2015年に『涼宮ハルヒの憂鬱』を初めて見た感想:まさかここまで面白いとは!

2015/12/24

アニメ 京アニ

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 一応アニメをテーマにしたブログを書いているのに『涼宮ハルヒの憂鬱』を見てないのはいかがなものか・・・と思っていたんですよね。間もなく2016年を迎えようとする今になって、初めて鑑賞した『涼宮ハルヒの憂鬱』の感想です。

Dアニメストアで配信中の『涼宮ハルヒの憂鬱 』2009年版
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団
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※核心に迫るネタバレはないレビューですが未見の方はご注意ください。
【関連】2016年に見た『涼宮ハルヒの消失』感想と考察:長門は恋をしていたか?

さすが名作、衝撃的な面白さ


 最初の放映が2006年ということで10年近く前の作品ですが、今見てもとにかくおもしろいですね。さすがに名作と言われるだけの事はあるなぁ・・・。

超絶自分勝手な変わり者のハルヒ
文字通り彼女を中心に世界は展開する
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

 1話からガッチリ掴んできて2話3話といきなりの急展開。見逃せないスピード感にワクワクが止まりません。アッという間に虜にさせます。

 男子高校生の主人公、通称『キョン』の一人語りを軸に、変わり者の女子『涼宮ハルヒ』とそれに巻き込まれるキャラたちのストーリー・・・って。これだけ聞くとありふれた話?って思いますが、それが今見てもすっごく斬新なんですよね!

主人公キョンのモノローグが軸になる特徴的な構成
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あらゆるものを詰め込んだ意外性


 何か斬新かといえば、いわゆる『セカイ系』を『学園ラブコメ』に落とし込んだ意外性かな。さらに『萌え・SF・日常・ミステリー・学園・ファンタジー・ラブコメ』といった数々の定番要素をすべて詰め込んで一つの流れにしているのが凄い。

ハルヒに巻き込まれる朝比奈みくる
一見単なる萌えアニメにしかみえない・・・がしかし!
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 さらに演出も前衛的で挑戦的!でも難解にならずに分かりやすく娯楽性が高い。この辺もすごいなぁ。

ハルヒを見てなかったワケ・・・


 『涼宮ハルヒの憂鬱』といえば超絶有名な深夜アニメの代名詞のような作品ですよね。40代の自分でも当然タイトルぐらいは知ってました。1期が2006年、2期が2009年の放映です。(追記:2期を1期+αで『1.5期』と呼ばれるそうです)

 自分は自己紹介の通り、2011年の『魔法少女まどか☆マギカ』以降に深夜アニメを見始めたのでこの頃の作品は全然チェックしてなかったんですよね。

 あの頃は『時をかける少女』(2006)や『秒速5センチメートル』(2007)に相当ハマっていましたが、深夜の萌え系アニメには正直偏見を持っていました。ただ萌えアニメも独特の進化を遂げているらしいとの噂は聞こえてたんですよね。

眉間が極端に広く瞳が大きい典型的な萌えキャラ
当時は偏見が強く食わず嫌いだった
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

 『ハルヒ』という作品がスゴイらしい・・・とは聞いていても、あの典型的な『萌えキャラ』ですからね・・・ハードルが高かったんですよね。それに、当時は終了したテレビシリーズを視聴するのも大変でしたしね。あと、憂鬱やら退屈やら溜息やら消失やら・・・いろいろ出てよく分からないし
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難解そうな作品?


 わからないといえば、この作品、Wikipediaであらすじを読んでも意味がわからないという珍しい作品でした。情報統合思念体やら超能力者やら未来人やら・・・まるでハードSFのような難解な設定が書いてあるのですが、あの絵柄と全く合わないし、結局どういう作品なの?と逆に疑問が増える始末。本当に言語化しにくい作品だと思うけど、それが却って興味を引いたのも事実です。

一見してSF要素の入る余地がないように見えるが
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

 そして2015年も押し迫った今、いよいよ我が家のTVでもDアニメストアが視聴できる環境が整いました。月400円と安い割に潤沢な過去作が見放題。目的は違う作品だったのですが、「あ、ハルヒもあるんだ」と奥さんも興味を示したので見始めました。やっぱりこのハードルの低さはいいですよね、DVD借りるの大変だもんね。

  本作を語りだすととにかくキリがないので、見所を3つに絞ってみました。

見所1:超魅力的なキャラ!


 まずは、このキャラクター!現在の超高精細な京アニ作品とは違いますが、どのキャラも本当にいいですね。特に萌えキャラの一つの完成形といえる朝比奈みくる。声優の後藤邑子さんの演技力があまりにも素晴らしくて、もうなにも言えませんよ。

『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』(1期1話/2期25話)
挑戦的な演出と奇跡の楽曲
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

 挿入歌の『恋のミクル伝説』は、まさに伝説レベルのアニソン楽曲。再現不可能と言われる奇跡のフレーズ『ミ、ミ、ミラクル、ミックルンルン♪※』が頭の中をグルグル回ります。『恋のミクル伝説』涼宮ハルヒ(山本寛)より

 後藤邑子さんは『まどか☆マギカ』でまどかの母役もしていたと知って2度ビックリ。体調崩されていたそうですが今後の活躍も期待したいです。

見所2:斬新な演出・構成!


 本作には幾つかのいわくつきのエピソードというか、賛否両論のあるエピソードがあります。『エンドレスエイト』(12−19)と『サムデイ イン ザ レイン』(28)です。

 否定的な意見もありますが、個人的にはとても好きでした。とくに批判の多い『エンドレスエイト』は凄いですね。もしリアルタイムで観ていたなら不安になるし怒り出す人の気持ちもわかります。とても過激だし常軌を逸した演出なのは間違いないです。

 でも今、こういう形でまとめて鑑賞できるとすごく良い!長門有希の気持ちにどんどん感情移入しながら見ることができました。こんな演出は後にも先にこれだけでしょうけどね。見終わった後はすっかり長門ファンに洗脳されました。

『長門は俺の嫁』
有名な言葉の意味がようやく理解できた
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

 他に非常に特徴的な演出という意味で『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』(1期1話/2期25話)、『ライブアライブ』(26話)も注目でした。

 特に『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』は1期ではなんと1話として放映されたというから驚きました。本作は1期シリーズ(2006年版)の放映順序が2期と大きく違い、時間軸を入れ替えて放映しているというのも面白い演出。視聴の際はWikipediaの放送対応表を片手にみると一層楽しめると思います。

見所3:著名なスタッフ勢揃い!


 いまやスター級の京アニ系制作陣がてんこ盛り。これもぜひWikipediaの表を見ながら視聴したいですね。監督の石原立也さんは当然として、石立太一山田尚子池田晶子堀口悠紀子池田和美門脇未来(敬称略)・・・などなど、今や名前を見ただけでときめいてしまう大物スタッフさん達が勢揃い。

 各話のスタッフをチェックしながら見ると一層楽しめますね。特に『エンドレスエイト』では違いが明確になるのでとても面白いです。これは2015年だからこその楽しみ方かもしれません。

そして、素晴らしいオープニング!


 強引に3つにまとめましたが、とにかくそれでは言い尽くせない面白さがありました。もう一つ特筆すべきはオープニング。1期2006年シリーズのOPアニメが最高に好きです。

 平野綾さんの歌う楽曲『冒険でしょでしょ?』単体の素晴らしさもありますが、サビ部分の星が散りばめられるシーン。とにかく最高!

ハルヒが駆け抜ける中をキャラクターが次々と
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

 次々と流れるようなキャラクター。楽曲のリズムと同期した細かな動きが最高に気持ち良いです。あまりに動きが激しいためビットレートが全く不足してしまうのがツライ・・・DVDでも追いついていないようで、撮り直したというブルーレイ版のOPを是非見てみたいものです。

 さらにOPラストのハルヒの動き。2Dアニメならではのデフォルメした躍動感が素晴らしいですね!もうシビれます。

2Dアニメならではの特徴ある素晴らしい動き
(C)谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

ハルヒシリーズの見る順番


 ちなみに、本作は人気ライトノベル原作のアニメ化作品ですが、イギュラーな編成なので未見の方にはすこし説明が必要です。(Wikipediaを参照

 まず、『涼宮ハルヒシリーズ』と呼ばれるライトノベルシリーズ(連載中)があり、いくつものエピソードがあります。『涼宮ハルヒの憂鬱』はそのうちの一つです。

 2006年放映の1期ではその中から、『涼宮ハルヒの憂鬱』をはじめ幾つかのエピソードを14話でアニメ化。内容は原作に忠実なものの、原作ファンに向けてあえて時間軸を入れ替えて放映。

 2009年放映の2期では、1期のエピソードに3エピソード(14話)を加えた28話で放送。その際1期の放映順序を原作通りに組み戻し、新エピソードを間に挿入する形で放映したそうです。

 さらに2010年に『涼宮ハルヒの消失』が劇場版(162分)として上映。ほかにスピンオフアニメやゲーム作品など沢山の派生作品があります。今年2015年TV放送の『長門有希ちゃんの消失』は公式パロディー漫画を原作にしたアニメ作品でした。

 私が今回鑑賞したのは2期の通称『2009年版』と呼ばれるものです。だから1期では最終回だった14話が6話になったりとか少し違和感があるところもありますが、分かりやすくスピード感がありますので小説未読の方には2009年版で問題ないと思います。

劇場版が楽しみ・・・


 若干不思議な終わりかたになった2009年版は、多分直後に発表された劇場版を考えて構成されているんでしょうね。いま世間ではスターウオーズep7で盛り上がっていますが、我が家では涼宮ハルヒの憂鬱が熱いです。このレビューを書き上げたらゆっくり劇場版『涼宮ハルヒの消失』を楽しみたいと思います!
 劇場版の続編も見ました!
【関連】2016年に見た『涼宮ハルヒの消失』感想と考察:長門は恋をしていたか?
原作:谷川流/監督:石原立也
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