分にとっては、阿良々木君と羽川さんの今後の関係を再定義してくれるような、まさにこれまでのシリーズをもう一度見直したくなるような作品でした。

ネタバレありのレビューとなりますのでご注意ください。
※羽川翼ファン目線の非常に偏った考察です。
関連記事 2作目を見に行った感想です。

初見ではちょっと刺激が強すぎて・・・動揺を隠せない


 いやぁ、しかし巨大スクリーンを前に知らないファン同士でセクシーシーンを見るというのもね・・・1部と2部もアレだったので、さすがにね、そろそろ慣れてきたなぁ・・・なんて思ったんだけど甘かった!

 まあ、よく考えたら、1、2ステップで来て3はジャンプだよなあって。原作未見なんで、どうなるのか?ってわからないわけなんですよ。だから、予想以上にレベルアップしちゃってて・・・思わず声出ちゃいましたね。よくまあPG12(同伴保護者の助言が必要)で収まったもんですね。

傷物語 〈Ⅲ冷血篇〉 本予告(アニプレックス公式配信)

 そういえば女性のお客さんも結構来てましたけど、もし隣だったら落ち着かなかったろうなぁ。幸い隣はガチオタな感じの人で安心したけど。この作品をカップルで見に来るのはかなりハードル高そう(笑)2部の時でもカップルの人は気まずそうだったけど格段にレベルアップしてるもんね。

※次項よりネタバレPG12となります


一番感銘を受けたところは・・・


 まあやっぱり『あのシーン』つまり、羽川さんと阿良々木君の倉庫のシーンですよね。あのシーンは本当にビックリだらけだったんですよね。

 前回の予告の『羽川さんのセリフ』でこういうシーンがありそうなのは当然わかってはいたわけですよ。でも、もっとこう、さらっとオマケ的に来るのかなぁと思ったら、あんなに踏み込んで長い時間かけてやるとは思ってなくて・・・悶絶寸前でしたね

 それにしても、あのシーンで一番驚いたというか衝撃的だったのは、阿良々木君の要求に対して、羽川さんが別に頼まれもしないのにわざわざ一旦外してから、改めて着直してくれるってね・・・(笑)

羽川さんの衝撃のシーン
予想外に何重にも踏み込んだ衝撃に動揺を隠せなかった
 © 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 ホントここのシーンは度肝を抜かれたというか『そこまでするのか!』っていう驚きですよね。羽川さんの阿良々木君に対する態度はいつもそうなんだよね。期待する以上の献身をしてくれる。常識で考えたらたら今回だって何もせず服の上から『はいどうぞ』ってなもんだよね。それだってものすごいサービスじゃないですか。

 でも『阿良々木君が感じるかもしれない不満』を先回りして対処をする配慮、しかも見せるわけでもなくて、一旦また微妙に着直してくれるという二重の配慮ね。(ココ重要)阿良々木君に対するお膳立てがすごすぎます。

 これを当たり前のようにやってくれる。この完璧さ、いや『完璧すぎる献身性』が本当に羽川翼というキャラクターの特徴を表現していると思うんですよね。

 だから、このシーンはつい観客への『サービスシーン』みたいに感じちゃうかもしれないけど、羽川さんの人間性の象徴のようなシーンだよなぁって思いました。

脳がオーバーヒートしていくような


 だから羽川さんが阿良々木君に対して言った、自分を『食べて良いよ』という言葉は紛れもなく本気だし、もしもそういう状況になったとしても、彼女だったら阿良々木君が食べやすいように想像もつかないような配慮をしてくれるかもしれない。なんかそんな、底知れない献身性を感じるシーンでした。

 それにしても、阿良々木君のサディステックな部分を引き出してしまう所ね。 この突然ノリノリになっちゃってるところはホント面白くて思わず声出ちゃいましたね。阿良々木君と自分の脳がシンクロしてオーバーヒートしていくような異様な感覚には痺れました(笑)

羽川さんが街を周りを徘徊するシーン
やはり阿良々木君からの電話を待っていたのか
彼女の無表情さは何を意味するのだろう
明るい未来が見えないことに対する予感だろうか
 © 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 羽川さんが発した阿良々木君の嗜虐心を刺激する言動の数々・・・このシーンだけじゃないですけど、観客である自分たちも知ってるわけじゃないですか。今回のシーンはまさにその頂点であり原点なんですよね。

 春休みの時点でこの頂点があったことを知ると、この後に起こるストーリーもまた見えかたが違ってくるなぁと思いました。

 でも羽川さんって頭いいからこういう状況も全て予感してたのかな・・・電話番号は入れ直しておいて、廃墟の周りをウロウロ歩いて。きっと自分は呼ばれるかもしれないと思ってたんだよね。もしかしたら阿良々木君の命に関わるようなことになって、そのために自分にできることがあるかもしれないって。

 小賢しいって意味じゃなくて、それが自然体というか、全然無理して頑張ってるわけじゃないんですよね。それが彼女の自分らしさ。だからこそ、その自分らしさと現実の乖離が自分を苦しめることにつながっていくんだけど・・・ああ、なんかもう一度『猫物語』を見直したくなりました!

弱っている者は誰だったか・・・


 まあ、献身性って意味では阿良々木君も相当献身性は高いですよね。今回のキスショットに限った話じゃないけど、確かに阿良々木君の献身性は『弱っているもの』に対する献身性なのかもしれない。

 だとすると阿良々木君にとって羽川さんは弱いものではないのだろうか。確かに羽川さんはなんでも自分でできるし(後に大変なことになったけど)本当の所では弱みは見せないというか。

今回たしかに阿良々木君は羽川さんに助けられた。
でも本当は羽川さんも彼を必要とする弱い存在だったのに。
 © 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 後に戦場ヶ原さんを選んだ理由はいくつもあるんだろうけど、この最初の羽川さんとの出会いが原因の一つなんだろうか。阿良々木君が羽川さんを『助ける』立場でなくて『助けてもらう』立場だったから。スタートでボタンの掛け違いになってしまったのかな。

 その後、確かに戦場ヶ原さんは助けられる立場でもなくなったし、逆に阿良々木君が羽川さんを助けることもあったけど、恋愛が進行してしまった以上は、もうそういうことじゃなかったのかもしれない。

 それって本当に残酷な話だなぁ。自分はこの物語シリーズは(いろんなエピソードがあるけど)総じて羽川さんの残酷物語だと思ってしまうんですよね。どう観ても最後は羽川さんがかわいそうで仕方ない気分になってしまう。この切なさを味わう物語なのかもしれないとすら思ってしまいます。

もし揉んでいたら・・・紙一重の残酷物語の始まり


 自分の解釈は違うのかもしれないけど、どうしてもそう思ってしまうのは仕方ないわけで(そういう人ってどのくらいいるのかな)そういう意味でも、この冷血篇って羽川ファンにとって幸せであると同時につらい作品

 前回の本当に幸せそうな羽川さんも辛かったけど、今回、もう本当にそれこそ薄皮一枚のところまで阿良々木君に手がかかったのに叶えられなかった望み。

 もしここで阿良々木君が羽川さんの胸に触れていたら・・・きっと阿良々木君は羽川さんと付き合っていた気がする。それはきっと『契り』だから、阿良々木君の性格上もう裏切ることはできなかったはず。

 そしてどちらを選んでも阿良々木君は幸せになれたはず。自分はどちらも正しい選択だと考える立場なんだけど、だからこそ一層辛いなと思うんですよね。この傷物語のストーリーを知ってしまうと、羽川さんの深い闇が一層深く感じられます。

 羽川さんの話ばっかかよ!って言われそうなので、この辺にしてその他の良かったところの感想も・・・。

キスショットのことも


 まあ、散々羽川さんの話ばっかり書きましたけど、本作の肝心のキャラクターはキスショットですよね。(笑)

 いや、実は最初のシーンでキスショットの心臓を使って取引でもするのかなぁ?と思ったんですよ。結局の所、心臓はあっさり渡しちゃうし、その後も心臓の話は出ないのでちょっとビックリしました。しかし忍野メメはどうやって心臓を盗んだんでしょうね。その辺は伏線になってるんだろうか。

このシーンは鑑賞の前後で全然印象が変わってくる
シリーズ全編の忍の印象も大きく変わる作品だった
 © 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 初見では、前半のキスショットとの楽しそうな会話のシーンは2部の羽川さんとのシーンを彷彿とさせて不思議な気分になりました。でも鑑賞後のキスショットへの印象は全然変わってしまいますよね。

 まあ最初から死にたかったってね・・・それを知った上で、冒頭のキスショットとの会話シーンを思い出すと物悲しいというか、キスショットの心の内が見えてなんだか切ないですね。
 
 それ以上に、これまで見ていたシリーズの忍の印象が自分の中で大きくアップデートされてしまいました。ここももう一度見たい理由なんですよね。決して羽川さんだけじゃないですよ(笑)

鑑賞後の疑問点


 あと、キスショットといえば、鑑賞後に結構疑問点が残ってるんですよね。自分も物語シリーズを熟知しているとは言えないので・・・他のシリーズにあるのかもしれませんが。

  • 疑問点1 忍がドーナッツ食べるようになった理由
  • 疑問点2 なぜギロチンカッター(だっけ?)は戻ってきたのか 
  • 疑問点3 一人目の眷属はどうやって自殺したのか?
  • 疑問点4 一人目の眷属がでてくる映像の意味

 まあ、1のドーナツは別のシリーズで描かれてたのかな?なんか今回種明かしがあるのかと思ってたので・・・。

 2のキスショットに喰われちゃう人間、確かギロチンカッターが戻ってきたから?だった気がしたんですが、なんで戻ってきたんだろう。この辺は原作に書いてあるんだろうか。

 3と4は一人目の眷属のことだけど、あの辺は重要なポイントそうですよね。時折でてくる武者の映像とか意味深なんだけど、いまいちちゃんと読み取れなかった感じ。もしかして、ギロチンカッターとなんか関係があるのかなぁ?と思ったりしたけど・・・気のせいかな?その辺ももう一度見たり、原作読んだりして確認したい所ですね。

劇画調、萌え調、漫画調、3つの描き方の羽川さん


 あと注目点は、羽川さんの絵描き方の違いですね。(また羽川さんに戻ってるし)今回は特にコミック風のデフォルメした羽川さんが多く描かれてた気がします。

 例の倉庫のシーンでは、前半はちょっと劇画タッチの固い描き方、中盤は萌えっ気たっぷりの可愛い描き方、そしてデフォルメした漫画調の描き方って、結構大胆に変化しててびっくりしました。

 でも意外と違和感ないというか、いい意味での違和感というか・・・とにかく好きなのでもう一度見たいですね。売店のポストカードセットも、その3種類を別セットで販売してくれたら全部買うのに!シーン少なすぎるよね。

最後に、劇場版三部作にしてくれてありがとう!


 この作品はTVシリーズでやるべきとか、1本に纏めた方が良いとかって批判があるけど、自分はそうは思わないんですよね。時間をかけてたっぷり三部作にしてくれて本当に感謝しています。

 まあ確かに1作目を見たときはそう思わなくもなかったけど(笑)2作目の素晴らしさはTVシリーズではうまく表現できない気がするし三部作ならではですよね。2作目の評価ってのは結構分かれている気がしますが、自分は2作目が神作だと思う立場なので、この劇場版三部作は大賛成でした。

ああ、これでようやく原作も読めますよ!今回も映画見てるときに、思わず笑っちゃうシーンとかあって、でも周りの人あんまり笑わないんですよね。やっぱり、みんな原作読んでてセリフまでわかってるからかなぁ・・・って。

 ニワカだと思われるのちょっと恥ずかしいので我慢しちゃうんですけどね。でも今作はつい声が出ちゃうシーンが多くて・・・2度目はもう安心して集中できますね。

 とにかく、もう一度、いや何度も見たい作品でした。あくまで超個人的な意見ですけどね。2度目以降の感想もまた追記したいと思います!
関連記事 2作目を見に行った感想も書きました。
関連記事 1作目 鉄血篇の感想はこちら。
傷物語 Ⅰ 鉄血篇 感想 :劇場作品としての気合を感じた!  - アニメとスピーカーと
原作:西尾維新
総監督:新房昭之/監督:尾石達也
キャラクターデザイン:渡辺明夫 守岡英行
音響監督:鶴岡陽太/音楽:神前 暁
アニメーション制作:シャフト

傷物語 公式サイト
http://www.kizumonogatari-movie.com

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