※ラブライブ!全体を通じた感想・考察記事です。
リアリティという縛りから自由になった美しい映像表現 劇場版で理想のアイドル像が完成された ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより (当ブログの画像引用について) |
ここまで心に響く理由・・・それは『ラブライブ!』という作品がアイドルの持つ偶像部分のみを分離し、現実の枷から飛び立つ事が出来たから。現実に囚われない理想のアイドル像を実現できたからだと思います。
『ラブライブ!』というコンテンツがμ'sの解散という形で一つの区切りを迎えようとする今、この作品が何を成し遂げ、私たちに何をもたらしたのか振り返ってみました。
ラブライブ!に至るまで・・・
2009年に放映された『けいおん!』によって広く支持された『声優が歌う音楽アニメ』の流れは、その後2011年放映のアニメ版『THE IDOLM@STER』(アイマス)によって『アイドルアニメ』というジャンルが確立されるに至りました。
アイマスは架空のアイドルであっても、現実のアイドル以上に支持される事を証明した非常に優れた作品です。
アニメ版 THE IDOLM@STER (amazonリンク) |
アイマスは出自がアイドル育成ゲームという事もあり、アニメらしい表現をつかいながらも、現実離れしないように配慮されていました。スタッフ・ファン・メンバーの競争まで描写する。それは、あくまで現実のアイドルという枠組みをベースにしたドラマ作品だったからです。
2013年、そこへ発表されたのが『ラブライブ!』という作品でした。架空のアイドルをつくるメディアミックス・プロジェクト
※『出自』は分離した作品と誤解させるとの指摘があったので訂正いたしました。
現実から解き放たれたラブライブ!という作品
当時、多くの人がアイドルアニメといえばアイマスのようなものをイメージするなか、京極監督はおそらく気づいていたんだと思います。『アイドルアニメはもっと自由になれる』という事に。
『ラブライブ!』のTV放送一回目。多くの視聴者の度肝を抜いた突然のミュージカル演出。これによって本作がダンスと楽曲のコラボレーションに重点を置いた作品である事を宣言しました。
TV第1話の突然のライブシーン この作品の方向性をはっきりと宣言する演出だった ©2013プロジェクトラブライブ!/ラブライブ!1話より |
その特異にも見える現実離れした演出は回を重ねるごとに深まり視聴者を戸惑わせます。しかし秀逸なストーリー構成は私たちの心を掴み、いつしか違和感を感じなくなっていきました・・・ここに、現実のアイドルという枷が外れた『ラブライブ!』という作品がひとつの完成を見たのだと思います。
劇場版でみせた さらなる高み
しかしそれは通過点に過ぎませんでした。2015年公開の劇場版『ラブライブ!The School Idle Movie』では、突如として挿入される学年別ライブパートがまさにミュージカルそのもの・・・いや、むしろ現実のミュージカルでは実現できないような過激な演出を披露します。
夢とも現実ともつかない構成は、TVシリーズで慣れていたはずの観客ですら驚愕させ、私たちにより一段の高みへ登るように促します。
TVシリーズよりさらに過激になった演出は ラストライブへの階段にすぎなかった ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより |
完成された超現実的表現
そして辿り着いたその先に見たラストライブの光景・・・そこにあったのは現実世界への配慮は微塵も感じさせない背景描写。美しさを最優先にしたカットとカメラワーク。すべてが超現実的表現・・・まさに神々しいまでに純化されたアイドル像がありました。
この映像が映画館のスクリーン一杯に映し出された時 自分のつまらない常識も消えて無くなった ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより |
現時点での最高の技術で実現された究極のアイドル表現・・・それを見た時、誰もが心を動かされずにはいられなかったのです。
ラブライブ!がもたらしたもの
実のところ、自分はアイドル自体にあまり興味がなかったし、ましてアニメのアイドルなんて実体のない幻想に熱狂するなんて考えられませんでした。
だからTV版『ラブライブ!』では、いい歳してアイドルアニメなんて・・・という自分の常識に『ストーリーが意外と面白いから見ているんだ・・・』と言い訳していました。ちょっと後ろめたい気持ちで。
ラブライブ!の美しさは映像技術の力にも裏打ちされている 3Dと2Dの融合は劇場版において驚きの完成度を見た ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより |
でも、そんなくだらない常識を吹き飛ばしてくれたラストライブのシーン。今なら誰憚ることなく断言できます。
『ラブライブ!』は美しい・・・と
実体がなく抽象化したからこそ表現できるものがある。劇中の『飛べるよ』というセリフは、まさにこの作品自体に向けられた言葉のように思えてなりません。
現実のアイドルという縛りから飛び立った時、アニメーションはここまでの表現ができるという事を教えてくれました。アニメーションの可能性がさらに一歩広がった事を実感できたのです。
こんな瞬間に立ち会えた幸運に感謝するとともに、京極監督はじめ、こんな素敵な作品を作り上げてくれた皆さんに最大限の賛辞を送りたいです!本当にありがとう!
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劇場版Blu-rayは特装版の中古がお買い得ですね
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はじめまして、twitterの方からきましたー。
返信削除記事で書かれてる通りですが、映画版のミュージカル部分は本当に素晴らしく、ラストの僕たちはひとつの光は映画館という効果も相まって、その世界への没入感は凄かったですよね!
本当ラブライブという作品に出会えて良かったと思います!
るるひらさん、コメントありがとうございます!また今日『μ’s Live in Theater』行ってきて、改めて楽しんできました。やっぱり何度も見たくなるのって、ライブやミュージカルシーンの力が大きいなぁと思いました。ほんと食い入るように見てしまうので、終了後にかなり消耗してしまいますが。
削除Twitterのほうもフォロバありがとうございました!
なんてこった!どうも毎度匿名です。久しぶりにあなたのこのブログを覗いてみると、なんと!ラブライブ!について書いているじゃァないか!
返信削除私の不覚!ラブライブ!談義に関して私抜きなんて有り得ない!私は涼宮ハルヒの憂鬱、きんいろモザイク、の感想ブログで一番に感想を書いた匿名です。
いやー、「萌え」の上を行くものが「尊い」ということを知っている人が私以外にもいるとは!つくづく合いますねぇ!
ラブライブ!は可愛いけどきゃぴきゃぴしてて俺に合うアニメじゃねぇんだろうなー。所詮アイドルアニメなんて大したことねぇだろ。
.... 殴りたい!ラブライブ!を見る前にそう思っていた私を殴りたい!ラブライブ!ほど青春だ!って思えるアニメは無いです。曲もストーリーも全てが最高!どうすれば分からなくなったり、何もかもに嫌になった時にラブライブ!のストーリーや歌を思い出すと本当に元気が貰えるんですよ。心を強く打たれるんですよね。好みは人それぞれとはいえ、このアニメは私達が常日頃欲してるエネルギーを与えてくれます。それは、夢を掴む、追いかける勇気だったり、飛び立つ勇気だったり、変わることを恐れない勇気だったりです。神曲、神アニメ、永遠の9人の女神です。
μ'sic Forever♪♪♪♪ですよ。私たちにとってラブライブ!は永遠です。
このアニメはアニメではない。もはや聖典の域に達していると思っています。製作者側の力の入れ具合が凄く伝わってくるんですよね。作画が決していいと言うわけではなかった一期ですらとても応援したくなりました。
多分ラブライブ!はいろんな人に愛され、支えられ、ファンの皆さんと一緒に成長し続けてきた聖典だと思います。声優さんのライブもとても成長が感じられますし、アニメの方も様々な演出や作画でとても成長が感じられます。もちろんμ'sの皆も成長しています。
過去を振り返って、「昔はよかった」なんて言いません。
なぜなら いまが最高! ですからね!
お久しぶりです!その節はコメントありがとうございました。
削除匿名さんも『ラブライブ!』が食わず嫌い的な感じだったんですね(笑)自分も全く同じで『さすがにアイドルアニメとかは無いな・・・』なんて思ってた時代がありました(わずか数年前ですが)
自分が深夜アニメにちょうど慣れてきた時期に『ラブライブ!』に出会えたのは本当に幸運だったなぁと思いますね。この作品を素直に受け止めるにはそれなりの準備が必要ですからね。
自分も今でもμ'sの曲は日常的に聞いてます。世の中のラブライバーに比べればライト層だと思いますが、自分にとっても大事な作品ですね。決して一時の流行ではないものを心に残してくれた作品です。
だから匿名さんのすごく熱いコメントも全然大げさに感じないし、すごく伝わりました。この気持ちは伝わらない人たちには言っても理解されないですからね。(特に自分は世代的にアニメから離れている人が多いので)だからこう言う場で共有できて嬉しいです。
自分レベルのファンがこういう記事を書くのは僭越な感じがして正直ビビってたのですが(コメントあると気づいて『クレームか?』と焦りました(笑))すごく嬉しいコメントで、書いて良かったという気持ちになりました。ありがとうございました!