アニメブログの画像引用で違法と言われない著作権法のポイント

2015/05/02

アニメ 著作権

t f B! P L

 このブログでもアニメの感想・批評・レビューなどで画像の引用をしています。
アニメの感想ブログで画像の引用をしたいんだけど、グレーゾーンはイヤだなぁと二の足を踏んでいる人もいるかもしれません。でも、そもそも違法の基準って何でしょう。(更新の詳細は文末で通知)



 ちなみに『アニメ・画像・引用』で検索すると、結構誤解した意見が見られます。

よくある疑問は次のようなものです。
  • 引用するのに権利者の許可を得る必要がある? 
  • 営利目的では引用できないのでは? 
  • 引用禁止との表示は有効? 
  • そもそも引用と無断転載の違いは? 
  • 引用でもキャプチャー画像は使ってはダメ? 
  • アニメはネットにアップしてはダメと書いてあるけど?

 正しい引用の認識を持って自ら不法行為をしないように、それと同時に不当な批判やパクリブログに対してしっかり反論できるようにしたいですね。

 違法とかグレーゾーンなどと言われない画像引用はどう考えれば良いのか?このブログの引用方針の説明も兼ねてまとめてみました。

【目次】

 ここにあるものはすべて文化庁のホームページに準じてに記載しています。(詳しくはそちらを読んでください)主にアニメの画像引用を中心に書きます。

 ※法律の解釈は人それぞれですが、本稿は判例・文化庁の見解をベースにしています。ただし、最終的な解釈は司法の判断となり私もそれに従うものです。将来の変更の可能性もありますのでご了承ください。本稿はなんら推奨・保障する物ではありません。各自確認の上、自己責任でお願いします。
※かなり長文です。

最初に3行でまとめると・・・


 どうしても長文になってしまうので、まずは要点を3行でまとめました。詳しくは本文を読んでみてください。

  1. 引用』と『転載・転用・盗用』は違うもの
  2. 引用』なら権利者の許可無く営利・非営利関係なく利用できる
  3. 引用』には7つの要件があり、すべてに合致していないと引用にならない

引用と無断転載の違いは『引用の要件』に合致しているかどうか。


 法律論に入る前に要点から説明します。まず引用と無断転載の違い。非常に単純な話です。引用に該当するのは下の表の一番左だけ。引用の基準に該当するか、しないかの違いです。

著作物の利用分類
引用の要件に
該当する
引用の要件に該当しない
引用転載無断転載(盗用)
合法合法グレー違法
著作権者の
許諾不要
著作者の
許諾有り
著作権者が訴える
つもりが無い
著作権者が訴える
(訴えたい)
※広義の『転載』では引用を含める場合もあります。

 つまり、引用の基準に外れる物は『引用』ではありません。(いわゆる無断転載)
『引用の要件』に合致していれば、著作権者の許諾は必要ありません。堂々と合法的に画像を掲載できます。

 それでは『引用の要件』とはなんでしょうか。

※グレーだから絶対悪といいたい訳ではありません。

引用に該当する要件とは?


 『引用』には根拠になる条文があります。根拠法は『著作権法32条1項』です。

第三十二条  公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

 この法律の『引用』に該当するかの要件は、文化庁のガイドラインによると下記の通りです。(判例などをまとめたものです)

[1]引用する資料等は既に公表されているものであること、
[2]「公正な慣行」に合致すること、
[3]報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること、
[4]引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること、
[5]カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること、
[6]引用を行う必然性があること、
[7]出所の明示が必要なこと
文化庁 著作権なるほど質問箱0000581) より
上記の基準に該当していれば引用と考える事が出来ます。

 ※上記ページを読むとわかりますが、そのものズバリで、文書の他、美術作品やそれが写っている写真においても同様であると記載されています。

基準を具体的に当てはめて見る


この文化庁のガイドライン[1]〜[7]をアニメの感想ブログに当てはめてみます。

[1]から[3]までは法律の文言通りなので、まとめて見てみます。

1『引用する資料等は既に公表されているものであること

 公開されているアニメですから問題ありませんね。

2『「公正な慣行」に合致すること
3『報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること

 抽象的なので分かりにくいですね。でも、これも同じく文化庁のページに解説があります。簡単に言えば4以降の基準を満たしているか?という事です。

この法律の要件の中に、「公正な慣行に合致」や「引用の目的上正当な範囲内」のような要件があるのですが、最高裁判決(写真パロディ事件第1次上告審 昭和55.3.28)を含む多数の判例によって、広く受け入れられている実務的な判断基準が示されています。例えば、[1]主従関係:引用する側とされる側の双方は、質的量的に主従の関係であること [2]明瞭区分性:両者が明確に区分されていること [3]必然性:なぜ、それを引用しなければならないのかの必然性が該当します。文化庁 著作権なるほど質問箱 0000304)より

 『引用』を論文作成で利用した人の中には、学術論文のみに適用されると誤解される方もいます。しかし、娯楽目的の週刊誌などにも引用は普通に使われています。また、論文での引用は各分野による細かな慣例がありますが、著作権法上は上記の基準を満たしていれば十分です。

 アニメの感想を除外とする様な判例を私は知りません。でも、ここはさほど重要ではありません。次の4以降の基準をすべて満たさないと『引用』にはならないからです。肝心なのは次の[4]〜[7]の4項目です。

あくまで自分の著作物の補強として使うこと!


4『引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること

 引用する画像が『従』であり『主』になっていてはいけません。具体的には・・・・。

× 画像が羅列するだけのページ

 これは当然ダメです。画像がメインになっています。

× アニメの内容を時系列に並べただけのページ

 たとえ文章が沢山あっても番組のを書いただけで、紙芝居の様にすべて見せてしまうページは自分の著作物が主であるとは言えません。

× 一言だけコメントが書いてある

 これでは『主従関係が明確』であるとは言えません。あくまで引用は、自分の著作物の補強に利用する物です。画像が主であるように見えてはいけません
 しかし、文章の量が少ないというだけで一概にダメという意味ではありません。文章が主たる内容であるという意味です。

・長い自分の文章に数点画像が引用している

 これは、『主従関係が明確』と言えると思います。しかし、画像の枚数だけでは一概に判断できません。後で説明する『必然性』によるからです。

 ちなみに、当ブログでは1エントリー1,500から3,000文字で画像3〜4枚くらいが普通です。
(参考例)劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 予告編 感想:これは、す、すごい期待できるぞ! 【本文部分(約2192文字)に引用画像3枚】

引用と分かるようにレイアウトする


5『カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること

 画像の場合は本文とは明らかに違いますので引用を明確にしやすいです。センタリングをしたり、ワクで囲ったりなど本文から少し分けます。

 当ブログでは、上下にスペースをあけてセンタリング、画像ごとにキャプションで引用画像である事を明示しています。

(C)アニメとスピーカーと・kato19/アニメとスピーカーとより引用(例)

 ブログにある『引用機能』で文字と一緒にわけても良いかもしれません。

画像引用する『理由』が肝心、分量は適正に。


6『引用を行う必然性があること

 引用するからには当然理由があるはずです。画像を貼ってPV稼ぎをしたいなんて理由じゃないですよね。

・画像があればもっとわかりやすく説明できる。
・説明する箇所の画像を示しながら説明したい。

という切実な理由ですよね!

× 言及があるものの、言及部分に比べて画像が多すぎる。

 量が多すぎると『引用を行う必然性』が低くなるので必要な範囲に留めます。その範囲は引用者の主観によりますが、普通は一つの言及箇所について1枚程度で十分なはずです。
 一般に著作物の引用は(中略)引用の要件を充たす限りにおいて、引用著作物の著者が必要と考える範囲で行うことができるものであり(中略)要件に加えて引用が必要最小限度のものであることまで要求されるものではな い。
 脱ゴーマニズム宣言事件(東京地裁平成11年8月31日)判決文より

 あくまで主たる文章の補強として必要だから利用するのであって、画像を見せるのが目的にならないように注意します。

× 雰囲気に合っているから
× 飾り/アイキャッチとして

 このように本文と直接関係ない画像では必然性が著しく低くなります。一概には言えませんがホワイトを目指す人は避けたい所です。

 当ブログでは本文で言及したシーンについて引用する事が多いです。文字だけでシーンの説明をしても非常に分かりにくいからです。本文以外にも画像のキャプションで併せて言及する事もあります。

 また、特定の登場人物について詳しく言及するときに、その登場人物の映っているシーンを引用する事もあります。読み手にとって、どんな人物の話をしているのかイメージしやすいからです。
(参考例)『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ DC』の感想:素晴らしい予告編と無理ゲーの本編 【本文部分(約2501文字)に引用画像2枚(どちらも人物画像の引用)】

 ほかに、作品全体を取り上げる場合はタイトル画像や、象徴的なシーンを引用する事もあります。

権利者の表示は必須!出典とは違います。


7『出所の明示が必要なこと

 最後の基準です。誰が著作権者かを明示します。『出所の明示』とは単に出典を記載すればいいとは限りません。著作者名の表示がされている必要があります。これをしていない人が結構いる気がします。

 法律上は、権利者を記載しなくても『著作者名が明らかになる場合』は出典表示でも可能とありますが、明確に合法なのは著作者名の表示ですのでこちらをお勧めします。
第四十八条  2  前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。(著作権法48条2項)

 著作権者の調べ方ですが、簡単なのはアニメのホームページを見ます。普通は下の方に・・・

(C)作者氏名/OX出版/OX製作委員会

と言った感じで表示されています。これがいわゆる権利者(著作権者)です。(※下記)

 テキストならそのままコピーします。それを画像の説明(キャプション)に記載します。出来るだけそれぞれの画像に付けるのが望ましいと思います。
× 出典と称してYouTubeとしか記載していない

× 画像を掲載している他ブログ(権利者ではない)の名前のみ

△ 公式サイトへのURLのみ、若しくはリンクのみ

○ 作品名など著作者がすぐわかる表示(〜より引用)

◎ (C)表示のある公式の著作権表示
YouTubeだけでは権利者が誰だかわかりません。出所の表示という言葉から勘違いしやすいですが、画像をもらった無関係のサイト名を表示してもダメです。あくまで権利者が誰か?が重要です。

 公式サイトのURLについては判例が無いようですが明示としては弱いと思います。確実なのは著作権者の表示です。著作者名があれば出典は省略できます。

 もちろん、著作権者と合わせて出典表示するのは問題ありません。アニメ動画をキャプチャ(撮影)する場合、作品名、公式動画、TV放映・BD/DVDなど、どこからの出典かを併せて記載する事はむしろ推奨されると思います。

※ 注意 『© コピーライトマーク』には正式許諾などの特別な意味はありません。単なるCopyright(著作権)の省略記号です。
(追記)© マークの有無についてコメントの質問をもとに詳しい記事を書きました。『引用の出所の明示に©を使うことに問題がありますか?という質問について

基準はごく常識的な話


 以上が基準に合致しているかどうかの7つのポイントでした。

 これだけ見ると、ごく常識的な話ですね。明らかな無断転載ブログは弾かれますが、真面目にアニメの話をしているブログにとっては、たいしたハードルではないと思います。

 それでは次に、具体的な画像引用の方法について考えてみます。

映像のキャプチャー(撮影)はOKなのか


 引用する画像は版権元から借りてくると思っている人もいるようですが違います。それはプロモーション用の使用許諾と混同した考え方です。引用の場合は当然自前で用意します。

動画の引用画像は自前でキャプチャー(撮影)して用意するのが原則。
もちろん違法手段でのキャプチャーは推奨されません。

 自前とは、キャプチャー撮影という事です。アニメ動画のキャプチャー(撮影)は、美術作品を引用する際に写真撮影するのと同じ考え方です。(文化庁 著作権なるほど質問箱0000581))

  • 公式配信の動画
     Youtubeなどに著作権者が直接アップしている場合もありますが、レコード会社などがプロモーション用の権利でアップしている物もあります。
     表示義務があるのは権利者ですので、動画の説明欄に(C)として表示されている権利者を記載します。併せて、出典元としてレコード会社などの配信元も表示してもかまいません。
     有料配信サイトの場合も、あくまで権利者は配信サイトではなくアニメ著作者ですので注意します。画像はPC上でスクリーンショットなどでキャプチャーします。有料配信のキャプチャについての考え方については続編を書きました。『画像引用の疑問点:有料配信動画のスクリーンショットを引用できるか?

  • TV放映BD/DVD
     アニメのホームページなどから(C)と付いた権利者を探して表示します。併せて、出典元としてTV放映/BD/DVDなどと表示するのが望ましいと思います。
     画像をキャプチャーする場合は、コピーガードなどを回避すると別の問題が発生する可能性があります(著作権法第30条第1項第2号)ので私は推奨しません。 
     私の場合はTV画面を直接カメラ撮影します。綺麗な画質を得るにはちょっと面倒ですが、上記の問題はクリアできます。

画像の改変は禁止!大きさは?


 キャプチャした画像を縮小するだけで『改変』と考える向きもあるようですが、ブログにおける現実的な適正サイズというのもあります。合理的な理由での縮小は認められています。(著作権法20条2項4号

 それに引用の必要性に対して大きすぎる画像も問題です。美術作品の引用では、独立して鑑賞性の高いものは引用にならないという裁判例もあります。(藤田嗣治絵画複製事件

 このブログでは、必要以上に大きくせず最小限の大きさにとどめています。アニメ画像は横幅480ドット以下に縮小しています。

 もちろん、画像には縮小以外の改変はしてはいけません。(著作権法20条1項)一部を拡大するトリミングも避けましょう。文字は欄外にキャプションとして付けます。

引用画像のサイズは適度に縮小。一部拡大・トリミングは不可。
モザイクなどの改変も不可。文字は欄外にキャプションとして記載します。


無断アップされた動画・画像は引用として使える?


 違法動画からの引用は問題あるでしょうか。また、別のブログでアップしている画像を引用する事は?

 著作権者の明示をしてしまえば、正直どこからの物かを判別するのは現実的には難しいです。仮に違法動画からのキャプチャだとしても『引用基準』に合致していれば『引用』かもしれません。

 しかし私のブログでは、無断アップロード他人のキャプチャした画像は使用していません。すべて『公式動画』か『自分で録画したTV』『販売・レンタルのBD/DVD』からのキャプチャ・撮影に限っています。

 面倒ですが、法的問題をクリアにするためにも引用画像は自前で用意します。

引用に該当していれば、著作権者の許諾は不要


 著作権法32条1項には、引用にあたり著作権者の許諾が必要であるとの文言はありません。実際、文化庁『著作権なるほど質問箱』においても以下のように記載があります。
「引用」に該当すれば、美術作品又は場合によっては、写真の著作権者の了解なしに、当該作品又は当該作品が写っている写真を掲載することができます。 - 文化庁『著作権なるほど質問箱』0000581より

 逆に言えば、著作者が引用を『許可』する権利もないし、『不許可』とする権利も無いという事です。それが可能ならば、著作者に批判的な記事への引用は不可などとする事が出来てしまいます。それは著作権法の目的(公正な利用・文化の発展に寄与)に合致しません

 著作権者の方だって『引用しても良いか?』と聞かれても困ります。許可する立場に無いからです。


 ですから権利者は当然断ります許諾を申し込む=転載の許諾だからです。
引用では許可を申し込むこと自体がありません。

 同じように、『引用禁止』も意味がありません。禁止する権利が無いからです。正確には『無断転載禁止』となります。これなら意味があります。(禁止しなくても無断転載は当然禁止ですが)


『引用』であれば、私的利用・商業利用は関係がない


 引用は非営利の場合に限るとの誤解も多くありますが、引用において商用利用か私的利用かは全く関係ありませんこれは複製権に関する私的使用の概念などと混同した誤解かもしれませんので説明します。

『私的使用』というのは著作物の複製を自分で使用する場合の規定であって、『引用』とは別の概念です。『引用』であれば商業誌やアフィリエイトのあるブログでも問題なく利用できます。
第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。(著作権法30条1項:私的複製)
※私的複製はコピーを作って自分(や家族・限られた友人)で使うための例外規定です。(例:音楽CDをコピーして使うなど)非営利でもネットで公開するのは私的利用の範囲外です。
(参考)私的使用のための複製 - 日本弁理士会:さらに詳しい説明です


引用にならないけどアニメ画像が使いたい!そんな場合は・・・


 引用基準は満たさないけど、アニメキャラの画像が使いたい・・・そんな場合でも合法的に掲載する方法があります。

 それはアフィリエイト用の画像を使うという事です。もちろんアフィリエイトだから自由に使っていい訳ではありません。あくまで規約の範囲内で、かつアフィリエイトリンクを付けてという制約はあります。(Amazonアソシエイト・プログラム運営規約


 でもこんな風に花陽ちゃんの画像を掲載する事ができます。Amazonのアフィリエイトには画像のみの指定ができるので、CDのアフィリエイトをこんな風に貼る事もできるのです。これなら引用要件に当てはまっていなくても掲載できます。

 アフィリエイトの画像はAmazonに対してプロモーション用の権利が付与されているので規約の範囲内でしたら合法的に利用する事ができるのです。

 探すと結構色んな画像が見つかります。工夫すれば結構使えますよ。

良くある疑問・・・の解答

  • 引用するのに権利者の許可を得る必要がある?
    => 必要なし。
  • 営利目的では引用できないのでは?
    => 営利目的でも引用条件のすべてに合っていればOK。
  • 引用禁止との表示は有効?
    => 無効。正しくは『無断転載禁止
  • そもそも引用と(無断)転載の違いは?
    => 引用基準をすべて満たしているのが引用、それ以外は転載、許諾が無い転載は無断転載(盗用)
  • 引用でキャプチャー画像は使える?
    => 引用のために合法的に撮影した自前の画像を使う。
  • アニメはネットにアップしてはダメと書いてあるけど?
    => 引用ではない無断転載を禁じているという意味です。
  • アフィリエイトの画像は?
    => プロモーション用の権利が付与されているので、規約内の使い方なら引用の基準に合ってなくてもOK。
  • 雑誌では許諾を取っているけど?
    => 引用に当てはまらない使い方をする場合許諾が必要
  • 公式動画のブログ埋込みは引用?
    => 公式動画はYouTubeの規約に従い埋め込みが想定された契約になっているので、引用に当たらなくても規約の範囲内で埋込む事は問題は無い。
  • フリー画像を使うのは引用にあたる?
    => フリー画像はそれぞれの利用許諾に従った契約なので、引用に当たらなくても規約の範囲内で自由に使う事が出来る。

正当な引用は、法律の抜け穴ではありません


 引用を後ろめたいと思う事はありません。でも、どうしてこんな権利が認められているのか不思議に思う人もいるかもしれません。それは著作権法の第一条をご覧下さい。

第一条  この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。(著作権法 1条/赤字は筆者着色)

 著作権法は『著作者等の権利の保護』だけが目的じゃないんです。『公正な利用』をして『文化の発展に寄与すること』が目的です。『引用』はまさに公正な利用そのものであって、アニメ作品の批評などが盛んになる事は、アニメ文化の発展に寄与する事です。

 だからこそ無断転載にならないように、慎重に確認しながら適正な画像引用をしていきたいですね。必要性があるならば、それほど難しくはないはずです。
【追記】続編として『画像引用の疑問点:有料配信動画のスクリーンショットを引用できるか?』を書きました。興味のある方は参考にしてください。
【追記2】続編として『埋め込み動画は著作権法違反?引用画像の『Twitterカード』や『サムネイル』表示は合法?直リン不法行為問題まで考えてみた。』を書きました。興味のある方は参考にしてください。

【参考】
著作権なるほど質問箱 TOP - 文化庁
ネット上のアニメ感想にまつわる著作権ガイドラインを考えてみる-パン焼き日誌 - 
判例 藤田嗣治絵画複製事件-木田行政書士事務所

※この投稿内の写真はアフィリエイト画像を除きすべてkato19のオリジナル画像です。

追記修正:リンク全面修正(2018/7/2) ©マークについて新記事リンク追加(2018/5/12)文末に追記2のリンクを追加(2017/06/03)『主従関係』項の『一言だけコメントが』欄に後半1文加筆(2016/11/5)『私的使用』項の加筆修正・参考資料追加(2016/11/5)『映像のキャプチャー(撮影)はOKなのか』の公式配信の動画欄、および文末にについてリンクの追加に伴う加筆修正。(2016/8/12)『画像の改変は禁止!大きさは?』項で、鑑賞性の問題と藤田嗣治絵画複製事件の紹介を加筆修正(2016/03/07)『7出所の明示が必要なこと』項で明示方法の例を追記(2016/03/07)冒頭の著作物分類表に『広義の『転載』』について追記。『6『引用を行う必然性があること』欄にて『必要最小限』を『必要な範囲』に訂正。同、裁判例引用。(2015/08/01)/『映像のキャプチャー』項を加筆修正。(2015/11/13)『権利者の表示は必須!出典とは違います。』欄の出典表示について加筆修正(2015/11/22)

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