これは唸りましたね・・・ホントに面白かった。劇場版 亜人 1部『衝動』映画館で見てきました。話が進むにつれてどんどんアツくなりました。萌え要素とかありませんが、コレは世界で通用する!と確信するような作品でした。
劇場版2部/最終章の感想も書きました。
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※後半が若干ネタバレのレビューとなっていますので未見の方はご注意ください。
劇場版『亜人』本予告
kingrecords(公式配信)
さすが評判の作品!
原作コミックは以前からすごく評判が良かったですよね。実はまだ未読なのですが初見でもすごく楽しめました。3部作の1部にもかかわらず充実した内容で、見終わった後の満足度は非常に高いです。
原作コミック未読でも問題なく楽しめる (C)桜井画門・講談社/亜人管理委員会(当ブログの画像引用について) |
正直な所、あらすじだけ見るとさほど新しさを感じず、どうしてそんなに話題なの?と思ってたんですよね。でも実際に見ると、これまでの作品にはないヒネリがあってストーリー展開に深みがあります。アクションや謎解きもすごく面白いのですがそれだけじゃないんですよね。
主人公のオリジナリティ
物語の途中までは、ごく普通の高校生がとんでもない事に巻き込まれて・・・ってありふれた展開?と思わせるのですが、実は主人公の永井圭の性格がポイント。彼が『他者に共感出来ない』特性を持った人物である事が本作のストーリーをすごく複雑にしています。
他者への共感ができない合理主義的性格 主人公の永井圭 (C)桜井画門・講談社/亜人管理委員会 |
『他者への共感』ができないとはいえ、別に感情が無いわけじゃない。まあ妹から見るとクズに見えるのですが、単に嫌な奴でもなくヒューマニストでもなく、非常に合理的に思考し行動するだけ。それがこれまでにない面白い展開を引き出しているんですよね。
特に後半、人間を殺さない決意をした圭。その理由が命の恩人である唯一の友人『海斗』に恩返しをするため。ただ、その理屈が『死ねない自分では命を懸けても釣り合わないから』なのが面白い。ヒューマニスト的な青さ・弱さとは全く違う観点で行動するため、人を助けるのも単にマイルールを守るかのような妙な軽さが逆に面白いんですよね。
独特の絵作りが合っている
そんな主人公の圭をよく表しているのがキャラクターデザイン。前半ではなんとなく無機質な感じ・・・というか3Dっぽいデザインがちょっと気になります。でも、それが逆に彼の性格を強調しているんですよね。
制作はシドニアの騎士と同じポリゴン・ピクチュアズ。フル3Dモデルで2Dアニメを制作する会社ですよね。シドニアでは3Dとは思えない萌えまで盛り込んだキャラ作りで驚かされました。
主人公の妹 慧理子は3Dモデルでも可愛らしさを表現している (C)桜井画門・講談社/亜人管理委員会 |
今回の主人公『圭』がちょっと3Dくささを残しているのもきっとわざとなんじゃないかな?表情からくる違和感が性格とすごくあっていると思います。実際女性キャラクターは可愛らしくできていて違和感少ないですしね。
オッサンのバトルシーンが爽快
あと、何と言ってもカッコイイのが『帽子の男・佐藤』ですね。今の段階で悪役と言い切って良いのかは不明ですが。それにしても後半のバトルシーンにしびれました!声優の大塚芳忠さんって吹き替えでも有名な方ですよね。すっごくいい演技でカッコ良いんですよ。
『帽子の男・佐藤』大塚芳忠さんの声がもう最高! (C)桜井画門・講談社/亜人管理委員会 |
昔の労働者風のオッサンが縦横無尽に攻撃する姿は爽快の一言。特に自分を殺しながら麻酔をキャンセルしていくシーンは凄いですね。悪役?なのに感情移入できてしまうのも本作のストーリーが複雑な証拠。佐藤の正体が明かされるのが楽しみです。
総集編ではなく完成された作品
本作は劇場版でありながら2週間限定公開。1月からTVシリーズが始まります。そう聞くと『なんだ、TVの総集編か?』と思われそうですが、端折った感じは全然しませんでしたね。原作未見の自分にとっては、むしろたっぷり106分充実した内容で完成度の高い作品だと感じました。
PG12指定でかなり痛いシーンが多い (C)桜井画門・講談社/亜人管理委員会 |
しかし、劇場公開の後に1月からTVシリーズが始まると聞いた時は『なんじゃそりゃ?』と驚きました。TVシリーズがどういう構成かは不明ですが、TVの後に総集編を作るのではなく、先に劇場版を完成させるというのは変則的とはいえ、良いアイデアかもしれません。シドニアの騎士の劇場版(総集編)は、TV版と比べてちょっと詰め込み感が出てしまいましたしね。
(参考)劇場版 シドニアの騎士 感想:しっかり詰め込んだ総集編 - アニメとスピーカーと‥‥
これは世界に通用する作品
TVシリーズはNETFLIXで世界配信されるそうですが、世界に売り込むならTVシリーズより劇場3部作の方が見てもらいやすい気がします。とにかく劇場版は単体でも非常に楽しめる作品なのは間違いありません。ただTVシリーズと違うのは劇場版はPG12指定なのでより過激度は高いかも・・・実際かなり痛いです。
あと、嬉しいことに3部作の1部にもかかわらずエンディングがしっかり作ってありました。何と言っても楽曲が最高にカッコイイ。見終わった後の充実感がかなりの高さでしたね。(物理的に)痛いシーンが苦手な人はキツイかもしれませんが、映画館で見る価値のある作品だと思いました。
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総監督:瀬下寛之/副監督:安藤裕章
『亜人』公式サイト
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